4/3
- 日本でいちばん大切にしたい会社/坂本 光司
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
坂本光司さんの本が注目されています。
気になっていたのですがインタビュー記事を読んで改めて学ぶこともあったものですから。
坂本先生は、「会社経営とは『5人に対する使命と責任』を果たすための活動」であるとして、経営の目的を以下の5つに定めています。
そのなかで正しい経営とは、「正しい経営をしている会社とは会社にかかわる5人を重視する経営」ということで優先順位を定めています。
1 社員とその家族を幸せにする
2 外注先・下請企業の社員を幸せにする
3 顧客を幸せにする
4 地域社会を幸せに、活性化させる
5 株主を幸せにする
問題はその順番。会社経営の最優先すべきことは、「社員とその家族を幸せにすること」だとおっしゃいます。
会社というものは、資本主義社会の権化でして、
これまで、その優先順位としては会社は株主のもので、経営の目的も「顧客満足」とか「株主価値・利益の最大化」と言っていたものです。
むろん、これは当然のことで正しいことなのですが、
それは結果であって目的ではない、と。
企業のあるべき長期的な繁栄というものを考えると
「顧客に商品やサービスを提供するのは社員」なのだから、
「顧客のことを考えるより、社員の幸せを真っ先に考えるのが経営者の仕事」なのだと。
その中でその基準に合致した会社は、
社員を大事にし、きちんと黒字経営を続けている会社であって、
きっちりしたビジネスモデルとそこで働く人々が幸せが実感できる会社、
そういう模範的な会社が日本にまだたくさんあることを教えてくれそうです。
「社員を大切にしている会社はどこも好業績です。
私が語っていることは、理想でも理論でもない。この目で見てきた現実なのです。」
「トイレや社員食堂を見れば、社員を大切にしているかどうかすぐにわかる」
「正しい経営とは人を犠牲にしない、路頭に迷わせない経営」
「会社に関わりのある人を幸せにする活動こそ経営」
「業績ではなく社員の幸せを軸に経営は考えるべき」
「人本主義」
「社員が自分の所属する組織に愛情を持てば持つほど業績が上がるのは当然」
「会社には雇用責任だけでなく、幸せの創造責任がある」
そういう先生の語録を聞くと読みたくなってきました(^◇^)
自分にとっての幸福や利益は他者への貢献の長期的な別な形でのリターンである、とするならば、
これを実感することはなかなか難しいのですが、聖人君子でなくとも見返りを求めずに他者に尽くす楽しさが分かるようになれば人生も仕事ももっと楽しくなることでしょうね!
「カーネーション 」の主人公のモデルとなった小篠綾子さんの座右の銘は
「与うるは受くるより幸いなり」という聖書の言葉。
資本主義の権化であった会社がスタッフと社会に与える喜びが結果として会社を発展させるということが今世紀の常識になりつつあるのですね。問題はその方法論なのですけどね^_^;