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わが性と生 (新潮文庫)/新潮社
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女性として小説家として僧として波乱万丈な人生を送っている

瀬戸内晴美と出家後の瀬戸内寂聴。ふたりの同一人物が書簡を交換しながら、

性と生の本質に迫っています。性やエロスのことは真面目に女性から語ってもらうことが男どもの解放に繋がると私は信じていますが。


・実人で色気づいている時、色っぽい小説は書けない

・いまどきの子どもは物識りであり、無邪気で頼りないと思っているのは鈍感な親ばかり

・「不可思議な神秘的な性愛の世界があるということがぼんやりわかったことは、人間として生まれたことへの好奇心と生きて大人になる未来への期待をはぐくんでくれた」

・女の快感は伸縮自在な自身の締めつけ運動を味わうことによって生じる

・夫婦の性生活で情熱の伴うのはせいぜい2,3年。人妻の問題は夫から性の対象として扱われない妻の悩み

・「戦後最も変革を遂げたものは性に対する認識でしょう。性が解放されたという言葉が無造作に使われていますが、今の性の自由さは解放などという高尚なことではなく要するに乱雑に投げ出されたということではないですか」

・医学的根拠はないが髪の毛と性欲は密接な因果関係があるのではないか(好色な男は白髪になる)

・「好色とは勢力が強いというだけでなく、性愛の情緒も愉しめる、性愛のまわりのことすべてが好きな人間で、成功だけを目的とはしない人種のことです」

・シュケーテル~人間は生真面目に性欲を慎むよりも、酒をくらい、放蕩三昧に暮らした方が、性的能力も持続力があるし、長命だ

・「私は人間は誰が誰を愛したって、どんな愛し方をしたっていいんじゃないかと思っています」

・「私は今も性愛を賛美し、それに溺れる人々にも同情出来ます。性愛もまた、私はどうしても美意識をぬきにしては考えられません。美しい男の肉体、若い力のみなぎった男の性器、それはこの世で女の目にとっては最も美しいものでしょう」

・どうせこの世に生まれたからには、人並みな性の快楽は味あわなければ損だと思う