【薦神社（こもじんじゃ）】（大分県中津市）
@art.mochida.daisuke
薦神社は、大分県中津市に鎮座する八幡宮で、別名大貞八幡宮（おおさだはちまんぐう）とも称されてきました。
本殿裏手にある三角池（みすみいけ/御澄池）を内宮（御神体）、神殿を外宮とする八幡神を祀る神社です。
全国八幡宮の総本宮である宇佐神宮（大分県宇佐市）のご神殿におけるご神体とされる薦枕の材料である真薦の茂霊地で、そのことから宇佐神宮の祖宮といわれ、承和年間（834-848年）の創建と伝わる由緒ある古社です。
拝殿から回廊を介して奥に三つの社殿が並ぶ宇佐神宮と似た配置となっていて、中央に本殿の八幡大神(15代応神天皇)、比咩大神(宗像三女神)、神功皇后(じんぐうこうごう)、東側の八坂神社にはスサノオを祀っています。西側は若宮社で16代仁徳天皇(にんとくてんのう)と四皇子を祀っています。
『八幡宇佐宮御託宣集』によれば養老4年（720年）三度目の反乱を起こした日向・大隅の隼人（大隅国府襲撃）に対し、朝廷の征討軍と宇佐神宮の辛島波豆米（からしまのはづめ）率いる宇佐「神軍」は、三角池に自生している真薦（まこも/沼地に生えるイネ科の草）で造った枕状の八幡神の御験（みしるし）を乗せた神輿を奉じて日向に鎮圧に向かったとされます。
この薦刈神事は、現在6年ごとに行われる宇佐神宮行幸会の中で辛嶋一族が当時より行い伝えています。八幡神と関わりの深い８社（田笛社・鷹居社・瀬社・泉社・乙咩社・大根川社・妻垣社・小山田社）を巡った後、宇佐神宮の本殿に納められるそうです。
薦神社の内宮である三角池には、八幡大菩薩修行の際に湧き出た池という伝承があります。
宇佐宮の祢宜 大神諸男（おおがのもろお）は三角池の前にて祈願をした処、池一面に波が湧きかえり雲の中から「我、昔（三角池に自生している）この薦を枕とし百王守護の誓を起こしき。百王守護とは凶賊を降伏すべきなり」とご神託を頂いたとされ、この真薦こそ神の依り代にふさわしいと持ち帰り、体を清め自ら御験の制作にあたりました。
◆ご祭神
本殿 - 15代応神天皇（おうじんてんのう/八幡大神）
比咩大神（宗像三女神）
息長帯比売命（神功皇后）
八坂社（祇園社） - 素盞嗚尊（すさのおのみこと）
若宮社 - 仁徳天皇、他四皇子
比咩大神とは宗像大社（福岡県宗像市）にお祀りされる宗像三女神のことで、沖津宮（沖ノ島）の田心比売命（たごりひめのみこと）、中津宮（福岡県大島）の瑞津比売命（たぎつひめのみこと）、辺津宮（へつみや）（同県宗像市田島）の市杵島比売命（いちきしまひめのみこと）を示します。
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