【宅建】現代における尺貫法の名残 | やぱたんのブログ

やぱたんのブログ

専門学校で20年超講師をしている行政書士・宅地建物取引士です。
また公務員対策として経済・財政、民法、憲法、行政法分野も担当しております。
宅建試験情報、行政書士試験情報、公務員試験情報をはじめ、経済・財政分野の記事も書いてまいります。

 

なぜ10㎡?100㎡?1,000㎡?31m?

 

 

宅建試験で暗記量を多くする要因のひとつに、「数字」、特に面積や高さなどの「数字がある」ことが挙げられます。これは、古来の尺貫法によるものです。尺貫法とは、日本で古くから使われてきた長さや面積の単位体系で、現代の測量単位に多くの影響を及ぼしています。

 

現代の測量単位には、尺貫法の影響が色濃く残っています。特に、不動産や建築の分野では、これらの古い単位が今でも使われることが多く、宅建試験においてもこれらの知識は欠かせません。古来からの伝統を理解し、それが現代の法律や規制にどのように影響を与えているかを学ぶことは、宅建試験の合格に向けて重要なステップとなります。

 

 

尺貫法の単位

 

 

◆1寸(すん)

 

1寸は約3.03センチメートルで、最も小さな長さの単位の一つです。現代では、建築や家具製作などで細かい寸法を測る際に使われることがあります。

 

◆1尺(しゃく)

 

1尺は約30.3センチメートルです。これが基本的な長さの単位で、建物や土地の寸法を測る際に使われてきました。例えば、畳の長さは約1.8mであり、これは6尺に相当します。

 

 

◆6尺(ろくしゃく)

 

6尺は約1.818メートルです。これは現代の建築基準における一つの基準となっており、例えば、部屋の天井の高さや門の高さなどで使われることがあります。

 

 

◆31メートルの由来

 

31メートルという数値は、100尺に相当します。1尺が約30.3センチメートルであるため、100尺は約30.3メートルとなりますが、切り上げて31メートルとして扱われることがあります。これは、建築や土木工事において重要な基準となっているため、覚えておく必要があります。

 

◆1坪(つぼ)

 

1坪は約3.3平方メートルです。これは土地や建物の面積を測る際の基本単位として使われてきました。1坪あれば大人一人が大の字になって寝れます。現在でも、不動産の面積表示において「坪」は広く使われています。

建築基準法で10㎡以内の増改築で建築確認がいらないというのは、「6畳=3坪≒9.91㎡」つまり、畳4枚で夫婦、畳2枚で子ども2人という標準的な家族の憩いの場を増築するくらいいいじゃないかという発想で覚えるといいですね。

 

 

◆30坪(=一畝:いっせ)

 

30坪は約100平方メートルで、1畝(せ)に相当します。田畑の面積を測る際に使われる単位であり、日本の農業において重要な基準となっています。

 

 

◆300坪(=一反:いったん)

 

300坪は約1,000平方メートルで、1反(たん)に相当します。これも農業用地の面積を示す単位であり、広い田畑の面積を測る際に使われます。

 

市街化区域内の開発許可で1,000㎡となっているのは、この1反=田んぼ1枚はやや広い面積の開発になるので、その専門性の高さから許可を受けた者のみが可能とするというものと考えられます。

田んぼ一枚・面の大きさは一反であることが多く、もともと米を一石(読み方:いっこく)収穫できる面積を一反としていたからです。一石とは、尺貫法における体積の単位です。一石は千合に相当し、大人1人分の年間消費量に相当すると言われています。大人が1食に一合食べると考えると1日に三合消費し、それを365日続けるのでおおよそ千合となるのです。

戦国武将で○万石なんて言いますよね。つまり、それだけのコメの生産ができる=当時はそれが兵力に値するわけで大名として何万石与えられるというのはそれだけの国を任せられることになります。

作物の一反あたりの収穫量を反収(読み方: たんしゅう)と言います。似たような言葉で単収(読み方: たんしゅう)がありますが、これは一定面積当たりの収穫量を指すので、別の単位として覚えておきましょう。

 

◆3,000坪(=一町:いっちょう)

 

3,000坪は約10,000平方メートルで、1町(ちょう)に相当します。これは特に広大な土地の面積を示す際に使われ、昔の村や町の面積表示に使われていました。