- 愛ふたたび (幻冬舎文庫)/幻冬舎
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一昨年、亡くなった医師出身の作家・渡辺淳一。
追悼の意味も込めて、一昨年デンマーク・コペンハーゲン空港時間待ちですらっと読んだ覚えがあります。文学的なセンスはなくあまり小説は読まないのですが、感性を取り戻すためにたまには小説もいいな。
氏の「恋愛小説」は人々が心の隅に抱えている思いを呼び起こさせてくれると同時に、本能の範囲ではみんなさほど変わらないんだと共感する部分がありますね。
渡辺淳一の男女観は古典的なものではありますが、性に関するデータもちりばめ、人気となった代表作「失楽園」など一定の女性のファンが居ることを考えると、医師や恋愛などで自らの波乱万丈の経験が女性の心を理解し理解されていたのではないでしょうかね。世のわからんちん男性への厳しい氏の見方はその現れだろうと。
渡辺淳一の分身、主人公の気楽堂は気楽な医師であり複数の恋人がいるが、ある日自らの不能を悟り、試行錯誤の後、セ○クスによらない女性の愛し方を見出す。というストーリー。
故人のこの遺作は、世の中のすべての男女に遺してくれたものでしょう。世の中の男性と女性が理解できるようになるには少しのことでできるはず。それを日々考えています
男性のことが分からない、とおっしゃる女性にはこの本をおススメしています。
- 男というもの (中公文庫)/中央公論新社
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小説読書メモ
・1998年ED罹患率は 40代前半で16% 40代後半20% 50代前半36% 50代後半47% 60代前半57% 60代後半70%
・60歳以上の老人クラブ 90%が性欲がある
・挿入することは、男性にとって満たされる第一歩だが、女にとっては必ずしも悦びへのステップとは限らない。それどころか男性への嫌悪とか不信感につながることもあるはず
・男たちは挿入することだけを考えている。それさえできれば性のほぼ80%~満たされたと思い込んでいる。これは男たちの錯覚ではないか。そこには男たちの独善がひそんでいるのではないか
・夫婦のレスは30代で52% 40代で66% 50代で 81.3%に達する
・毎回オーガズムを感じるという女性はどの世代でもせいぜい10%程度しかないようである
・「優しい言葉をかける」「キスをされる」「静かに髪を撫でられる」「そのまま抱き続けてくれること」が女性にとって好ましい行為
・「ペ○スは男のプライドそのものである」
・欧米は男と女は平等だと信じ、理解し合っている。恋愛も愛の行為も対等である。日本人の男は今の女は男を悦ばすものと思い込んでいる者もいる
・不能である限り、あそこが爆発して勝手に走り出すこともないのだから自分の管理下でコントロールできるはず
・「セ○クスとは、いわゆる性的関係だけをいうのではない。そうではなく、男と女が二人でいるときの、すべての関係をいうのである」
・「一般の男女のあいだのセ○クスでも、女性が妊娠することなぞ望んではいない。それより、愛し合う男女が親しく肌を接し合い、心地よくなりたいだけ」
・「愛を全うするには、優しさと強引さと、二つが必要である」
・ペ○スを女性のなかに挿入しないセ○クス。性的関係のないセ○クス。男性は挿入しないかわりに、女性に沢山の愛の言葉を囁き、女性の気持ちも和んだところで愛撫しエクスタシーに導いていく。これが新しい愛のセ○クス