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- 若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書 515B)/集英社
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2008年に世を去った筑紫氏の最期の本。
リベラル派として敵も多かったでしょうけれど、考え方の違いあれどお付き合いの幅広さ、
文化面あらゆるジャンルの造詣の深さから深い人物だったことでしょう。
タバコやストレスかがんで命を落としたのは不徳の致すところではなかったでしょうかね。
・ジャーナリストという仕事は一言で表すとお節介業なのです。世の中はこうあったほうがよい、こうあるべきだ、と絶えずいい続けていて、それが習性になっています。それが押しつけがましいとかえって通じないことぐらいはわかりますからら、いろいろと工夫はするのですが。
・日本国憲法には世界で例のないことがあります。ひとつは第9条にあるように戦争を絶対にしないということを憲法にうたっている、もうひとつは男女平等。憲法は押しつけだと言われますが、理想主義者たちが
占領軍に集まって、世界で最も理想的な憲法を議論してつくったのが憲法の草案です。
・世界の多くの国が民主主義という仕組みをとっていますが、今のところ、多くの国の国民は、自国だけが生き延びることに一生懸命な指導者を支持するでしょう。つまり、国民に支えられた民主的なリーダーであればあるほど、自国の利益を守るために突進するということになります。自分を支持する国民にしたいという思いが権力側にはあるわけですから、件名に国民が安心して安定した生活ができるよう努力します。けれど、それがうまくいかなかった時に、リーダーや権力がしばしば使おうとするのが、ナショナリズムという化け物です。