【ハヤサスラヒメ/罪穢れを祓う祓戸四柱の女神】
ハヤサスラヒメ(速佐須良比売神)は、『古事記』や『日本書紀』には記載のない神名ですが、全国の多くの神社で奏上される『大祓詞(おおはらいのりと/おおはらえのことば)』に神名があり、罪穢れを清め給う神様である「祓戸四神(はらえどよんしん)」の一柱です。
6月末に「夏越しの大祓(なごしのおおはらえ)」、12月末に「年越しの大祓(おおはらえ)」として年に二回、全国各地の神社で『大祓(おおはらえ)』の神事が執り行われ、参拝者は茅の輪くぐりなどをして、半年間で溜まった身の穢れを清めますが、日本の神道祭祀において「祓(はらえ)」や「禊(みそぎ)」の概念は根幹をなすもので、イザナギが黄泉から帰って来て禊祓(みそぎばらえ)をする事で生まれたのがアマテラス、スサノオ、ツクヨミといった三貴子と呼ばれる尊い神々である点を見ても「祓(はらえ)」の重要性が分かります。
また、お祓いで使う「祓幣(はらえぬさ)」は、祓戸大神(はらえどおおかみ)の依代(よりしろ)となるもので、幣で「左、右、左」と振ると、罪穢れが清められるといいます。
祓戸大神は祓戸四神とも総称される「祓(はらえ)」を象徴する以下の神々です。
・セオリツヒメ
・ハヤアキツヒメ
・イブキドヌシ
・ハヤサスラヒメ
前述の『大祓詞』には、この祓戸四神の罪穢れを祓う様子が記されていて「地上にある罪穢れを川の神セオリツヒメが大海原に持ち出して、海の女神ハヤアキツヒメが罪穢れを飲み込み、イブキドヌシが根の国底の国に息吹き放つ。そして最後に根の国、底の国に住まうハヤサスラヒメが、罪穢れを持ちつつ、さすらっていると罪穢れが無くなってしまった。」とあり、ハヤサスラヒメはその神名の通り、イブキドヌシが吹き放った罪・穢れを持ち出しさすらって無くすことで、私たちと地上の罪・穢れを祓ってくださる重要な役割を担う神であります。
【ハヤサスラヒメが祀られる神社】
日比谷神社(東京都港区)
佐久奈度神社(滋賀県大津市)
地主神社(京都府京都市)
その他、全国の祓戸神社など
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