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こころ (新潮文庫)/新潮社
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2月9日は夏目漱石の誕生日です。

こゝろ 」は来年で発表100年になる古典小説ですね。

この本、10代、20代、30代とその度に買って読んでるんですが、齢を重ねていくほどに味わい方、感じ方が違う不思議?な小説です。


何度か読んでもまた読みたくなる小説です。もちろん小説はそういうものなのかも知れませんが。

古典は100年経っても気づきを与えてくれるから古典なんでしょうね。

だからこそ、古典に学ぶ意味があると。


あまりにも有名な本なので、永遠に残るフレーズを。



「世の中に片付くなんてものは殆どありゃしない。一遍起った事は何時までも続くのさ。ただ色々な形に変るから、他にも自分にも解らなくなるだけの事さ。」


「愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ。」


「嫌な女も好きな女もあり、その好きな女にも嫌なところがあって、その興味を持っている全ての女の中で、一番あなたが好きだと云われてこそ、あなたは本当に愛されているんじゃありませんか?」


「自己を捨てて神に走るものは神の奴隷である。」


「真面目とは実行するということだ。」


「人間の目的は生まれた本人が、本人自身のためにつくったものでなければならない。」


「他の親切は、その当時にこそ余計なお世話に見えるが、後になると、もういっぺんうるさく干渉してもらいたい時期が来るものである。」


「平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです。」


「人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ。」


「道徳に加勢する者は一時の勝利者には違いないが、永久の敗北者だ。自然に従う者は一時の敗北者だが、永久の勝利者だ。」


「細君の愛を他へ移さないようにするのは、夫の義務である。」


「女には大きな人道の立場から来る愛情よりも、多少義理をはずれても自分だけに集注される親切を嬉しがる性質が、男よりも強いように思われます。」


「男は女を、女は男を要求する。そしてそれを見出したとき、お互いに不満足を感じる。」



時代考証があるとしても、人間の本質を「先生」が問うている気がします。生涯もう一度くらい読む本かも。