![]() | 感動の温もり、一生涯の宝 出会いに感動、出会いに感謝 [ 白井 治夫 ] 1,620円 楽天 |
https://booklog.jp/item/1/4478084017
プリント配線板専業の上場中堅メーカー「シライ電子工業」の創業者である、白井氏が創業50年を機に出した半生と会社発展の記録。 |
ロータリークラブの縁からいただいた本です。
白井氏のような創業者に対しては0からつくってきたことへの畏敬の念があります。その半生において、成功談を語る人は多いのですが、実直に失敗談も語る人はより信頼に足る人なんだろうと思います。戦後の日本のモノづくりは、そういう実直な人によって育まれてきたのでしょう。
あと、学ぶことはその人の生きた経験に基づく人生訓。失敗と成功の記録において、多くは人間と人間の関係。そこから書き留められた人生訓を他山の石とするところです。なので書き留めておきました。
読書メモ↓
・欲しいものをすぐにポケットから取り出せるドラえもんの素晴らしい道具のような会社に私たちはなりたい
・高校で自動車整備を行う自動車部をつくって警察車両を整備
・最初の就職先は資材調達部門
・使い走りのような仕事に不満を持ち、左遷。左遷がなかったら出会いもなかった
・毛沢東選集を読み始めて共産主義に興味も
・人権など関係ない、人を追い詰める組織の恐ろしさ
・人の心というものは、何とも弱いもの。また、企業にとっては商取引も重要だが、社員を大切にすることがもっと重要だと深く学んだ
・占い師から「出る杭は打たれる」タイプ。人に使われるよりも自分でやった方がうまくいく、と言われる
・見た夢をヒントにプリント基板の製造を決意
・アパートの一室で妻と二人で基盤の穴あけ業務を開始
・創業4年後に法人を設立
・松下電池工業は、住友銀行でないと取引できないと言われたが経理部長を説得
・人を見て相手は判断してくれる
・会社を信頼してくれた理由は、決算書ではなく、創業からの納税証明書
・設けたものは社会に還元する。これは当たり前
・トップにとって大切なことは決めること
・結果が悪いのは、全部自分の責任。うまくいったら部下の手柄
・近江商人の心得、「三方良し」 「売り手良し・買い手良し・世間良し」
・経営には取引先からの売り上げが全体の25%以上を占めるのはよくないという原則
・生産が追い付かなくて大変な状態から、いきなり受注ゼロにも
・額面で従業員持株会に譲った
・したたかな相手には強気で高いところから攻めた
・ビジネスに関しては、自分の利益のためなら遠慮なくぶつかるが、一旦ビジネスを離れるとノーサイドという感覚。(中国人の)サバサバした割り切り方は日本人も見習うべき
・日本国内の体制を立て直し、仕切り直して新たな海外進出に取り組む
・危機に直面して、変化に対応することの重要性を改めて痛感
・大切にしたのは、経営理念や社訓の認識。逆境のときこそ再認識することが大切
・赤字でもボーナスを出す。ボーナスは賃金の後払いと考える
・上り調子の企業を見つける銀行や証券会社は狩猟民族。コツコツとつくるものづくりの企業は農耕民族
・「企業は人なり」「人間尊重の経営」
・モノやカネに対する執着心はほとんどない。不自由なく暮らせたらそれで十分。財産は残すつもりはない。会社とそこで働く人が残っててくれれば十分
・成功する話を理路整然とするのは難しいが、失敗するという話を理屈をつけてするのは簡単
・新しいものを創り出すためには、反対意見と賛成意見の両方が重要
・ものづくりは瓢箪から駒はない。一つひとつの技術の積み重ね
・全社を挙げてエネルギー削減に取り組む
・ISO認証は継続して認証されること
・故郷の発展のために地域貢献を
・社長を辞任した理由
①上場のめどがついた 上場の鐘は次の社長が鳴らすべき
②年齢 70歳で退く
・社長時代は相互コミュニケーションを心がけた
・トップダウンも対話会も。すぐに解決できないことも、解決するためのヒントはたくさん転がっている
・5%の利益率を達成するのは簡単ではない
・苦しいときに助けてくれた恩、信頼してくれた恩は、忘れることができない
・会社を続ける上で、本業を大切にしながら新規事業を開拓する姿勢を忘れてはならない
・社訓は「品質保証」「技術開発」「相互信頼」「自己研修」「社会奉仕」
加えて「顧客貢献」「国際企業」
・社是 「学働悠遊」 人生の喜び、学び、働き、ゆとりをもって遊ぶからこそ、仕事にも力が入る
・二つの夢をもってほしい 数年で実現できる夢と将来実現したい遠い夢
・企業が途中で事業を放棄するということは、社員の生活を奪うこと
・座右の銘「人生感動の温もり 一生大事」