日本が中国の属国にさせられる日/ベストセラーズ
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副島氏が定期的に出している「中国本」の最新刊。インパクトがあるネーミングですね。


「中国が日本に攻めてきたらどうするか」「共産主義のどこが間違いか」をテーマに今回は、共産主義と資本主義と政治思想や近現代史にも大枠で踏み込んでいます。


一部からは氏は「中国崩壊論」を真っ向から否定する親中派という見られ方をしていますが、今回は共産主義の政治思想と中国の共産党の負の歴史に触れており、批判を展開しています。むろん、日本の米国への隷属と、反共しか知恵のない日本の保守権力者に対しても。共産主義批判をしてこなかったリベラル派に対する批判も容赦はありません。


氏の歴史観がすべて事実かどうかはわかりませんが、巨大中国を前に日本の生きる道でのひとつの視座を与えているのではないかと思います。


好き嫌いにかかわらず、2020年代そう遠くない時期に中国のGDPは米国を抜いて世界一になります。


これは、世界の歴史の中で、大航海時代・産業革命の時代・帝国主義の時代のわずか400年のヨーロッパ→英国→米国と中国以外の国が覇権を握っていたものの、世界一の人口を誇る中国が内需を充実させ、世界一の経済大国=世界覇権が中国に戻るという至極当然のことでそのための事実と対策を日本人は認識しなければならない、という警告の書でもあります。


そのためには、やはり日本と日本人はアジアとともに、(米国とも)したたかに生きなければいけません。




読書メモ↓




2022年にGDPは米中が逆転する


・中国人観光客が日本中の都市と観光地に押し寄せてきている


・ここ20年の日本の経済の没落はひどい


・反共主義の人々が自民党の安倍政権を熱心に支えている人々。中国やロシアに占領されることを心底、恐怖に思っている


反共主義者の彼らは企業経営者や地域社会のリーダーであり、共産主義こそが最悪の政治思想である、という信念と確信を持って生きている。ただ、この人々の弱点はアメリカの悪口を言わないこと。アメリカによる戦後70年間の狡猾な日本支配のことを絶対に口にしようとしない


・ロシア、中国嫌いの日本の保守的な人たちの強い信念は、「日米同盟がすべてに優先する」


・アメリカ人から見れば、日本や韓国、フィリピンやタイ、マレーシアは中国共産主義に対するアメリカにとっての反共防波堤でしかない


本当の愛国者、民族主義者であれば、ロシア・中国からの脅威だけでなく、アメリカによる日本支配に対しても断固戦う考えを持つべき


在日米軍が敗戦後70年間も居座っているのはおかしい


「中国崩壊論」はウソであり、ますます強大な国になっている(マイケル・ピルズベリー 米保守派研究員)


日本のリベラル派がソビエト社会主義や中国共産主義に同伴して甘い態度を取ってきたきたことは事実


・日本の保守派、右翼にとっての恥部は「反共」主義であり、この他に自分の信念がないこと


それは「反共の信念」以外に、自分の国をもっと尊敬しろ、という考え方が次に来る。彼らは、露中の共産主義と日教組と北朝鮮に対する憎しみを公然と言いながら生きている


中国が近い将来、日本を属国にすることになる。これは避けられない運命。あと10年したら一人あたりGDPで日本人よりも中国人が豊かになる(副島)


共産中国に占領、支配される日本という恐ろしいテーマについて真剣に日本人は議論しなければならない


・安倍首相たちの信念は、日本の自由主義社会を守ろうという反共主義


・ロックフェラー財閥が持っている二つの財団は税金を払っていない。慈善活動のために多額の支出をしているという理由で。慈善は偽善であることが多い


・リベラル派の間違いはお金の問題を旧態依然としての「資本主義体制の悪」の問題で対処しようとしていること


・法人というのは「責任の切断理論」のこと。この考えが近代資本主義の土台


・安倍晋三首相たちは、共産主義と日教組と北朝鮮を三点セットにして憎む


・二・二六事件を起こした陸軍士官学校を出た若手将校は北一輝の「国体論及び純正社会主義」を経典としていた。彼らの理想は、天皇親政による、国家社会主義体制を作ることだった


・真珠湾攻撃時は、アジアを列強から解放すると言って、日独伊三国同盟を支持し、日本人で戦争反対と言う人はひとりもいなかった


・米内光政海軍大臣は重慶爆撃(1941.6)の無差別爆撃の責任者、この連合国側の報復が敗戦間際の日本各地への空襲と原爆投下


・戦後は日本はアメリカの「反共の防波堤」になった。反共主義の防波堤としてアメリカが育てた。今も日本はその役割を演じている


・昭和天皇は、自分が積極的に作戦指揮をしたアメリカとの戦いで敗戦した。その面で昭和天皇には戦争責任があった。昭和天皇は共産主義革命を恐れた(副島)


・アジア人どうし戦わず、戦争だけはしてはいけない


・日本の中堅企業の経営者と大企業は、今も世界に誇れる優れた製品(軍需品ではなく民生品)を作ってまじめにやっている


・日本の財界人は団結している


日本の国家が生き延びていくということは、商売で生き延びていくということ。そのためには世界に向かって穏やかに穏便にやらなければいけない


・中曽根康弘はキッシンジャー博士(米主流派の世界戦略家)の子分


・日本の権力者や知識人たちは、世界基準での大きな理解ができていない


・安倍首相たちは、産経右翼。読売はずっと穏やかな保守


・日本のデフレ状況はもっともっと続く


・マルクス共産主思想最大の誤りは、人間の労働をすべて善と見て、価値を創造して付加価値をもたらす、と考えたこと。そうではない


・何があっても従業員をオレが喰わせてやる、という気合と根性にあふれた人間味のある人物が経営者


・賃労働と資本の永遠の対立がある以上、肉体労働者の待遇改善と賃上げの闘いは認めなければならない


今心底恐れている日本国の未来図は、日本が中国の属国になること。日本人はこのことを心底から恐れている


世界覇権はアメリカから中国に移る


・AIIBは中国を中心とする世界のインフラ作りをする


BRICS銀行が新しい決済銀行。アメリカ主導で世界を動かしてゆく。日本はアメリカにべったりくっついて忠実に言うことを聞いていくという考え方は古い。時代遅れ


・カナダ・オーストラリアも中国容認の政権に


・中国中華思想とフランスちゅか思想はお互いを認め合っている。ヨーロッパは実質のある中国の実体と繁栄にくっついてゆくと決めた


・金融市場の混乱を除けば、実体経済・実物経済の伸びは中国は元気いっぱい


・日本の消費は、外国人旅行者の旺盛な購買力に頼っている


日本は新興諸国にもっと依存すべき。大規模開発と巨大な生産体制によって、戦争をしなくても需要が生まれる


・中国政府は、ケインズ経済学とマルクス経済学を融合した新しい経済学理論を作ったようだ


・ソビエトや中国で起きた悲劇は、すべての労働を英雄に祭り上げたこと。過度に平等を行うと、大きな悲劇があとに襲いかかってくる


・中国の発展はまだ止まらない


・中国が新しい世界帝国・世界覇権国になる


・中国と日本、アジアのGDPは世界の7割。世界の中心はアジア


・日本は軸足を少しずつ中国に移す。これは善悪や美醜、正義と悪という問題ではない


・日本はアジア諸国や中国と一緒に繁栄していくのが一番いい


・自分の脳を洗脳されているのは、反中国の反共右翼


・レーニンは怨念で暴力肯定主義で資本主義を打ち倒そうとした


・毛沢東は1958年の大躍進運動から血に染まった独裁者になった


・社会主義・共産主義の負の歴史に進歩的文化人は反論しなかったことは彼らの恥部


・共産主義者とは、理想に走りすぎて人類に対するヴィジョンを大きく取り間違った人


・丸山真男を正確に批判できる戦後の保守・右翼はいなかった


・久野収は構造改革派のオピニオンリーダー


・革命が起きないから待遇改善運動しか残らない


・労働者は資本家になることはできない(佐藤優)


・契約でもないのに、税金だけは無理やり取る。国家の本性は暴力団


・マルクスは徹底的に進歩主義。高度の都市文明があるところしか、人類の次の段階である社会主義体制は実現しないとした


・ロシア革命は米ロックフェラー財閥がレーニンととロッキーを操った


・トロッキーの世界同時革命論がアメリカのネオコン思想の基になった


・マックスウェーバーは、社会学者であり、歴史経済学者


・鄧小平が今の中国の巨大な繁栄をつくった


・日本人が中国人を軽蔑し始めたのは日露戦争のあとから。中国は日本の権益のひとつになっていた。それまでは日本は歴代の中華帝国に朝貢を続けた国


・自国民に残虐なことばかりやってきた中華民族の歴史


・日中戦争はやはり日本への中国への侵略


・日清戦争で清が支払った賠償金で日本は八幡製鉄所をつくった


・第一次大戦後のヴェルサイユ条約で日本は山東省や南洋諸島を火事場泥棒で自分のものにした


・アメリカは日本に中国侵略をやらせ、イギリスを追い払うことで、結果としてアジアも自分のものにしようとした


・ロシア革命でレーニンがロマノフ王朝の皇帝と家族を殺したことは、共産主義に対する憎しみが世界中の金持ちと、保守的な人間のなかに生まれた


・日本はアメリカに騙されて、中国大陸を侵攻した。それがシナ事変からの8年間の泥沼の日中戦争


・日本は世界と人類の歴史がわかっていなかった(近衛首相時代)


・毛沢東の共産党軍を生き延びさせたのは日本軍


・毛沢東たちは、阿片の栽培をしていて、児玉誉士夫たちが共産党から買っていた。日本の軍属たちが鉱物資源の買いあさり、阿片、麻薬の密貿易をやって中国駐留軍を食べさせていた


・今のCIAも阿片やコカインの販売資金で自力で食べている


・毛沢東は「日本の(侵略の)おかげで建国をすることができた」と言った


・地主から奪った土地は、共産党の地方幹部のものたちになった。地方の省の幹部たちは地主。資本主義的経営者よりも、本当は中国共産党地方幹部のほうがすごい


・1966年からの10年間の文化大革命は2000万人が亡くなった、とされている


20世紀とは、本当の裏の顔は、「イギリスとアメリカの争いだった」=ロックフェラーとロスチャイルドの争い


・イギリスの支援する清朝×アメリカが支援する孫文(中華民国)


・国民意識の成長と豊かな社会の実現が無いのに、形だけの国王制度を無理やり廃止してもいいことはない


・無意味な暴力革命などやってはいけない


暴力の肯定はダメだ


・日本のリベラル派のダメさは共産主義の悪という問題に一言も触れようとしなかったこと


日本の右翼たちは、国民や民族という言葉を使わない。使ったとたんに反米主義になる。絶対に反アメリカ、日本の真の独立を言わない


今も日本には国民主義(ナショナリズム)がない。有るのは反共主義の信念だけ。右翼がもっていることはただ唯一反共産主義の旗頭だけ