朝起きてすぐ シャワー浴びるつもりが

夕方になってしまいました

なぜかというと それはですね~上差し

 

 

 

サリンジャーの短編集が面白すぎたから晴れ晴れ晴れ

 

 

 

『ライ麦畑』とか『フラニーとゾーイー』

長編もすばらしかったけれど

サリンジャー自身は

自分は短編作家だと言ってますので

 

 

 

彼の本領は どれほどすごいのか??

ドキドキしつつ

『9 Stories』を読みました

 

 

 

『フラニーとゾーイー』の

自殺した長兄シーモアが出てくる話

『バナナフィッシュにうってつけの日』

 

 

 

私の姉や友人は 吉田秋生さんの漫画

『BANANAFISH』に夢中でしたが

私は全然詳しくないのでバツブルーバツレッドバツブルー

 

 

 

そういう魚が 実際にいたっけ?

和訳すると何?とか 思ってしまいました汗

 

 

 

「バナナを目指して穴の中に入っていき

 見境いなしにバナナをむさぼり食うので

 体がデカくなりすぎて

 その穴から出られず 死んでしまう」

 

 

 

いくら想像上の魚とはいえ

ちょっと不気味な性質ですよね宇宙人くん

シーモアの心の病も象徴してるような

 

 

 

シーモアがビーチで お相手する幼い少女

シビルちゃんは「シー・モア・グラース 

 See more glass  ~もっと鏡を見て!」

というのが口グセなんですが

 

 

 

あまりに何度も言うので

母親はウザがり「お願い もうやめて」アセアセ

「シーモアの名前とも掛けてあるじゃん!」

そう気づいたのは読み終えた後でしたケド

 

 

 

神経衰弱の影響などで とてもやせていた

シーモアに向けての言葉とも取れます

物語には何の説明もありませんが

私は少しこの言葉にとりつかれそう

 

 

 

すでに何度が口にしちゃったしスター

 

 

 

サリンジャーファンの方なのか

原宿に『See More Glass』という

絵本を読めるカフェがあるようですコーヒー

 

 

 

題名どおり 9つの話が収録されており

どれもそれなりに味わい深いのですが

謎やトリックのようなものが多く感じられ

すべては理解できてないかもあしあと

 

 

 

私が特に引き込まれたのが

『エズミに捧ぐ』と

『ド・ドーミエ=スミスの青の時代』

 

 

 

『エズミに捧ぐ』は「~愛と汚辱のうちに」

という副題が付いてますが

メランコリックで詩的ともいえる内容

「汚辱」などという物騒な言葉も

 

 

 

少女エズミが 会ったばかりの米軍人に

「私・汚辱の話が大好きなの」と語り

それまでの無難な会話の方向性とも

全然違っていたので たまげた軍人が

 

 

 

「何の話ですってハッ!?」と聞き返すくらいで

少女のいう汚辱が 具体的にどんなものか

全く触れられていません

 

 

 

ほんの30分 話しただけのエズミは

今後も文通しようと軍人にもちかけます

そのエズミから 結婚式の招待状が来て

この物語と 軍人の回想が始まるのですが

 

 

 

合唱団でいちばんの美声を誇っていた

清らかな少女にすぎないエズミと

米軍人のあいだに性的な要素はなく

まあ隣人愛のような感覚かもしれない

 

 

 

戦線に戻った軍人に エズミは

父親の形見だという特別な時計を送ります

届いたときには こわれていたけど

軍人は感動したのでしょうね照れ

 

 

 

「エズミ 本当の眠気を覚える人間は

 元のようなあらゆる機能が

 無傷のままに戻る可能性を 

 必ず持っているからね」

 

 

 

この言葉は聞いたことがありますから

有名でよく引用されてきたのかも

しょっちゅう眠い私なんかには

究極のいやしの言葉ですしハートのバルーン

 

 

 

主人公の軍人と同じく

ウツや神経症を経てきた私としては

恵みの雨みたいな感動もあります霧

 

 

 

エズミが軍人とつながり続けようとする理由

結婚式の招待状が届くまでの6年間

本当に手紙のやり取りは続いたのか?

いろいろ謎だらけですが

 

 

 

私にはこの話がサリンジャーの

実体験のように思えます

「事実は小説より奇なり」とも言いますが

劇的な要素をはらみつつも

 

 

 

「そのままでは 小説にはならないけど

 出来事の中にあった

 本当に美しいエッセンスだけは書きたい」乙女のトキメキ

 

 

 

そういったタイプの

日常の出来事はわりとありますし

ただ 主人公が誰なのか

公に出来ない感じを出しているのは

 

 

 

軍人側が 人妻となったエズミに

特別な想いを持っていたのか?

いろいろ勘ぐってしまいます

明日もう一度読んでみよう赤薔薇

 

 

 

名前についても 不思議で仕方なく

野崎孝さん訳では エズミですが

原題のつづりを見ると

エズメとも発音できそうです

 

 

 

どういう由来の名前なのか?

欧州の小説は よく読んだほうですが

エズメという名の主人公はほとんどおらず

このエズミはイギリスの少女ですが

 

 

 

まあイギリスとフランスは

古くから多くの交流や共通点がありますけど

フランス由来の名前で

『尊敬されている、愛されている』という意味らしい

 

 

 

サリンジャーの文体には

都会人の洗練とか 高潔さ

人生に対するアツさなどがあり

おおむね上品なだけに たまの毒舌が面白い二重丸

 

 

 

ガールズトークの中で

興味のない男性のことを

「ベラ・ルゴシを汚くした感じ」

(映画『ドラキュラ』の人です)とか

 

 

 

向上心や知識欲が旺盛なぶん

浮気を繰り返す自分の妻を皮肉った男性が

「ボヴァリー夫人が

 テレビ鑑賞科を受講するんだ」とか

 

 

 

思わず笑える台詞も多いですニヤリ

 

 

 

語尾に必ず「チキショウメ」と付ける人が

(1974年に翻訳されてるので

 どうしても懐かしい言葉もありますふんわりウイング

キャラ的にどうも憎めない処があったり

 

 

 

『ド・ドーミエ=スミスの青の時代』では

サリンジャーには珍しく

若い男性の劣情みたいなものが描かれて

(ほかの作家では普通なんですけど)

 

 

 

でもやっぱりサリンジャーなので

ありふれた劣情とはまた違うんですよ

実際に物語を読んで お楽しみ下さいね

 

 

 

サリンジャー最後の小説って

結局どれなんでしょう?

 

 

 

『9 Stories』の最後にあった

『テディ』が私としては

結構 震撼ものの内容だったので

これが遺作なら納得できるんですが

 

 

 

まだ遺族が整理中のようですね

 

 

 

サリンジャーの映画もあるらしく

ぜひ観てみたいですクローバークローバークローバー