【紅葉八幡宮（もみじはちまんぐう）】（福岡市早良区）
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紅葉八幡宮は、文明14年（1482年）、筑前国早良郡橋本村（現西区橋本）に土着した陸奥国（今の宮城県）刈田の住人・柴田繁信（しばたしげのぶ）によって八幡宮が建立されたのが始まりとされています。
柴田家の先祖は陸奥国柴田郡の豪族で、一説には越後国（今の新潟県）柴田の人ともいい、故あって一族郎党を引き連れて筑前橋本に流れ着き、郷の八幡宮の分霊をこの地に向かえ社殿を建てたと伝えられています。
以来、橋本村一円の鎮守神として尊崇を集め、江戸時代には橋本村で生まれ育った福岡藩の3代藩主・黒田光之（くろだみつゆき）の産土神として、この八幡宮は藩より格別の崇敬を受けてきました。
境内の北側あたりに、黒田藩主の別荘茶屋があり、光之公はこの地で幼時を過ごしたことから今もこのあたりを「お茶屋の内」といいます。
黒田騒動が起きた時、八幡宮の氏子が光之公をお守りしたこともあり、産土神様として崇敬が篤く、藩主就任を祈願され、以後黒田家および藩守護神として御参拝が慣例となりました。
寛文6年（1666年）8月、藩主光之公は祈願成就の御礼に、橋本村より西新百松原の地へ遷宮し、社殿の造営もおこなわれ藩内有数の大社となりました。
「黒田家譜」「筑前國続風土記」には、藩内飢饉、疫病流行の時に藩主が祈祷をおこなったことや、御神刀、鎧、絵馬、三十六歌仙額等の奉納のことが記され、藩主よりの奉納の品々は、数えるに隙間なしであったと伝えられています。
大祭の日には、福岡城は登城御免（藩の休日）とし、藩主は、婦人、家臣団共々御参拝され、玉串を捧げられました。
大祭の奉納神事として猿楽、流鏑馬、相撲等の奉納があり、藩主はその際に特設の桟敷からその様子を観覧になられ、この時だけは民も特別に一緒に観ることが許されたそうです。
江戸期においては黒田家からの崇敬をうけ、紅葉八幡宮は広壮なる社殿、能舞台、随神門、鐘閣を有し、東の筥崎、南の太宰府、西の紅葉と賞されていましたが、明治の世になり田地、山林、社領すべてを返上。
その後、明治43年に北筑軌道が境内を横切る形で鉄道が引かれ、それまでの静粛さが失われたこともあり、大正2年（1913年）10月16日、現在地に移転しました。
移転する前の旧紅葉八幡宮正面にあった杉山神社は、僅かに移転しているものの今も西新の地に鎮座しています。
大正11年（1922年）4月29日には県社に昇格し、現在でも西新地区の鎮守神として、西新・藤崎地域の住民の崇敬を受け、町も発展していきました。
なお紅葉八幡宮が移転した後の橋本地区には、現在では新たに橋本八幡宮（福岡市西区）が鎮座しています。
◆ご祭神
・神功皇后
・応神天皇
・菟道稚郎子命
大己貴命・稲倉魂命・事代主命等12柱
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