- 新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)/文藝春秋
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Sは佐藤 Iは池上
・S ひとつでも工作がなされたり、ミサイルが飛んでくればその瞬間から個別的自衛権の適用になるので、集団的自衛権というのはそもそもありえない想定
・S21世紀の戦争においては、個別的・集団的自衛権を区別して対応するのはそもそも無理
・I尖閣は日中どちらのものかについてはコメントしない。ただし日本が実効支配しているから日米安保が適用される、というのが米国の立場
・Sクラウゼヴィッツの「戦争論」は戦争と政治の関わりを包括的に論述している名著
・I核兵器の登場でも通常戦争がなくなることはなく、核は戦争の抑止力にはなっていない
・S経済力を持たなければ国家はなめられる
・S常に構造的な緊張を持っているのはフランス。フランスは完全世俗国家で政教分離は徹底している
・Sロシア正教は宗教というよりもロシア人にとっての習慣
・S今の世界の普遍的な宗教は拝金教
・I紙切れがお金になるのはみんながお金だと信じているから
・Sマルクス主義では本来国家は死滅すべきものだがソビエトは帝国主義国家に対抗する必要悪としての半国家であると言った
・Sイスラエルの高官は「国際情勢の変化を見るときは、金持ちの動きを見る。昔から人口の5%の人間に富は偏在していた・・・世界の富は国家を迂回して動いている」
・Sロシア革命はレーニンも、トロツキーもスターリンもみんな喫茶店で陰謀を企てたことが出発点だった
・Sイギリスは国の名前に民族的要素はなく同君連合。帝国としてうまくナショナリズムをかわしてきた国
・Iイスラムでは夫人を4人までもてる。新しい人が好きになったら1人と離婚して結婚する。結婚するときに離婚時財産をこれだけ与えると契約してある
・S北朝鮮は安全保障をリアリズムで考えている。核を持たないとつぶされる
・I拉致問題は、日本から少しでも多く金を取る。経済制裁を解除させ、拉致問題が解決すれば、日朝国交正常化交渉で日本から金をふんだくる
・S過去2000年近く日本と中国は5回戦争を行った。唐と日本・元寇・明軍(秀吉の朝鮮侵攻と明の介入)・日清戦争・日中戦争。いずれも朝鮮半島における勢力争い
・S日本は困ったことに竹島と尖閣が表裏になってしまった。竹島は実効支配され、尖閣は実効支配している
・S1970年代初頭までは中国は尖閣諸島に関する領有権を主張したことがない。だが日本の秘密閣議決定の正当性を根拠に主張しては立場が弱くなる
・S歴史上、航空母艦を5隻以上実戦で運用した経験があるのはアメリカと日本聯合艦隊だけ
・S本来日本の国民感覚はこんなに右ではないが、日本の政治家は国民の平均的な感覚よりも右にシフトしている
・Iアメリカは建国以来圧倒的に優位だった白人が人口数として少数派に転じる2050年問題がある
・Sいまの日本は民主主義が進みすぎて息が詰まりそうになっている。自由主義の基本は人が迷惑をかけていない限り干渉するな、というもの。今の日本は民主主義の危機ではなく、自由主義の危機。民主主義が自由主義の領域を侵犯しようとしている
・S特定秘密保護法は、官僚が政治家から情報を隠すための法律
・I家でテレビをつけるときはCNNを流しっぱなし。あとは「ウオールストリートジャーナル」の日本語版がいい
・Sスケジュールからメモまで時系列でノート一冊主義
・S今の世界は「新帝国主義」冷戦はイデオロギー対立。新がつくのは、帝国主義の全面戦争ではなく、局地戦。その制約要因は核兵器。もうひとつの理由は植民地を獲得しようとしないこと。植民地はコストがかかる
・S自由というのはおそらく資本のこと。資本の自由な動きはとんでもない格差を生み出す。平等は国家という力が背景にないと実現できない
・Sこれからの世界を生き抜くために、個人としては嫌な時代だと認識できる耐性を身につける必要がある。そのために歴史を知り、国際情勢を知ること