○宇都宮健児
・安倍政権がめざす憲法改正の本丸は、憲法9条に自衛隊の存在を明記すること。これは単なる現状追認ではなく、安保法制の制定と施行を受けて集団的自衛権のの行使ができる自衛隊を合憲化するということ。また戦力の不保持と国の交戦権を否認した2項を空文化・死文化させることになる
・衆院選の結果は、与党自民公明の議席が2/3を超え、希望の党・日本維新の党を合わせた改憲勢力は8割を超えた
・しかし、世論調査では、憲法9条の改憲は過半数が必要ない、と答え、安倍首相が加速を促す改憲の国会論議は67%が必要ないと答えている
○鷲尾香一
・生活扶助費が最低賃金を上回っているのであれば、最低賃金を行うべき
・生活扶助費が引き下げられれば、事実上最低賃金は下がる可能性すらある
・OECD加盟35か国中、GDPに占める生活保護費の割合は、OECD平均が3.5%であるのに対し、日本では0.5%でしかない
○鎌田慧
・北朝鮮のミサイル発射実験は、日本政府やマスコミがいたずらに恐怖を煽っている
・学校では近現代史を教訓的に教えられていない
・非合理・秘密主義が戦争遂行のために合理化よう
を止められない
・ミサイル防衛にどれだけカネをかけても完璧などあり得ない
・ヴァイツゼッカー西独大統領はナチス・ドイツによる犯罪をドイツ全人民が負う責任だと指摘し、国民に歴史を直視するよう促した。が、日本では侵略の歴史を教えてこなかった
・戦争の不条理は、召集された兵卒のいのちが捨てられ、特権階級の子弟や軍の幹部は生き残って責任を取っていない
・日本国憲法は世界最先端の憲法
○保阪正康
・「敵が攻めて来たら」という質問は、平時から戦時への移行が10段階以上のプロセスを経るもの。近代以降の歴史でいきなり戦争になることはないのは自明
・日本のファシズムは特異。ムッソリーニやヒトラーのようなイデオローグや国家目標はない。その場その場の状況にまじめに実直に対応し流れに乗ってゆくなかで無意識のうちにファシズム化する特徴
・大政翼賛会の結成・五・一五事件の裁判・国際連盟からの脱退
・国家予算の一般会計における軍事費の比率は昭和8年では39.1%13年に77%19年には85.3%。一般財政とは別に、臨時軍事費特別会計があったが19・20年には一般会計をはるかに超える。当然腐敗もあった
・冷戦が終わり、右翼左翼の構造が崩れた。世論の構成は逆三角形に。右翼・保守・リベラル・共産と下に行くほど数が少なくなっていく
・本を読まない人の特徴 ①美しいなど形容詞形容句を多用 ②侵略など用語の定義がよくわかっていない ③どんなことを話ししても5分くらいしか間が持たない 読書経験を積むことで自制心が養われる
・戦前は行政独裁と考えればいい。現在の危機的状況との親和性がよくわかる
・価値観の前に事実をきちんと教えてゆくことが大切
・戦争は人為的所業で、人間の持つ醜悪さがすべて凝縮している
・日本国憲法に問題点があるのはわかる。が、とにかく100年もたせるとこの国の骨格となるはず