〇白井聡

・「平成」の終わりと「令和」の始まりは、改元政治ショーによって染め上げられた

 

・改元の日付が5月1日に決められたのは、朝日新聞が4月1日改元をスクープしたために、「朝日」嫌いの安倍首相が「特ダネをやってなるものか」との考えから5月1日に決めたという説が有力。この一件も安倍による改元の私物化

 

・かつて「戦前の国体」が崩壊の最終過程を驀進していたとき、特権階級以外の国民の命は限りなく粗末に扱われた

 

・今回の代替わりは、新時代の幕開けというよりもむしろ、戦後民主主義と象徴天皇制の葬式のように見える

 

 

〇橋本勝

・令という字に思わず命令を連想してしまう。そして和には昭和を思い浮かべ、この二つが結びついた「令和」で浮かんだ一句が「命令で平和を壊す国はごめん」である。あの日本の民を戦争へと導き、アジア各地へ戦火を拡大し、多くの戦死者を出した昭和の時代へ、逆もどりすることはごめんである

 

 

 

 

〇憲法に関する私見メモ

 

新元号「令和」になって初めての憲法記念日はシンガポールで迎えました。現日本国憲法に関する私なりの見解ポイントはこうです。

 

日本国憲法は、第二次世界大戦の反省を踏まえ、いわゆる「保守派」以外はおおむね一般国民の支持を得てきました。この流れは対外的な米国やアジア諸国との関係が変わらない限り、一般国民の意識は大きく変わらないのではないでしょうか。

 

憲法で定められた国民の権利を考えると、日本国憲法の上にのしかかっている、「日米安保条約」と「日米地位協定」が戦後日本が直接戦火に巻き込まれず平和を享受できた面はあるものの、この不平等条約の改定を安全保障上の理由から、与党政治家や官僚は改定意思を表だって表明しているとは言えません。まずは、その事実を広く国民に知らしめ、今後どう米国とアジアの中で生きていくのかを国民が判断する必要があるでしょう。

 

また、戦後一度も改訂されていない憲法について、国民の広い議論の中で、民主主義・国民主権の元での憲法の改善は検討する必要はあると思います。ただし、それは民主主義や国民の権利の後退であってはならず、やはり過去のものとなりつつある先の大戦の反省や歴史的事実を知り伝えていくこと。また国家と民主主義、そして安全保障の現代の状況を理解し、日本が自国とアジアと世界の平和に貢献していくために時代に合った意識の転換を新時代に合わせてやっていくべきでしょう。環境適応と進歩は必要ですが、反動は必要ないのですから。