![]() | 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 1,620円 Amazon |
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・もうひとつの哲学「アドラー心理学」はオーストリアの精神科医アルフレッド・アドラーが20世紀初頭に創設したまったく新しい心理学
・アドラーは「個人心理学」を提唱した
・アドラーはフロイト・ユングと並ぶ三大巨頭
・カーネギーもアドラーを評価
・アドラー心理学は人間理解の心理・到達点として受け入れられている
・原因論と目的論
・人は変わりたいと思っても変われずにいる
・アドラー心理学では過去の原因ではなくいまの目的を考える
・アドラー心理学ではトラウマを明確に否定
・われわれはみな、なにかしらの「目的」に沿って生きている
・怒りとは出し入れ可能な道具であり目的を達成する手段
・人は感情にも過去にも支配されない。アドラー心理学はニヒリズム(虚無主義)の対極にある思想であり哲学
・変わることの第一歩は「知ること」
・答えとは、誰かに教えてもらうものではなく自らの手で導きだしていくべきもの
・自分のことを好きと言える人はなかなかいない
・「大切なのはなにかが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」
・なにが与えられているかに執着して現実が変わることはない。われわれに必要なのは交換ではなく更新
・いまが不幸なのは自らの手で不幸であることを選んだから
・アドラー心理学では性格や気質のことをライフスタイルという。ライフスタイルは自分で選んだもの
・あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているから
・人は不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり安心
・あなたは「あなた」のまま、ただライフスタイルを選び直せばいい
・短所ばかり目についてしまうのは、「自分を好きにならないでおこう」と決心しているから
・今の自分を受け入れ、前に踏み出す勇気を持つこと。これが「勇気づけ」
・悩みを消し去るには、宇宙のなかにただひとりで生きるしかない
・人は孤独を感じるにも、他者を必要とする
・アドラー「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
・劣等感という言葉を現在語られているような文脈で使ったのはアドラーが最初
・劣等感は、あくまでの他者との比較、対人関係の中で生まれた主観的なもの
・状況は現実的な努力によって変えられる
・「コンプレックス」という言葉は複雑に絡み合った倒錯的な心理状態を指す用語で劣等感という言葉とは関係ない
・劣等感は努力や成長を促すきっかけにもなりうる
・「権威づけ」という偽りの優越感に浸る。優越コンプレックス。権威の力を借りて自らを大きく見せている人もいる
・「自慢する人がいるとすれば、それは劣等感を感じているからにすぎない」
・ほんとうに自信を持っていたら、自慢などしない。劣等感が強いからこそ自慢する
・自らの不幸を武器に、相手を支配しようとする
・劣等コンプレックスと優越コンプレックスは正反対に見えるが実際には地続き
・赤ん坊は弱さによって大人たちを支配している。赤ん坊は支配されることはない
・優越性の追求は一歩前に踏み出す意思であって競争の意思ではない
・人生は競争ではなく、誰とも競争することなく、比較せず、前を向いて歩いて行けばいい
・健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、理想の自分との比較から生まれる
・すべての人間は「同じではないけれども対等」
・今の自分よりも前に進もうとすることにこそ、価値がある
・対人関係の軸に競争があると、人は対人関係の悩みから逃げられず、不幸から逃れることができない
・劣等・優越コンプレックスの延長線上には、他者全般から世界までを敵だと見なすようになる
・お前の顔を気にしているのはお前だけ
・人々はわたしの仲間なのだ、と実感できていれば、世界の見え方はまったく違ったものになる
・面罵されたなら、その人の隠し持つ目的を考える。相手の言動に本気で腹が立ったときには、相手が「権力争い」を挑んできている。勝つことによって自らの力を証明すること
・「権力争い」の相手の目的は、気に食わないあなたを屈服させたいこと。ここで起こってしまえば、相手の思惑通り、関係は権力争いに突入するのでいかなる挑発にも乗ってはいけない
・権力争いに敗れた相手は復讐を考える。親から虐げられた子どもが親を困らせるために非行に走る例。子どもが隠し持っている目的は親への復讐
・わたしは正しい、相手は間違っている、と思った時点で、議論の焦点は主張の正しさから対人関係のあり方に移る。勝ち負けを争うのは権力争い
・主張の正しさは、勝ち負けとは関係ない。だが多くの人は権力争いに突入し、他者を屈服させようとする。だからこそ、自分の誤りを認めることを、そのまま負けを認めることと考えてしまう
・誤りを認めること、謝罪の言葉を述べること、権力争いから降りることは負けではない。優越性の追求とは、他者との競争によって行うものではない
・競争や勝ち負けの眼鏡を外してこそ、自分を正し、自分を変えていくことができる
・行動面の目標は、
「自立すること」、「社会と調和して暮らせること」、の二つ。
この行動を支える心理面の目標が
「わたしには能力がある」こと、「人々はわたしの仲間である」という意識
・仕事の対人関係はもっとともハードルが低い
・アドラー心理学とは、他者を変えるための心理学ではなく、自分が変わるための心理学
・アドラーは、相手を束縛することを認めない。相手の幸せを素直に祝福できることが愛
・一緒にいて、息苦しさを感じたり、緊張を強いられるような関係は恋ではあっても愛とは呼べない。人は劣等感優越感も関係なく自然な状態で「この人と一緒にいると、とても自由に振る舞える」と思えたとき、愛を実感することができる
・束縛とは相手を支配せんとする心の表れであり、不信感に基づく考え
・貨幣とは鋳造された自由
・承認欲求の危うさはここにある。それは賞罰教育の影響。これは誤ったライフスタイル
・われわれは他者の期待を満たすために生きているのではない
・他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになる
・他者もまたあなたの期待を満たすために生きているのではない
・勉強することは子どもの課題、だが勉強することは親の課題
・これは誰の課題なのか?という視点から、自分の課題と他者の課題を分離していく必要がある。他者の課題には踏み込まない
・対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込む、あるいは踏み込まれること、によって引き起こされる
・親は子どもに自分の目的を満たすために動いている。その欺瞞を察知するからこそ子どもは反発する
・アドラー心理学では、放任主義を推奨するものではない。子どもがなにをしているか知ったうえで見守り、援助する用意があることを伝えておく。子どもの課題に土足で踏み込むことはしない
・自分を変えることができるのは、自分しかいない
・子どもの課題には、介入せず、過度に注目することをやめる。困ったときにはいつでも援助する用意があることを伝えておく。子どもは自分の課題として考えるようになる
・信じるという行為もまた、課題の分離である。相手のことを信じることもあなたの課題。相手がどう動くかは、他者の課題。線引きしないままに自分の希望を押し付けるとストーカー的な介入になる
・「ここからは先は自分の課題ではない」という境界線を知る。他者の課題は切り捨てる。それが人生をシンプルなものにする第一歩
・あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」他者の評価は他者の課題
・これは誰の課題なのか、を考え、分離する
・課題の分離は、対人関係の最終目標ではなく入口
・アドラー心理学は、常識へのアンチテーゼという側面が。原因論を否定し、トラウマを否定し、目的論を採ること。人の悩みはすべて対人関係の悩みだと考えること。また承認を求めないことや課題の分離も、すべてが常識のアンチテーゼ
・ウソをつき続けるストレスも想像を絶するものがある
・他者の期待を満たすように生きること、そして自分の人生を他人任せにすることは、自分に嘘をつき、周囲の人々に対しても嘘をつき続ける生き方
・課題を分離することは、自己中心的になることではなく、むしろ他人の課題に介入することこそ、自己中心的な発想
・「自由とは他者から嫌われることである」
・すべての人から嫌われないように立ち回る生き方は、不自由極まりない生き方であり、同時に不可能なこと
・他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない=自由になれない
・幸せになる勇気には「嫌われる勇気」も含まれる
・対人関係のカードは常に「わたし」が握っている
・対人関係はまずは自分
・共同体感覚とは、幸福なる対人関係のあり方を考えるもっとも重要な指標
・承認欲求にとらわれている人もまた、きわめて自己中心的
・あなたは共同体の一部であって、中心ではない
・所属感とはそこにいるだけで得られるものではなく、共同体に対して自らが積極的にコミットすることによって得られる
・「人生のタスク」に立ち向かう 仕事・交友・愛という対人関係のタスクを回避することなく自ら足を踏み出していく。
・「わたしはこの人になにを与えられるか?」を考えないといけないのが共同体へのコミットメント
・所属感とは、生まれながらに与えられるものではなく、自らの手で獲得していくもの
・アドラー心理学ではほめてはいけない・叱ってもいけない。ほめるという行為には、能力のある人がない人に下す評価という側面が含まれている。ほめる背後にあるのは上下関係、縦の関係を象徴している
・アドラー心理学ではあらゆる縦の関係を否定し、すべての対人関係を横の関係とすることを提唱している
・経済的に優位かなど、人間的な価値にはまったく関係がない。人は同じではないけれど対等
・横の関係に基づく援助は「勇気づけ」
・人はほめられることによって自分には能力がないという信念を形成していく
・勇気づけとは感謝の言葉
・いちばん大切なのは他者を「評価」しないということ
・アドラー「人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる」
・他者のことを行為のレベルではなく、存在のレベルで見ていくこと。何をしたかではなく、存在そのものへの喜びと感謝
・まずは他者との間に、ひとつでもいいから横の関係を築いていくこと
・自分でも気づかないうちに、あらゆる対人関係を「縦」でとらえている
・意識の上で対等であること、そして主張すべきは堂々と主張することが大切
・従属することは、責任回避無責任
・「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極める
・他者を信じるにあたって、いっさいの条件をつけない
・裏切られたときのことを心配し、信頼することを怖れていたら、結局は誰とも深い関係を築くことができない
・ありのままの自分を受け入れ、「自分にできること」と「自分にできないこと」を見極める自己受容が大事。裏切りは他者の課題であることも理解できる
・もっともわかりやすい他者貢献は仕事。労働とは金銭を稼ぐ手段ではなく、労働によって他者貢献をなし、共同体にコミットし、自らの存在価値を受け入れている
・富豪が忙しく働き続けるのは、他者貢献であり、所属感を確認するため
・「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」は円環構造
・アドラー心理学をほんとうに理解して、生き方まで変わるようになるには、それまで生きてきた年数の半分が必要になる
・対人関係がうまくいかないのは、自己受容や他者信頼または他者貢献ができていないことが問題なのに、一部だけに焦点を当てて、そこから世界全体を評価しようとしていることであり、それは誤ったライフスタイル
・「仕事が忙しいから家庭を顧みる余裕がない」のは仕事を口実に、他の責任を回避しようとしているにすぎない。どこかが突出した生き方をアドラーは認めない
・家庭も子育ても地域貢献や趣味、あらゆることが「仕事」なのであって、会社などほんの一部にすぎない。会社の仕事だけしか考えないのは人生の調和を欠いた生き方
・「幸福とは、貢献感である」これが幸福の定義
・「安直な優越性の追求」とは「特別な存在」であろうとすること
・アドラー心理学で大切にしているのは「普通であることの勇気」
・普通であることは無能ではない。わざわざ自らの優越性を誇示する必要などない
・人生は線ではなく点の連続であり、連続する刹那
・われわれは「いま、ここ」にしか生きられない。われわれの生とは刹那のなかにしか存在しない
・計画的な人生など、不可能
・「いま、ここ」を真剣に生きていたら過去や未来にとらわれない
・過去や未来を見ることは免罪符を与えようとしていること
・「いま、ここ」にスポットライトを当てるというのは、いまできることを真剣かつ丁寧にやっていくこと
・人生における最大の嘘、とは「いま、ここ」を生きないこと
・人生の意味は、あなたが自分自身に与えるもの
・世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わり得ない