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財務コンサルタント、大久保氏の企業財務論。企業経営者にとって資金の大事な調達元である銀行との付き合い方、銀行が融資をしたいと思ってもらえる会社・経営者・財務体質にするにはどうしたらいいかを分かりやすく解説してくれています。

 

読書メモ↓

・会社を潰さずに儲かる会社に変えるのは、会社にお金があればいい

 

・銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を奪う

 

・税理士は過去の会計と税務の専門家であってお金の専門家ではない

 

・企業を守るのは利益ではなく現預金

 

・会社を成長させるのは現預金であって利益ではない

 

・投資は小さく、回収は早く、調達は大きくする

 

・借金を返すのは、「会社」であって「社長」ではない

 

・銀行からの借金が恐いのは連帯保証人になるから

 

・一定の条件を満たせば連帯保証を外すことは可能。連帯保証が外れるように、節税なんかせずにきちんとお金を残す強い財務体質を目指せ

 

・会社を守るのは現預金だけ。会社が潰れるのは、現預金が底を突いたときだけ

 

・まずは「借りられるだけ、借りる」

 

・お金があるときに、さらにお金を集め、絶対に潰れない現預金残高を持つことが重要

 

・銀行には、晴れのうちに傘を借りまくって、雨になったら返さなければいい

 

・手元に現預金を残しておく

 

・会社が危うくなる一番の原因は「投資の失敗」。これを回避するには投資額以上の借入をするしかない

 

・できるだけ大きな金額をできるだけ長期間借りることで現預金残高を最大化する強い財務体質がつくれる

 

・銀行からの借り入れは「借金」ではなく「調達」ととらえ調達力を上げる そのために

①銀行に評価される決算書をつくる

②借入のタイミングをつかむ

③信用保証協会枠を有効に使う

④複数の金融機関でプロパー融資の実績をつくる

⑤絶対に潰れない現預金残高を持つ

⑥複数行を競わせてよい条件を引き出す

⑦社長の連帯保証を外す

 

・銀行がお金を貸す会社

①お金がある会社

②取引実績のある会社

④他行に評価されている会社(プロパー融資・融資金額が大きい・期間が長い・金利が低い)

 

・銀行に応援される決算書をつくる

①10年以内に借入金を返せる

②2期連続赤字ではない (営業利益は黒字であること)

③社長が会社にお金を貸している

④債務超過ではない

 

・営業利益は黒字にして特別損失を出す

・営業外収益と特別利益の中に売上に振り替えられるものはないか

 

・1番お金を持っている月を決算月に(現預金が少なく、在庫や売掛金が多い決算書は銀行にとっては不安材料)

 

・借りやすい時期

①設備投資 (使途用途は限定されるのは 設備資金+運転資金)

②自社の決算が終わったとき

③銀行の決算時期(3.6.9.12月)

④納税資金

 

・年度資金を交渉していない。今期の年間返済額を提示する

 

・決算書は新規調達の武器

 

・プロパー融資の実績は決算書三期分から

 

・保証協会の一般枠は無担保保証で8,000万円しかない

 

・まずはプロパー融資を目指さなければならない

 

・保証協会の保証が付く金額を使わせて同時にプロパー融資の交渉をする

 

・どういう状態になったらプロパー融資を出してくれるかきちんと質問をしてみる

 

・どの金融機関と付き合うか

①都市銀行 それなりの規模が必要・1億以上貸したい・不良債権処理は迅速におこなう傾向

②地方銀行 第一地銀・第二地銀(元相銀)・他の都道府県に支店をつくって開拓・積極的な融資提案も・これからは再編も

③商工中金 政府系金融機関。国の施策と連携した融資制度がある

④信用金庫・信用組合 協同組織の金融機関。地域密着型

⑤日本政策金融公庫 政府系金融機関。国民生活事業は7.2億円が限度大きな資金需要にも対応

 

・お金の集め方

①創業融資

②複数行同時調達 金融機関同士を競わせる

③折り返し融資と借り換え

 

・A銀行から条件を出してきたらB銀行に聞いてみる

 

・経営者保証ガイドライン(2014)経営者の個人保証について、会社と個人が明確に分離されていて、会社に十分な利益・財力がある場合などは、経営者その他の保証は求めない

 

・連帯保証を外すには

①会社が私物化されていないこと

②財務状態や今後の収益性が安全であること(過去3期が黒字であること

③事業計画・見通しを含む財務状況を正確に開示していること

 

・社長の連帯保証を外してもらえる財務状態になっていれば、自然と金利は下がっているはず。金利は最後でいい

 

・会計(過去の取引の整理)と財務(未来)は違う

 

・現預金は貸借対照表に出てくる

 

・会社を潰したくなければ、B/Sと未来への時間軸を経営者自身がきちんと把握する必要がある

 

・税理士に減価償却を任せていないか?税法で減価償却は決まっているが、本来は何年設備を使うかで償却する期間を決めていい

 

・決算書は嘘をつけるが、現預金残高は嘘をつけない

 

・法人税の実効税率は約35%。個人に払いすぎると税金が高くなってしまうので会社と個人のトータルでの税金がもっとも少ないように所得税の税率が法人税の税率を上回るところまでは社長の給与を出しても損はしない

 

・積立型の保険商品のほとんどは半分が経費半分が資産計上。法人税率が35%とすると、50%の35%。払った金額の17.5%しか税金が減らない

 

・借入は、会社の収益で返していくのが前提

 

・節税しないほうがお金は残る

 

・節税はほとんど課税の繰り延べ

 

・節税するといつまでたっても現預金を増やすことができず、資金繰りが苦しい状態が続く

 

・お金を使わず利益も減らさない節税はやるべき (利益を減らさず税金を減らす)例としては税額控除

 

・税制改正で役に立つこと、税務調査が来ないようにできる(書面添付制度)

 

・純資産が多い会社が一番強い会社

 

・調達の三角形

①流動負債 すぐに返済するもの

②固定負債 比較的長く借りているもの

③純資産 返さなくていい調達

 

・運用の逆三角形

①流動資産

②固定資産

③繰延資産 開業費・開発費など換金価値はない

 

・強いBSをつくるには

回収を早くし、税引き後の利益をきちんと出して純資産の部を厚くする(長期の銀行調達がしやすくなる)

投資額を小さくすることにより、現預金を持った安定した経営ができる

 

・手元資金が厚いため、資金繰りを気にする必要がなくなり、ムダな労力・コストを減らし、安定した経営を

 

・投資のチャンスを逃さない。投資スピードを上げ、企業規模を拡大していくためにも手元資金は重要

 

・納税をすることで調達力は上がる

 

・FCで事業を拡大する方法も

 

・業務委託契約にし、優秀な人材を確保する手も

 

・子会社を太らせる。利益の5%は残すような経営をしてもらう

 

・M&Aで時間を買う方法も。子会社で調達したほうが楽な場合も

 

・結局お金がお金を生む

 

・手元資金を厚くする戦略が投資を加速させ、さらに成長できる環境をつくる

 

〇リスケジュールについて

・借りられなくなったらまずは早くリスケジュールしたほうがよい

・まずはメインバンクを訪問し、メインをおさえることが重要

・リスケは手元資金が一番減らないようにするには1円も返さないこと

・定期預金は、事前に解約しておかないと押さえられるので交渉前に解約する

・とにかく現金化

・税金・社会保険を遅らせる

・支払サイトをいじる(回収早く支払遅く)中小企業こそすべき

・1日でも長く1円でも多く手元に現預金を残す

 

・自己破産はするな 死んだら相続放棄でチャラに