- 世界と闘う「読書術」 思想を鍛える一〇〇〇冊 (集英社新書)/集英社
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http://booklog.jp/item/1/4087207153
読書家・知識人の二人が読書について語った本。よくみたら二人ともM.S.さんである。
ふたりは、創価学会への見解を巡って決別したようですが、創価学会・公明党に関する見解については追って。
JAL再生に尽力した稲盛和夫に関しては二人の評価が真逆なのが面白い。
読書メモ↓
佐藤優
・シリア内戦・尖閣日中緊張・格差拡大など現在は悪の力が強まりつつある時代
・自覚しないうちにわれわれはマネーの力を信じているが、貨幣は人間と人間の関係から生まれたもの。制作原価からすれば22円くらいの一万円札で、一万円分の商品やサービスを購入することができると疑っていないこと自体が宗教。マネーが宗教性を持っている
・世の中には一定程度国家を必要としていないという人が常にいる
・国家というのは戦争をする要素があり、国民から税を搾取するという暴力性がある
・「家族を大切にしよう」と自民党が言い出した。「家族国家観」にあるように結局は政府による福祉を切り捨てて、その負担を家庭に押し付けるという発想。家族的価値観の尊重とか家族の復活とは全然関係ない
・家族の問題でこれから重要となるのは同性婚の問題。日本人の感覚がずれているのは、同性婚、同性愛者の権利、同性同士で家庭を作って養子を取ってくるとかの寛容性が非常に薄い
・「統帥綱領」のポイントの一つは独断専行、それが部隊レベルに下りた「作戦要務令」でも独断専行を重視している。旧軍の伝統がそのまま会社に受け継がれている
・外交官は無思想であり、全員帝国主義者。国益を中心に物事を組み立てる訓練をされているから
・旧大日本帝国軍人は念力主義だった
・「プロパガンダ戦史」ではエリートと大衆を完全に分け、エリートに対しては論理的に、大衆に対しては感情的にこれはすべての世界に通用する
・孫崎さんの基本は自虐史観批判、これを左派の人たちが読み解けていない
・4/28はサンフランシスコ講和条約が発効した重要な日。ただ、それが沖縄にとっては屈辱の日であることを表裏で理解できないといけない
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・渡辺淳一の「阿寒に果つ」がいい
・JAL再生は新自由主義に完全に逆行している点で高く評価している
佐高信
- 石原莞爾 その虚飾 (講談社文庫)/講談社
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・「石原莞爾 その虚飾」を書いたときになるほどと思ったのは、戦争中の日本の右、保守の思想というのは「混合民族説」他の民族を認めていた
・五味川純平は「戦争は経済」と言った。経済的要因で戦争は起こる
・小説を読まない左翼が共産党
・稲盛和夫を囲む盛和塾は稲盛教。JALの再生は、公的資金で援助して、法人税を免除したので誰だってできる話でり国家資本主義そのもの
・10年後に食える仕事は、「グローカル」「ジャパンプレミアム」
・内心で思っていることを、公権力によって、告白することを要求されないということが、実は積極的な原理論の自由よりも大切。それが、言論の自由表現の自由の大前提
・言論の自由、表現の自由を他人に強要している危険性に無自覚すぎる、これは一種の自由権の侵害
- 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像/講談社
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・この竹中平蔵批判の本はなかなかいいところをついている
・資本主義というものは、必ずどこかに帝国主義的なもの、植民地的なものを必要としている。格差の中で運営されている
・トヨタは社会的共通資本である道路を公の税金でつくっているにもかかわらず負担していない
・角栄に比べて石原はクリーンなタカ派。角栄はダーディだけれどもハト派。小泉純一郎から安倍晋三と続く路線はいずれもタカ派でクリーンを装っている。それよりはダーディでもハトの角栄を選びたい
・安倍さんは憲法の勉強をよくしていた。押し付け憲法はいけない、と押し付け憲法を明治憲法に戻す、という発想が非常に強かったが、明治憲法も一種の押し付け憲法だと気づいたらしい。
それは明治憲法は官僚が国民に勝手に押し付けたものだという意味。戦後の憲法はアメリカが作って押し付けたものだから両方押し付け憲法だと。それで「国民の手による初めての憲法を作ろう」と言い出した。憲法の主体が国民だということで初めて気づいた
・もともと優秀な外交官は柔軟な思考をする。何よりも安倍政権がやろうとしている「戦後レジュームからの脱却」をやられたら困るといういのが外務省の本音。戦後レジュームというのはアメリカが日本に移植した戦後民主主義
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・安倍晋三は、会津と長州が天敵だという近代史の常識を知らなかった
・宮沢喜一は「保守とは主義ではなく常識」だと言った