権利関係 第3回
6)いろいろな条件
(既成条件)
第131条 条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。
2 条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
3 前2項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第128条及び第129条の規定を準用する。
131条は
✅条件がすでに成就していた場合
⇒停止条件・・・無条件で契約の内容を実現
東大合格したらSwitch買ってあげる+すでに東大生=すぐ買ってやれ
⇒解除条件・・・条件が来てしまっているので、契約はそもそも無し
ローン審査に落ちたら売買契約は失効⇒ブラックリストなら売買契約無効
✅条件が成就しないことが確定している場合
⇒停止条件・・・契約の意味がない(永久に実現しない)から無効
100mを自分の足で5秒で走ったら1億円あげます⇒契約自体意味なし
⇒解除条件・・・条件なしで契約は続行
ローン審査に落ちたら売買契約は失効⇒現金一括で買うので、条件こない(契約続行)
となります。
(不法条件)
第132条 不法な条件を付した法律行為は、無効とする。不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする。
132条は、
✅人を殺したら100万円=そりゃ、そんな契約自体無効ですね。
✅人を殺さなかったら100万円=法律守るの当たり前です。無効です。100万円あきらめるから人殺しますなんて言われたら怖いです。
(不能条件)
第133条 不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする。
2 不能の解除条件を付した法律行為は、無条件とする。
133条
✅太陽に上陸できたら1億円さしあげます。=無理ゲーすぎて無効。
✅太陽に上陸できたら「太陽上陸計画の研究」終わります。=さっさと研究終えてください。
(随意条件)
第134条 停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。
134条は、
✅気が向いたら100万円あげます。⇒100万円あげる方の気持ちがどう動くなんて客観的にわかりませんし、条件そのものが曖昧過ぎて裁判になりませんから無効です。
✅100万円のおこづかいは気分次第で止めます⇒いままでずっともらっていて恩恵はあるので、気分次第で解除するのは、134条の反対解釈で有効です。