【トトリノカミ/オオクニヌシに嫁いだ女神】
トトリノカミ(鳥取神)は『古事記』によると、ヤシマムヂノカミ(八島牟遅能神)の娘とあり、オオクニヌシの六番目の妻(最後の妻)とされている女神です。
オオクニヌシの系譜に連なる十七世神(とおまりななよのかみ)の一柱とされている神様でもあります。
オオクニヌシの后神は以下の女神達です。
・ヤガミヒメ(因幡の女神)
・スセリビメ(根の国の王スサノオの娘/正妻)
・カムヤタテヒメ(コトシロヌシの母)
・ヌナカワヒメ(タケミナカタの母)
・タキリヒメ(宗像三女神でスサノオの娘)
・トトリノカミ(トリナルミの母)
オオクニヌシの最初の妃が「稲羽のヤガミヒメ」で、「稲羽」は「因幡」とも表記され現在の鳥取県にあたり、最後の妃が「トトリノカミ(鳥取神)」というのも、なんだか不思議な縁を感じますね。
この神の名称は「鳥取神」の他に、鳥耳神(とりみみのかみ)、鳥甘神(とりかいのかみ)などとも表記されることがあり、鳥と関係の深い女神様であると考えられ、オオクニヌシとの間にトリナルミノカミを産んだとされます。
古代日本において鳥は現世と霊界を繋ぐ役割があるともいわれ、死んだ人間の霊魂を霊界まで案内するという信仰もあり、『古事記』で葬式を描写する際も何種類かの鳥が出てきています。
「鳥を捕まえ飼うこと」は神聖なことであり、トトリノカミの名は「鳥を捕まえること」あるいは「鳥に関係する神事」から来ていると考えられています。
古代には鳥取部という部族がいて、鳥取部は水鳥を捉える職業から来た名とされます。ちなみに捕らえた鳥を育てるのは鳥飼部(鳥養部)です。
【系譜】
オオクニヌシの妻
ヤシマムヂノカミの子
トリナルミの母
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