徳島新聞社滴翠クラブ 東郷和彦氏の講演「安倍内閣の外交課題」
 
・世界の構造がきしんでいる、外交は国益を考えるものだが一層国益を前面に押し出している時代
・日本にとってこれからの外交の鍵は中国。どう備えるか
・東西冷戦は米ソ、冷戦崩壊はソビエトの一人負け、中国の台頭とイスラムの動き
・対中問題は尖閣諸島問題に尽きる
・今年はロシアとの交渉が大きな動きに
・安倍内閣の外交姿勢は立派なもの、ロシアとの外交交渉しては特筆もの
・サンフランシスコ講和条約は極東国際軍事裁判の判決を国として受け入れたこと。事後法の問題もあり受け入れないなら歴史認識として日本人自身が解決しないといけない。ひとつの結論は村山談話(東郷氏は終戦時の外相東郷茂徳の孫)
・安倍談話〜村山談話の重要部分を継承した
・平和安全法制〜憲法の解釈変更の中で日米安保の双務性に踏み込んだ。集団的自衛権行使容認の範囲はごくごく小さい。総理大臣だけに勝手な判断をさせないように国民が勉強して成熟にならないといけない
・憲法9条があることによって平和と戦争の問題が直接関係ないというメンタリティができてしまった
・韓国との慰安婦合意は解決合意のため反省とおわび踏み込んだ
・オバマ大統領の広島訪問は安倍総理にとってラッキーかつ大きな意味を持つ。原爆投下に関する日米の歴史認識の溝があるが、安倍首相にも真珠湾に足を運んでほしい
・歴史認識として中国に旧日本軍が100万人以上駐留し、兵站として食糧を現地調達していること、敵と認識した集団に攻撃を加えている事実は認識しておくべき
・真珠湾攻撃前のハルノートで日本は最後通牒と受け取った
・北方領土問題について日本は4島返還にこだわって失敗してきた。世論はそうだがそれは難しい。歯舞・色丹島返還は日ソ共同宣言に明記されており、それに向けて安倍外交が試される
(この本を現地で買いました)
http://booklog.jp/item/1/4040820118