
古事記では天つ神(あまつかみ)から国造りを命じられた伊邪那岐命・伊邪那美命は、
天の浮橋の上にたち、漂う塩水を天沼矛(あめのぬぼこ)で
「こおろこおろ」
と掻き回し大地をつくったと語られています。
故、二柱の神、天の浮橋に立たして、その沼矛指し下して畫き給えば、鹽こおろこおろに畫き鳴して、引き上げ給う時に、その矛の末より垂り落つる鹽、累なり積りて島と成る。これ、おのごろ島なり。
かれ、ふたはしらのかみ、あめのうきはしにたたして、そのぬぼこさしおろしてかきたまえば、しおこおろこおろにかきなして、ひきあげたもうときに、そのそこのさきよりしたたりおつるしお、つらなりつもりてしまとなる。これ、おのごろしまなり。
この記述で面白いのは「こおろこおろ」という言葉、
寄せ集め、ならし、固めたのではなく、
かき混ぜ回してたれ落ちた
「しずく」
が固まり、
そしてそのかたまりが日本列島になったといいます。
「修理固成」(しゅりこせい)、
まずちゃんとかためようよ、がスタートです。
日本人の魂として古事記をこよなく愛し、画家であり日本神話に半生をささげられた
「出雲井晶先生」のしびれる解釈は、
太古の日本人御先祖は意識下で地球と一体化し、
地球の球体・自転
を感じ取っていた!
なんと素晴らしすぎてなんだかうれしくなってくる説ではありませんか!!
・・・でさらに、
僭越ながら私見として、
日本神話の天地創造のポイントは「こおろこおろ」の
円運動
にあることから、
「こおろこおろ」とかき混ぜ回したのは、
宇宙空間における惑星の創生・誕生、
つまり宇宙そのもののビッグバンの渦から超新星ノバ誕生への過程を述べているようにも思えるのです。
天地創造について世界にはいろいろな神話があります。
その中でも日本神話が伝える創造の過程はアクション(=円運動)が明確・具体的な点で特異なものだと思います。
いずれにしても太古の私たち日本人のご先祖さまは
宇宙インスピレーション
を受け取っていたに違いないと思うのです。
そして出来上がった星の上で島々が誕生し(=国産みをして)、日本列島が形成されていった・・・
あまりにも壮大な創生物語、
日本誕生
伊邪那岐命・伊邪那美命の夫婦神のご活躍の幕開けです。