一生モノの超・自己啓発 京大・鎌田流 「想定外」を生きる/朝日新聞出版
¥1,512
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http://booklog.jp/item/1/4023313521

この本、これからの大地変動時代、知識層にとって大事とされた生き方に発想の転換を気づかせてくれるなかなかのおススメ本です。


東大卒・元官僚ながら自己啓発一辺倒からの反省を込めて鎌田京大教授が説くのは、不確実な世の中である以上、これまでの計画的・合理主義的生き方が正しく幸福をもたらすものであるとは必ずしも言えないなかでこういう生き方をしてみてはどうかという提案です。


①「想定外のことが起きることを前提としたゆるい計画主義」的な生き方

②自分の責任の範囲なら何でも恐れずに何でもやってみる生き方

③非真面目に偶発性を楽しむ生き方

④理想や過去と比較せず、ひたすらいまを生き、ありのまま受け止める生き方

⑤その場で無計画でもいいので勘や直感を信頼する生き方

⑥一つのものに固執しない柔軟でしなやかな生き方


禅僧の講話を聞いたような気分になってきますがこういった生き方をすることが、かえって次の時代の環境対応になり、人びとそれぞれの幸福に近づくのかも。


今あるものを楽しみ感謝しつつも、今あるものを積極的に根本的に変えていく生き方をする。

その発想の転換、提案、縁ある人々が楽しく実践していくことはきっと社会をいい方向に変えるのではないでしょうかね。




読書メモ↓





・科学の本質は予測と制御


・現実では想定外のことが起きて、制御不能に陥ることがある


・仕事・人生をすべて計画してコントロールできると考えるのは人間のおごり。仕事や人生の揺れを認めて折れながらもうまくつきあっっていった方がよいのではないか


・ビジネス書は「ドクサ」化していて、かえって個々人が幸せになることを阻む要因に

(ドクサ:人間を絶えず惹きつけるものだが、必ずしも幸福にしないもの)


・グローバル化と個人の幸福は本当につながっているか?スマホによってかえって労働時間は増えている


・整理の本を読んでも本棚は整理術の本で溢れ返っている


・ビジネス上の成功が本当に個人の幸せにつながっているかも疑問


・安岡正篤 「無名有力有名無力」人は無名であるうちは力があるが有名になるにつれて力を失う


・人は効率的な生き方や外からの高い評価だけでは十分な幸せは得られない


・ビジネス書がもたらす多数の功罪を知り尽くした上で、よりよい幸せへの道しるべ


・ビジネス書や自己啓発書の根底にあるのは「未来はコントロールできる」という考え方


・計画主義。マネジメント主義


・世界は不確定なもので満ち溢れていて未来は決して思うようにコントロールできない


・理想が実現できたとしてもそのこと自体に疲れや息苦しさを感じる人も


・プロテスタンティズムの徹底した禁欲が、意図せざる結果として近代資本主義を生み、金融資本主義の基礎をつくった(マックス・ヴェーバー)


・アメリカの合理主義 合理主義では時間やお金を合理的に使うことで人は豊かになれる、と考える


・現在のビジネス書や自己啓発書は、アメリカの合理主義やニューソート運動の考え方の延長線上にある


・ヒッピーは西洋の合理主義を否定して東洋的なものに惹かれていた


・これから存在感を増していくのは、未来を計画的にコントロールする合理主義でもなすがままに身を委ねるヒッピーの東洋的なものではなく、


第三の生き方「想定外のことが起きることを前提としたゆるい計画主義」が求められる


・プランド・ハップンスタンス(計画された偶発性)偶発性を積極的に生かして人生をよりよいものにしていこう

・偶発性をマイナス要因としてではなく可能性を拡げてくれる一つのチャンスとしてとらえる


・流れ(宇宙の流れ)で行ってみる。拙速に結論を出すことを避け、その状況をしばらく冷静に観察する慎重な態度


・想定外をやみくもに排除するのではなく、いったん受け入れること


・手帳を真っ黒にすることをやめる。予定が決まっているということは想定外の経験をする余地がない、ということ。適度なブランクをつくり何をやるかはそのときになって初めて決める


・近い人が死んでその悲しみから抜け出す経験は大切


・転ばぬ先の杖を用意し自分の足だけで歩くことを避けるのが計画主義の怖さ


・真の師は自分の中にいる


・自分の責任の範囲なら何でも恐れずに何でもやってみること


・何も起こらなくても必要な無駄だったと考える


・どのようなことでも積極的に経験すること


・自分に合わないと思えば堂々と設計変更すればいい


・自分で責任を負える範囲において人は自由


・でも計画主義は頭から否定しない


・基礎的スキルにおいてビジネス書は有効


・自分の自由度を広げる力は計画主義で短期的に身につけてその後は偶発性を楽しんで生きる


・他人はこちらの思い通りになる存在ではない 「変えられるのは自分だけ」アルフレッド・アドラー


・ワークライフバランスで調和を崩してライフまでワーク化するようなオフでは逆効果


・休みのときは、むしろ徹底的に非生産的なことをやった方がいい。合理的打算的ではない時間を過ごすことが人生の意義や目的を再発見するきっかけになることも


・価値には高低があるという考え方が人を幸せにするどころか苦しめる


・高みを目指せば目指すほど理想にほど遠い自分を突き付けられる


・理想から引き算する発想をやめる


・理想や過去の足りない状態を比較せず、ひたすらいまを生きる


・いまここでないものねだりをせずいまをありのまま受け止める生き方


・起きたことや起こることを受け止め、いま持てるものを活かしていく


・風邪は自然に起きるデトックスであり適度にひいたほうがいい(野口晴哉)


・自分にふりかかってきた悪いことも本当はよいことである可能性も


・経済学は、人は合理的な選択をするという前提で理論家されてきたが、現実は理論通りに動かない


・まわりからのアドバイスは自分が行き詰ったときだけに耳を傾ければよい


・結果からプロセスに視線を移してみる


・柔軟な姿勢でいま楽しめることから始めてみる


・勘や直感を信頼してみる


・夢は持とうとして持てるものではなく出会うもの


・目の前のことに楽しみを見出す


・自分の体・生命にもっと信頼を置くべき


・好き嫌いの感覚で動くのが理想だが、それが許されないときは好きにフォーカスすることが社会を賢く生き抜くコツ


・理想を基準にするのではなく、いまあるものを使っていく発想が必要(フローの発想)


・フロー型生活の第一歩は捨てること


・本が愛蔵ではなく死蔵になっているなら処分する


・所有から利用、買うよりレンタルやシェアする時代に


・友だちは三人いれば充分。つながるのも切れるのもなりゆきに任せればいい


・孤独から目を背けるのではなく、孤独と向き合う


・食べる量は腹六分目


・身体が欲するままに合理性や効率性を追求することも


・原理主義はピュアですが、それゆえ現実の世界を生きづらい


・人生を一本道の単線にしない


・ゼロか100かという見方をしない


・変化の激しい時代に対応するためにはむしろ分散が重要


・自分を複線化する方が長期的に人生のリスクを減らせる


・しなやかな生き方とは、一つのものに拘泥しない生き方


・もっと肩の力を抜いて非真面目に生きていい


・べしべからずの思考をやめる


・緊急時は率先避難 必要性を感じたら自分の判断で避難すること