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今の巨大中国は日本が作った [ 副島隆彦 ]
1,728円
楽天 |
https://booklog.jp/item/1/482842010X
副島氏の中国研究本の最新刊。
ポイントは
①習近平体制は2027年まで続く(2017-2022は習近平独裁体制)
②2022年からの5年で中国はデモクラシー(民主政治)を実現する
③中国は崩壊しない。2024年にGDPが米国を抜くことを契機として米国に変わり中国が世界帝国になる。中国の政治体制と金融・経済はもっと繁栄隆盛する
④台湾は2024年に中国への編入を決めて中国の26番目の省になる。中国は中華系民族国家として平和的に統一される
⑤ヤルタ2.0で 米トランプ中習近平ロプーチン3首脳による世界体制が2024年まで続く
もちろん、これはあくまで氏の個人的な予測であって、そのようになるかどうかはわかりません。投資判断は自己責任でお願いします。
私も含め、多くの日本人は中国の実態に詳しいわけではありません。歴史的経緯からすれば、中国が世界一の経済大国に復帰するということを自覚することが必要でしょうね。それに見合う経済力とあとは議会制民主政治の実現がなされると世界が中国を真の意味で認めることになるのではないでしょうか。
日本のリーダーたる政財官界の指導者がどこまで認識しているだろうかが分からないところにあります。それらに対する国家戦略や日本国民の認識は果たして追いついているのでしょうか。
氏の予測では2024年がひとつの契機になるようです。歴史的といっていいパラダイムシフトに備える必要があるようです。
読書メモ↓
・2017年10月の19回中国共産党大会と2018年3月の全人代で新しいトップ人事が決まり、今後の5年~10年の中国がどうなっていくかがテーマ
・習近平体制は2027年まで続く(2017-2022は習近平独裁体制)
・2022年からの5年で中国はデモクラシーを実現する
・デモクラシー(代議制民主政体)とは世界基準の政治知識
①普通選挙制度 18歳以上の男女
②複数政党制
①②を完備することがデモクラシー国家の条件
・共青団は野党になることを李克強首相は腹に決めた
・中国がデモクラシーに移行しなければ世界は納得しない
・政治局常務委員7名のうち5名が習派。うち韓正氏は江沢民
・今の巨大中国を作ったのは特定の日本人経済学者(森嶋通夫・青木昌彦)だった。
マルクス経済学資本論をケインズ経済学マクロ計量モデルにそのまま置き換えることを教えた
・中国は崩壊せず世界帝国になる。中国の政治体制と金融・経済はもっと繁栄隆盛する
・習近平は江沢民派に育てられたが、鄧小平から「三代先の中国の最高指導者にする」を25年前に言われた
・習近平は鄧小平を目標にしている。中国を穏やかで豊かな国にしたいと思っている
・胡耀邦こそが共青団を作り上げた人
・江沢民は自ら汚れまくることで中国を成長させた
・鄧小平は、共青団の理想主義と立派な人間たちでは11億人の中国をまとめていくことはできない、と権力を汚れた江沢民たち上海閥に渡した
・1979年から2011年まで中国は平均成長率10%以上が30年あまり続いた
・中国は強欲主義の金銭崇拝を修正していく段階に入った。習近平が反腐敗闘争をやっている
・一国の指導者たちはつねに両方の勢力とつながっていなければいけない
・習近平は独裁のふりをして、実質は中国をさらに豊かな国にすることに力を入れ、内部のもめごと争いをなるべくなくして世界帝国になっていく
・中国共産党の資本主義化に伴う腐敗は江沢民たちが元凶
・鄧小平の改革開放で、社会主義的市場経済で、製造業が活性化した
・習近平の反腐敗運動(7名死刑、2万人懲役、153万人摘発)は度を越した大金持ちから資産を取り上げれる運動
・12年後に民主政治で野党になった共青団が政権を担う
・中国人が渇望しているのは金や財産ではなくデモクラシー(政治活動の自由)
・国家副主席王岐山は対米外交も仕切る
・鄧小平後、共産党は集団指導体制になった。(政治局常務委員会が最高層)
・王 滬寧は中国の理論家で現代の諸葛孔明
・中国の1980年代からの成長は森嶋理論に依る (森嶋通夫「マルクスの経済学」)
・台湾の蔡英文は人気がない。2020年の次の総統は廬麗安になるのではないかと予測
・台湾は2024年に中国への編入(復帰)を決めて中国の26番目の省になると予測。中国は中華系民族国家として平和的に統一される
・国連加入条件は、主権国家であること。台湾はそれを認められていない。台湾独立論は国際社会が認めない考えとなっている
・中国の着実な動きからして大きくはアメリカは南シナ海から引いてゆく
・キリスト教諸派のローマ・カトリックが一番強硬。中国は「宗教は人民のアヘン」が建国以来の国是
・共産主義も実は宗教。イデオロギーとは宗教
・そもそも今の世界は「お金と宗教と帝国」の3つでできている
・中国は資本家の支配から解放された労働組合の存在を認めない国。実際は地下労働組合がある
・バチカンは中国の力を認めざるを得ない。ただしバチカンは台湾との国交を断絶しなければ中国政府はバチカンと国交を結ばない
・人類の諸悪の根源はローマ教会。次いで共産主義の虐殺。歴史的に宗教弾圧はローマ教会自身によってほとんどが行われてきた
・チベット自治区は8割ぐらいが漢民族。チベット仏教の指導者ダライ・ラマ14世がチベット族の精神の拠りどころ
・モンゴル族を穏やかにするために清朝がダライラマ7世をチベット王と認めた
・金正恩体制は米中によって他の人間に取り換えられ穏やかで温厚な政治体制に変わる
・米中ロによる世界3帝国によって世界は実質的に動いてゆく
・38度線という軍事境界線はこのまま維持される。南北統一、民族統一はさせないという世界政治の冷酷な現実は続く
・朝鮮戦争は実質は米中戦争だった。平和条約とは戦争終結の条約である
・668年、天智天皇は日本という言葉を使い始めた。これが日本建国
・中国は北朝鮮を穏健な社会主義国に作り替えてミャンマーのような国にしたい
・米軍も朝鮮半島からは簡単に引けない
・習近平は、北朝鮮処分を実行することで、本心は自分に逆らっている人民解放軍を北朝鮮に出撃させたい
・鄧小平は中越戦争で人民解放軍の幹部を叩きのめし軍人たちを粛正することだった。中国の大敗で鄧小平は軍を完全に自分の支配下に置いた。習近平は今同じことをやろうとしている
・習近平は核兵器の管理権を7大軍区からすべて取り上げ、管理を中部戦区に集中した
・中国軍の兵力は230万人だったが、これを100万人まで減らす
・THAADという地対空の迎撃用誘導ミサイルをアメリカは韓国い配備した。日本も内密に3ヵ所にサードミサイルが配備されている(東北・北陸・中国)これにロシアのプーチンと習近平が怒っている。1972年からのSALT兵器制限交渉の振り出しに戻ってしまう
・トランプ政権は軍需産業の巨大な兵器生産能力をこの先縮減しなければならない
・トランプでも軍需産業は敵に回せない。北朝鮮処分でも戦術核でも核兵器は絶対に使えない
・中国の核ミサイルは600基くらいしか持っていない。米ロは5000発
・石原慎太郎の尖閣諸島東京都買取の発表は、アメリカの日本あやつり対策班がしつらえた
・安倍晋三を支える言論人や新聞記者たちは、中韓、そして北朝鮮を嫌悪して嫌がった
・安倍晋三は中国にバカな喧嘩を売って自分が恥をかいた男。どれだけ日本の国益を損じたことか
・中国の国家体制派、もっと強大になって経済的にも繁栄する、この事実を嫌がってねたんで中国の悪口を言うことを日本国民の一部がやってきた。この勢力が安倍政権を支えてきた中心的な勢力(500万人くらい)
・中国の未来予測は政治的な党派性や好き嫌いではなく、知識人としての務め
・日本の反共右翼や強硬保守派の人たちは今もなお日本がずっと上だと思い込んでいる。日本は25年間全く経済成長がない。アメリカの言いなりのまま日本国の衰退が続いた
・日本の反共右翼や強硬保守はアメリカにしっかりついていくという一本やりで動いている。自分たちの国を自分で守るという大事なことが言えない人。どうして彼らを愛国者や民族主義者と呼べるのか。アメリカに脳をやられている
・朝鮮半島と台湾と日本は非常によく似ている。世界からそう丸見え
・日本人から大国意識がなくなった
・私は日本が中国の属国になっていいと言ったことは一度もない。だが中国がもっと巨大(世界覇権国)になったとき、日本はどうなるのか。日本は2000年来中国の属国(朝貢国)であり、それに戻ってゆく。これが歴史の必然
・中国共産党存亡の危機は2012年2月の薄熙来のクーデター計画だった。だが胡錦濤と習近平によって鎮圧された
・富坂聡氏は中国研究の国家情報部員
・孫文たちが満州人の支配を嫌って1911年に辛亥革命で清帝国を打倒して漢民族による国家を再興したことになっている。が、中国の民衆は300年続いた清朝の皇帝たちを尊敬している
・石平氏は、中国は日本を経由することで欧・米の文化芸術や学問、政治体制を学んだ、と断言した
・中国知識層は日本に対して劣等感を今も抱いている
・中国は井戸を掘った人として田中角栄を尊敬している。角栄の跡継、民族指導者は小沢一郎であった
・中国人知識層は「日本はデモクラシーと言いながら実際は自民党の一党独裁。それでは中国と変わらない。日本が本当のデモクラシーをやってくれないと中国が困る」と主張していた
・日本は結局、偽物のデモクラシーのまま。日本のトップはアメリカを選ぶ。日本は独立国でも主権国家でもなくアメリカの言うことを聞く者でなければ国家指導者になれない
・アメリカは小沢勢力を嫌い、日本国民の自立を警戒した
・今の中国の大成長を作った設計図となったのが森嶋氏「マルクス経済学」だった
・マルクスの経済学とは
資本主義社会を貫く利潤率、利子率が実はマルクスの、資本家による労働者からの搾取率と等しい、ということ
・1989年の天安門事件で民主化運動に参加していた若者たちはCIAの手びくでアメリカやヨーロッパに脱出した。その後中国政府は優秀な人材であれば国家として優遇する措置を取った。彼らの一部は政府幹部になっている
・安倍首相は対立を煽っておきながら2015年くらいから腰砕けになって中国にすり寄り始めた。AIIBに協力する姿勢も
・日本に今よりも穏やかな政権ができれば、再度中国と真剣に話し合って、尖閣諸島海域の共同開発路線に再び戻るべき
・沖縄の海兵隊は、グアム移転どころか、それ自体を廃止することが決まっている
・アメリカの国内での最大の関心事は、兵役を除隊した者たちの仕事がなかなか見つからないこと
・辺野古はゆくゆくは自衛隊基地となり、小型空母用のヘリコプター発着訓練用地となることが内々で決まっている
・中国の1980年からの急激な成長の土台は、アメリカが中国の国営企業解体を支援し資本主義化したことによる
・キッシンジャーと鄧小平が今の巨大中国を作った
・華僑の資金5000兆円以上がアメリカに置かれている。米中の関係は簡単には切れない。アメリカが落ち込んだときに中国が取って変わる(2024年あたり)
・第一列島線は中国海軍がすでに突破した
・台湾もフィリピンも自国が中国の庇護化に入ることを認めつつあるが、日本の右翼、保守派、反共主義者たちはこの事実を受け入れ難いだろう
・南沙諸島は 中国・フィリピン・ブルネイ・マレーシア・ベトナムの5国が領有権を争っている
・トランプ政権の意思として、北朝鮮問題を先に解決する決断がある。米中は同盟国にはならないが、戦略的パートナーとして連携する
・ヤルタ2.0で 米中ロ3首脳による世界体制が2024年まで続く
・キッシンジャーは小国には核兵器を持たせない、という決断で動く
・植民地支配の時に作られて儲かった資金が、戦後の政府系銀行の原資になった
・2007年6月までは中国は核兵器、宇宙、コンピュータ技術などを買うためイスラエルと親密だったが、2007年にそれをやめて、18億人のアラブ諸国およびイスラム教徒たちと連携することを決めた
・中国人はいくらアメリカで教育を受けても、アメリカが嫌い。中国は大国で歴史もあり、属国にはならない
・中国の人口は本当は15億人いる、もうすぐ16億人になる。毎年3000万人くらい増えている
・7-8億人いる農民は貧乏でまだ貧しく、2.5億人を都市部に移す計画が始まった
・農民工は月給5-6万円、大卒の企業勤務や公務員は月給16万円くらい、ボーナス入れて年収400万円くらい
・2006年に日本は中国にGDPで抜かれた。中国は世界のGDP90兆円のうち15兆ドル(16%)。日本は25年経済が停滞し続けている
・アメリカのGDP統計には嘘が入っている。先進国も統計は信用できるのか?2024年にGDPで米中は逆転するだろう
・日本人は今も中国の真実の姿と実情、実態を知りたくない。むしろ対抗心を燃やして中国を見下したいという気持ちのまま
・アメリカの対中貿易赤字は毎年4000億ドル(42兆円)以上
・トランプと習近平は貿易赤字を半分に減らし、ドル安元高にもっていく
・日本の高性能の薄板や自動車用のハイテンション薄板はまだ中国が真似できない
・中国産品の鉄鋼に価格競争でどこも太刀打ちできない
・エネルギー(原油・天然ガス)については、ロシアと中国が組むことで、もうすぐ石油と天然ガスやその他の鉱物資源の価格決定権を握るだろう
・一帯一路は中国の世界制覇の構想であることを、日本人はまだ自覚していない
・ベネズエラは低質の原油を日本の高性能の精油設備で石油にすることができれば豊かな国になれる
・南米諸国までが中国が経済面から支援していく地域に変わる
・ニカラグア運河は5兆2000億円かけて中国が建設中、パナマ運河の拡張工事も中国からの資金で行われた
・アフリカは歴史的にヨーロッパ白人諸国に植民地にされたが、それを中国がひっくり返していく
・次の世界銀行はカザフスタンのアルマトゥという都市。カザフスタンはユーラシア大陸地球上の中心である
・中国人は 「人間の能力は生まれながらに平等ではない」「能力は不平等である」「能力のある人間の下に、普通の人間たちを集めて、働かせて皆が食べられるようにする」という思想原理に政治体制そのものを変更した