昨日担当した患者様の話
この患者様は肩の腱板断裂により今月末に手術が決まっていました。
私の職場では、腱板断裂の場合、断裂サイズにもよりますが保存療法が第一選択肢になっています。
3ヶ月リハビリを行い、改善が得られない場合は手術が選択されます。
今回の患者様も例外ではなく、まずは保存療法が選択されました。
リハビリを始めて1ヶ月ほど経った頃、患者様の満足度が低いことと、画像所見から、Dr.は手術を勧めました。
患者様は悩みながらも手術を選択しました。
手術決定から当日まで1ヶ月半ほど期間があり、その間リハビリを続けました。
現在では上衣更衣時の引っ掛かり感が残存する程度になっていました。
私は昨日メイン技師の代診として、初めてリハビリを担当したわけですが、その時に患者様は「手術しないとだめなのかしら?」と言いました。
ここでの対応がとても難しいと感じたのです。
患者様の意思決定は、インフォームドコンセントに則り、様々な医療従事者から情報を得た上で選択されるべきです。
したがって、Dr.の意見もメイン技師の意見も私の意見も同等に患者様は知る権利があります。
ただし、問題なのは既に手術が決定していることです。
既に患者様がインフォームドコンセントに則り意思決定をしたのであれば、私が患者様を混乱させるような発言をすることは避けるべきです。
それに反して、パターナリズムモデル(父権主義)により手術が選択されたのであれば、患者様が納得した上で手術を選択されるように情報を提供しなければなりません。
そこで、まずは患者様の思考とDr.の思考、メイン技師の思考を考えてみました。
患者様の思考は
・現在日常生活に満足している
・手術により引っ掛かりが確実になくなるのであれば、手術しても良い
・Dr.が手術というのであれば、手術をするしかないと思っている
・一度手術を決めたあげく、今更キャンセルするのはDr.に申し訳ないと思っている
・手術が怖い
Dr.が手術を勧めた理由は
・断裂部位に毛羽立ちがあるため、保存療法では引っ掛かりはなくならない
・患者様は満足しておらず、引っ掛かりをなくしたい願望が強いと感じている
メイン技師の思考は
・患者様は満足しており、手術は必要ない
・ただし、Dr.が患者様と手術という意思決定をしたのであれば、その意思決定に口を挟むべきではないと考えている
ここで私が感じたことは、①患者様の意思決定はどちらかというとパターナリズムモデルに近い形で成されていること、②手術は必要ないのではないかということ、③理学療法士はどういう立ち位置で患者様の意思決定に関わればいいのか、です。
結局、③の答えは出ないまま、私個人の意見は伝えずに、Dr.に全てを話して決めるように勧めました。
正直なところ、手術後のリハビリで引っ掛かりを解消する自信がなく、そのこともDr.に確認するようにと言いました。
患者様が診察に入る前に、電子カルテ上で申し送りをしました。
その後の診察で、患者様は手術を選択されました。
患者様が納得したうえで、手術を選択されていた様子だったのでほっとした反面、
私の対応は正しいものだったのか、もっと良い対応があったのではないか。
どうも気持ちがすっきりしません。
この教訓から得たことは、
・この患者様が手術を選択して良かったと思えるように、術後のフォローを徹底すること
・医療における患者の意思決定の現状と課題、理学療法士などコメディカルとしての患者の意思決定への関わりかた、に関して勉強すること
勉強した内容やこの患者様の経過も随時ブログにアップしていきます。