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- 告白的恋愛論/渡辺 淳一
- ¥1,155
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ノンフィクションや政治経済の本は好きでも
小説、特に情愛の類の本はあんまり読まないヤピガメですが、
たまにはこういうのもいい、ということでこれもかなり前に買ったこの本を正月に読みました(^O^)
恋愛は経験もあるのでやんちゃな人の方が人間感情をよくわかっていて、免疫のない受験秀才タイプが
情愛に目覚めて破綻するケースもひょっとしたらあることを考えますと、人間はバランスが大事で、
いいこともそうでないことも両方やはり学んだほうが社会に適応し易いのかも知れませんねヽ(゚◇゚ )ノ
この本、渡辺氏の実体験に基づく10人の女性との恋愛の告白です。普通なかなか常人では書けないものですけれども、そこでの体験が先生の小説の舞台になったことは先生の女性達こそが自分をつくってくれた先生なのでしょう。
付き合った人が自殺したり、姉妹でそれぞれ関係を持ったり、二股、不倫といった修羅場的体験をしていることが愛の本質を求める氏の人生観や作品となったことでしょう。
オンナはこうだ、とするのが鼻につくことがあるかも知れないことはご容赦いただいて、氏の認識を書き留めておこうと思います。女性からすればとんでもない男なのだろうけどσ(^_^;)
「女性はいかに若く、外観はあどけなく見えても、同じ年齢の男からは想像もつかない未知の世界に踏み込む勇気と、妖しさを身につけている」
「女というものは一筋縄ではいかない、ひとつの面からでは描ききれない、際き合う男によってさまざまな面をみせるもの・・・女性は万華鏡のようなもの」
「男と女のあいだには、どんなに憎み、怨みはあっても、体が馴染むというか実感で離れられないことがある」
(これ、ホンマかいな?)男性は情が残っても女性は気持ちの切り替えが早い人が多い気がしますけど(^_^;)
とするのがこちら。
「女性の過去に、いかに好きな男性がいたとしても、次により好きな男ができると、前の男はほぼ完全に忘れ去ることがある」
「女という性は、オール・オア・ナッシングで、あるとき一人に愛を注いでも、次にまったく別の愛する男を見出すと、その男にすべての愛を注いで、以前の男はきっぱりと忘れ去っていく」
「一般に恋は男が仕掛け、女を口説くが、ともに燃え、愛が深まるにつれて、女のほうが主導権を握り、男を引きずる形になる。それが深い愛の流れの定石のようでもある」
社会的地位がある人、それぞれの分野で才能を発揮している人、成功を収めている人はたくさんいらっしゃいますが、恋愛や家庭面にも同じように才能を発揮することがいかに難しいか、平凡で幸せな愛ある生活を送ることが難しいのかを考えさせられます。
どこかで異能を発揮する人がどこかで欠落する部分があったり、才能があるが故にその成功体験が不幸の原因となったり。逆に申し上げれば人間関係、とりわけ恋愛や情愛の部分を本当に分かった人はそれを元に人生の本質を捉えて外さないところを持つことが他への波及効果をもたらすのではないか?と思ったり。
何故、みんなは愛を独占しされたがるのだろう。みんなで共有してもいいじゃないか。相対的比較において振られたら仕方ないじゃないか。
と思うのは、私が男としていい加減なのでしょうか。愛とは自分の利益をそんなに考えず、愛する人の利益を考えることです。もちろん一方的に犠牲になるつもりはないけれど。好きな人の幸せを願い、共有出来ればこの上なくいいことでしょうし、出来なくても少しでも役に立って、嫌がられず忘れ去られるのも男の本懐なのかも知れません。(-_☆)