【シナツヒコ/風の神様】 | 八百万の神の浮世絵師 持田大輔

八百万の神の浮世絵師 持田大輔

日本最古の歴史書『古事記』を題材に絵を描き活動しています。
八百万の神々が織りなす天地創造、天岩戸伝説など神様の喜怒哀楽が記された神話を少しでも多くの方に知って頂きたいと思います。

【シナツヒコ/風の神様】

 


@art.mochida.daisuke
風の神様シナツヒコ(志那都比古神)は、『古事記』では、

 

イザナギとイザナミが夫婦の契りをして産んだ神々の一柱が風の神シナツヒコです。


『日本書紀』では、イザナミが朝霧を吹き払った息からシナトベ

 

たの名をシナツヒコ(級長戸辺命またの名を級長津彦命)が産まれたとされています。


名前の「シナ」は、「シ」が風の古語とも「息」ともいわれ

 

「ナ」が「多い」や「大きい」という意味を持つので、

 

「大風」あるいは「大きな息」の神様とも読め、

 

古代日本人は風を神様の息と考えていました。

『日本書紀』にあるシナトベは女神とされることもあり、

 

神社によってはシナツヒコの姉または妻ともされています。


本居宣長(もとおりのりなが)の『古事記伝』では、

 

師である賀茂真淵(かものまぶち)の説として、

 

「本来は男女一対の神であり、それが同一の神とされるようになった」とあるので、

 

シナツヒコとシナトベが男女一対の夫婦神とも考えられます。

古代の日本人は、風の神シナツヒコ神が風を起こし淀んだ空気を祓ってくれる

 

有難い面があると信仰していましたが、

 

逆に暴風は大きな被害をもたらすものとして恐れ敬ってもいました。


古代人は祈りを捧げ恵みの風を待ち、暴風が鎮まるのを待ったのでしょう。

また伊勢神宮(三重県伊勢市)には内宮の別宮に風日祈宮(かざひのみのみや)、

 

外宮の別宮に風宮(かぜのみや)があって、

 

どちらもシナツヒコ(男神)とシナトベ(女神)を祀りしています。

 

風日祈宮は元々「風神社」と呼ばれていましたが、

 

元寇の際に神風を吹かせたのは風神社の神であるとされたことから、

 

「風日祈宮」の宮号が宣下されました。


稲作にとっては重要な風の神様がシナツヒコなので、

 

農耕に都合のよい風雨をもたらす神であることから、

 

伊勢神宮の外宮の境内別宮である風宮では、風日祈祭が行なわれ、

 

神嘗祭(かんなめさい)で懸税(かけちから、稲穂)が供えられるなど重視されてきました

ただ、稲作にも風は必要ですが、風の恩恵をもっとも受けたのは鍛治、

 

製鉄の技術を持った一族だったと考えられ、

 

古代たたら製鉄(製銅も含む)には風の力が不可欠です。

 

木炭の燃焼では製鉄に適した温度まで上がりませんが、

 

ふいご等を使って風(空気)を十分に送る事で、

 

製鉄に必要な温度まで高める事ができます。

 

のように古代より製鉄と風が密接な関係だったのもあり、

 

風神が祀られる地域には鍛治神も祀られてるようです。

龍田大社(奈良県生駒郡)のご祭神はアメノミハシラ(天御柱命)

 

クニノミハシラ(国御柱命)ですが、社伝や祝詞では

 

アメノミハシラはシナツヒコ、クニノミハシラはシナツヒメのことで、

 

龍田の風神としてお祀りされていて、風鎮大祭も行われています。

【系譜】
イザナギ、イザナミの子

・シナツヒコを祀る神社
龍田大社(奈良県生駒郡三郷町)
風日祈宮(三重県伊勢市)
風宮(三重県伊勢市)
大嶽神社(福岡県福岡市)
風水神社(福岡県久留米市)
宗像大社境内大神神社(福岡県宗像市)
綾部八幡神社(佐賀県三養基郡みやき町)
爾自神社(長崎県壱岐市)
風宮神社(熊本県阿蘇市)
三澤神社(島根県仁多郡奥出雲町)
都波只知上神社(鳥取県鳥取市河原町)
惣社神社(滋賀県草津市)
他、全国の神社
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