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- 現実を視よ/PHP研究所
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ユニクロを展開する、ファーストリティリティング会長兼社長の柳井氏の語録。
・世界史を紐解けば、中国やインドに代わって西洋の諸制度がグローバルスタンダードになったのは産業革命以降でしかない。21世紀の経済の成長センターはアジアであることは明白である。
・もはや世界には情報格差はない
・日本の教育レベルが他のアジア諸国に比べて格段に高いことなど根拠はない
・いまや日本人というだけで、アジアの人たちに勝るものが何かあるだろうか。おそらくその答えは「何もない」
・世界のメーカーは「水辺分業型」で日本流の「垂直統合型」では太刀打ちできない分野が出てきた
・英語はあくまでコミュニケーションツール。ファーストリティリティングはあくまで日本代表の世界企業として堂々グローバル競争の舞台に上がる。
・日本人の強みは、勤勉で努力を惜しまない、仕事に対する責任感、高いサービス精神、謙虚に学ぶ姿勢、そして隣人に対する思いやり、全体のために個を調和させる東洋的価値観
・ユニクロブランドを世界的に根付かせるにはディズニーランドやマクドナルドが米国にアイデンティティを持ちながら日本に同化しているイメージ。
・本気で戦いを挑もうとするなら、まず自らが変わるという気概をもって、真剣にコミットすべき
・この二十年の間、世界はもの凄いスピードで、ドラスティックに変貌を遂げてきたが、その事実に日本人はきちんと向き合おうとしなかった
・資本主義の精神とは、成長を目指して自ら事業を起こし、社会をよりよい方向に変えていくこと
・いまの日本人は身の丈の倍の生活をしている事実をわかっていない
・産業は保護すべきとの価値観を捨てよ
・柳井正の抱負
2008 No Challenge,No future 挑戦しなければ人生ではない
2009 2020経常利益1兆円 売上5兆円
2010 全員経営 ワンプラットホームでマイクロマネジメントを実行する
2011 Change or Die 変革しろ、さもなくば死だ
2012 志をもって生きる
・立ち止まることは最大のリスク、成功法則よりも普遍的な考え方を持て
・Whatever is , is reasonable 起こっていることはすべて正しい
・人間は求めていい
世界のビジネスの最前線にいる著者は
歴史の潮流の転換点、グローバル化、立ち遅れた日本及び日本人への苛立ち、
資本主義の世界的競争社会の中、成長し発展し進化する志を持たなければ、
日本の未来はない、と警告しています。
氏の政治的な主張は私とは賛同する部分もあれば違う部分もあるのであえて記載していませんが、
現実をよく知っている資本主義のまっただ中にいる日本を代表する経済人の立場としては極めて真っ当で自分にも他人にも厳しい氏の哲学を理解するにはいい本だと思います。
やはり、日本人の魂でもって、21世紀にますます発展するゴールドラッシュのアジアにビジネスで出て行かねば!