侵入者 | うねる風 踊る月 ウタウ草

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生きることは表現すること

 

6月10日 無名劇団 無名稿「侵入者」 
遅くなりましたが、観劇してまいりました。
前回の「出家とその弟子」とは打って変わってカラフルではない感じでしたが、無名劇団独特の鬱屈した感じはそのままに、現代と戦争時代を明確なコントラストはあまりつけずに行き来する演出が素晴らしかったです。
 
自分とは何なのか
どこからどこまでが自分のもので
どこからどこまでが他人のものなのか
他人が作り上げたものを己の稼ぎで手に入れて果たしてそれは自分だけのものなのだろうか
他人から何の影響を受けることなく生きていくことなどあり得るのだろうか
SNSのリツイートやシェアがいい例えかもしれない。
 
100%自分というものがこの世に存在するとしたらもしかしたらそれは、
自分の精子と自分の卵子で受精し、自分が作った言葉を話し、自分で成長し、自分で衣食住すべてをまかない、自分で死ぬのだろう。
無論、後には自分が作ったもの以外の一切が残らないのだろう。
 
詰まる所、人は人と混ざり合って当惑しながら生きていくしかないのかもしれない。
等と、考えさせられる作品でした。