超訳 日本国憲法 (新潮新書)/新潮社
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内容は、誰もが教科書で習ったものですが、おさらいの意味で。
国民の権利を保障し権力者や公務員が憲法を守る義務を定めるのが憲法の役割であり、憲法に基づき国家権力を統治しなければならない「立憲主義」の原理を多くの国民が理解するようになれば来年の選挙も意義あるものになるでしょう。

・天皇陛下は「平和と民主主義を守りべき大切なもの」として日本国憲法を作ったと明言された
・天皇は政治的な発言をすることができないが、憲法を守る義務が憲法で定められている ・憲法によって天皇自身の政治的な発言は許されないけれど、憲法を守る義務を強調することが実は政治的な発言にもなりうるのは改憲を志向する安倍政権の下で逆説的な現実が生まれている
・一般の法律の多くが、国民が守るべき内容を定めているのに対して、憲法は「その国の権力者が守るべきもの」世界の長い民主主義の歴史の中で、憲法は国家権力を制限し、憲法の規定に従って統治しなければならない。この原理が「立憲主義」

・国民の権利を保障することを明言するのが憲法の役割

・憲法を守る義務があるのは権力者・公務員(99条)

・憲法の前文 

どこの国も自分のことばかり考えて、他国を無視してはいけない。自国の主権を維持し、他国と対等の関係に立ちたければ、世界のどこでも通用するルールを守らなければならない

・憲法9条

「憲法9条は、自衛権の行使以外の武力行使を禁じているのであって、自衛権は禁止していない。自衛権を行使するには一定の準備が必要であり、自衛のための必要最低限の実力を保有することは憲法9条に違反しない」としているのが政府解釈

・憲法改正論議で

吉田茂首相は自衛権まで含めての戦争放棄を考えていた。

共産党の野坂参三議員が「戦争は侵略戦争と防衛戦争があり、侵略戦争だけを放棄すべき」と質した

吉田茂首相は「近年の戦争の多くは国家を防衛するためという名目で行われているので、正当防衛権を認めることは戦争を誘発する」と答えた

最終的に芦田修正が入り自衛権は認められることになったが、すべての戦争を放棄した解釈も存在する

・憲法24条で結婚は両性の合意のみに基づいて成立するため同性婚は認められていない?

日本は昔は結婚は自由にできなかった現実がある

・憲法に定める国民の三大義務は 教育(26条)・勤労(27条)・納税(30条)

・小泉純一郎(原発ゼロの主張)「いかに国民から与えられた権力を、望ましい、あるべき姿に向かって使うか、使おうと思えば、使えるんです」

・宮沢喜一 総理の絶大な権力は抑制的に行使しなければならないのがモットーだった

・「財政民主主義」国家財政は国民から集めた税金が中心なので、国民の意見に従って使わなければならない。国民の代表は国会議員なので、国会の議決に基づいてお金の使い道を決めること

・国会議員は税金の使い道を決める人のこと

・「等」は官僚にとって便利でパワフルな言葉。等があったら要注意

・赤字国債は都度特例公債法案を国会に提出し議決を経て発行されている

・「二元代表制」都道府県知事及市町村長、市町村議会議員がそれぞれ住民の直接選挙で選ばれ、二通

り住民の代表が生まれること

・安倍首相は、憲法9条改正で自衛隊を軍隊にすることに情熱を燃やしていたが、簡単ではなく96条改正で憲法改正手続きのハードルを下げようとした、しかし形勢不利とみて集団的自衛権の解釈変更に走った

・日本国憲法は成立以来一度も改正されていない。ドイツ基本法では戦後59回憲法は改正されているが、人権や国民主権の根幹部分に関して、そもそも改正が禁止されている

・97条 国民の基本的人権は人類が長年の努力で獲得したものであり、この権利は永久の権利である

・最高裁はどの時々の国民感情に配慮しながら憲法判断をしている

・憲法とは、国民が権力者に対して国民の権利を守るよう命令するもの。自民党の憲法改正草案では、国民にまで憲法の遵守義務を課すのは立憲主義の趣旨を理解していない、という批判がある

・憲法改正論者であっても、職務においては現行憲法をも守る義務がある

・選挙は政権政党の白紙委任を渡す性格も

・内閣法制局は日本は集団的自衛権は持っているが使えない、という解釈をしてきた

・日本を取り巻く状況が変わったから憲法の解釈も変えるこれが閣議決定の理屈

「いつでも戦争できる態勢をとっていれば戦争を防げる」

「いつでも戦争できる態勢をとっていれば戦争になってしまう」

集団的自衛権をめぐる賛成反対の論議はこの意見対立に集約される

・民主集中制というのは共産党特有のシステム 民主の名の下に権力を独占する仕組み