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銀座の一流クラブママが教える上手な断わり方の本。松本清張原作の名著、武井咲版の「黒革の手帖」においても銀座のクラブの雰囲気はよく出ていたかな。
この伊藤由美ママは銀座のクラブママの代表格。人生は時間に限りがあり、充実した人生を送るために必要な、「最善の人間関係と最善の選択」をするには多くの人間関係や選択を断らざるを得ません。その意味で実は大切かつ実践的なのは「断わること」に他なりません。
この本の要諦は、由美ママが長年の経験で培ってきた「断わり上手になるための7つの作法」です。
まさしく銀座という競争の激しいマーケットで生き抜いてきた由美ママの人生訓のいい部分を私たちが身につけることは少なからず未来の失敗を防ぐことができるはずなのです。
断るチカラを身につけること。これはホントに大事なことですよねぇ。
読書メモ↓
・はっきりNOと言えない行動の奥には、「自分より他人を優先すべき」「他人には親切にすべき」「相手の気持ちを慮るべき」という長い歴史のなかで培ってきた日本人ならではの価値観が存在している
・常に礼儀や礼節を重んじて、自分よりも他人の心情を気遣い、尊重する日本人の価値観や道徳観念は素晴らしい日本人の粋という文化。ただ、大切にすべきは他人ではなく自分
・成功をおさめ、社会的地位を築いてきた方々は例外なく人を大切にしていて、それ以上にご自身を大切にしている
・断れない3つのタイプ
①申し訳なくて断れないー真面目なお人好しタイプ
②相手からの評価を気にして断れないー人の目が気になるタイプ
③「何とかなるだろう」と断らないー無責任な安請け合いタイプ
・はっきり断れる人のほうが信用される
・「断わる」の語源は「こと事をわる割る」物事がいいか悪いか正しいか正しくないか、有益か無益かなどを区別して判断し、論理的に説明する、意味
・論理的に、の理は「ことわり」とも読める。事情(道理)をきちんと示して、辞退が理にかなっていることを伝える、行為が「断わる」
・お金の貸し借りは一切しないという判断基準を決めた
・人は誰でも自分の都合と事情を抱えながら生活している
・断わり上手になるための7つの作法
①あいまいな表現や態度をとらないー断るなら、はっきり断わる
②自分が言われてイヤな断り方をしないー相手を否定しない
・断わるのは、依頼してきた相手に問題があるからではなく、その案件の内容や条件、自分の都合やキャパシティの折り合いがつかないだけ
・断わるのは相手を否定するという考えをやめる
・「余裕があれば引き受けたいのですが、今は手いっぱい」
・相手を傷つけない、不快にさせない断わり方を
③「感謝6おわび」のセットで断わるー断わることで相手を否定しない
【すみません=おわび】
+
【力になりたいけど〇〇(理由)なのでできない=断わり】
+
【わかってくれてありがとう=感謝】
④断りっぱなしではなく「代案」でフォロー - 「その代わり」の効用
・できない代案は出さない
・別の誰かを紹介するのも代案のひとつ。その人の都合の確認までを引き受ける
⑤「断わる理由」は簡潔に伝えるー冗長なほど「言い訳」に聞こえる
・断わる理由はクドクドと説明しすぎず、シンプル簡潔に
⑥ウソの理由は”諸刃の剣”-「方便」と「NG」を使い分ける
・後先を考えない口から出まかせのウソというのは危険
・仲のいい友人、お隣ご近所、大事なお客様に対しては、ウソはダメ。相手が親しい人や大事な人になるほどウソによるリスクは大きく
⑦「断わる基準」を持つー「悩んでズルズル引き受ける」を回避する
〇伊藤ママの3つの基準
・銀座やクラブママのイメージを下げるもの
・和服とそれに似合った髪形で出演できるかどうか
・開店時間までにお店に戻ってこられるかどうか(ママとしての信条はいつ行ってもお店にいること)
・残業を断わるためには、代案を出す
・仕事を断わるのは引き受けることによるデメリットを伝える
・重なった誘いを断るときは時間を理由にする(先に声をかけてくれたほうを優先する)
・LINEを断わるには、すぐに返信できない。それが失礼。既読スルーのことでイヤな思いをしている
・お金の貸し借りや保証人を断わるときは、遺言でお金の貸し借りはするなと言われている、保証人になるなという家訓
・借金を申し込まれても一切貸さない
・お金を貸すと金も友だちもなくしてしまう(シェークスピア)
・「ごめんなさい。貸せません。」とストレートに答える
・セールスはストレートに断わる
・日本人には信教の自由があるが、どんな宗教を信仰しない自由もまた、信教の自由
・いらないものでも、まずはその好意に感謝して受け取るのが大人の対応
・告白への答えは自分の意思をはっきり伝えるシンプルな断わり方がベスト
・相手を必要以上に傷つけたり妙な期待を持たせたりするほうがよほど酷な仕打ち
・気のない相手からの告白のもっとも確実な断わり方は告白させないこと
・告白されそうな雰囲気にならないこと(二人きりにならない)
・付き合ってもいない女性へのプレゼントやごちそうをする男性には要注意
・渡辺淳一先生は、おねだりされると「してからね」と答えていた。モノをねだっていると代償を要求されることもあるという先生の教え
・個人的に何かを買っていただいた時点で、その方との関係が対等ではなくなってしまう
・断わった人の不安や躊躇を思いやり、それを気遣って断られることができる断られ上手こそ断わり上手になれる
・断わり上手な人は誠実な人
・断わってもできることは精いっぱいやる