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左翼・右翼がわかる!―天皇制 西郷隆盛 三島由紀夫 日蓮 宮沢賢治 大本 オウム真理教 軍隊/金曜日
¥1,365
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オドロオドロしいタイトルですが、結構気さくに気軽に読める本です。


全体的な感想というよりは、名言を箇条書きに。


遠藤誠弁護士が渡辺芳則山口組組長(いずれも故人)に問われた言葉
「(左翼と右翼の違いは)太平洋戦争の見方が一つの分かれ目で、侵略戦争と見るのが左翼で正義の戦争と見るのが右翼」



石橋湛山


朝鮮・台湾・樺太・満州という如き、わずかばかりの土地を棄つることにより広大なる 支那の全土を我が友とし、進んで東洋全体、否、世界の弱小国全体を我が道徳的支持者とすることは、いかばかりの利益であるか計り知れない。 もしその時においてなお、米国が横暴であり、あるいは英国が驕慢であって、東洋の諸民族ないしは世界の弱小国民を虐ぐるが如きことあらば、 我が国は宜しくその虐げらるる者の盟主となって、英米を膺懲すべし。 この場合においては、区々たる平常の軍備の如きは問題でない。戦法の極意は人の和にある。



・(自民党は)イデオロギーによって人々を引きつけたわけじゃなくて、利益配分。そのために権力を握ること自体が目的であったわけ(佐高)


・左翼は社会を問題にし、右翼は個人や人間性、人格を問題にする(佐高)


・右翼は「自己責任論」を振り回す傾向(鈴木)


・現代右翼の原点は西郷隆盛、戦後の右翼にインパクトを与えたのが三島由紀夫(佐高)


・自由のない自主憲法よりは自由のある平和憲法のほうがいい(鈴木)


・右翼が金持ちの現状維持思想みたいなものと結びついた(佐高)


・戦前は資本家やブルジョアジーが右翼思想というより天皇を利用してきた(鈴木)


・戦争をする人っていうのは、自分もまわりも、国民を納得させようとする。「平和のための戦争」という言葉の絶対的矛盾に、気づいていながら気づかないフリをする(佐高)


・西郷隆盛の「永久維新」という思想を右翼は支持する(鈴木)


・政治が宗教を利用すると政治が宗教化する(佐高)


・右翼というのは、国家と個人の一体感を強く持っている。自分と国家の関わりを重要視する(鈴木)


・左翼は、国というのは、個人を圧迫、弾圧するシステムという思いのほうが強い(佐高)


・共産主義というかたちで世界同時革命を実現しようとして失敗したが、共産主義と称するものは、実は共産主義でもなんでもなかったということが露呈してしまった(佐高)


・国家は必要悪、必要であることは認める。でも必要善としての国家なんかあり得ない(佐高)


・暴力装置(警察とか軍隊)を国家が独占してきた、一番怖いのは、特攻や玉砕、死刑を国民に強制する国家。国家が最も強力なテロリスト(鈴木)


・いずれ核兵器も軍隊もなくせる。でも人間の欲望がある以上警察はなくせない(鈴木)


・生まれ故郷から演繹していって国も愛せるようになればいい(鈴木)


・愛国心というものを国家に独占させておいちゃまずい(佐高)右翼にも左翼にも愛国心を独占させてはいけない(鈴木)


・国家をまとめていくためには、どうしても愛国心教育で国家そのものを刷り込んでいくしかない。民族主義と国家主義は別物のはずなのに、日本ではそれがほとんど疑われることなく、愛国心という一点で結びついている(佐高)


・国家って人民が知恵や技術でうまく使いこなしていかなきゃならない(佐高)


・天皇制への依存心が日本人の中に根強くあって、一人ひとりの自立心がいつの間にか薄らいだ(鈴木)