こんにちは。日本選手のメダルラッシュに沸いたミラノ・コルティナ冬季オリンピックが、約2週間の会期を終えて閉幕。されど、祭りの後の静寂も束の間で、引き続き同地でのパラリンピックがスタートし、さらには、野球のWBCもプレイボールと相なって、逸早くスポーツ三昧の春爛漫となった観があります。ところで、2月7日付の日本経済新聞朝刊の23面に<金メダルの原価、20年前の8倍に>なる見出しの記事がありました。金相場が高騰を続ける折も折、さもありなんと誰もが反応するであろうことは間違いなく、オリンピック開幕日の朝に、至ってタイムリーな記事と感じた次第です。とはいいながら、対象が五輪の金メダルとなれば、その価値を巡っては、単に金融マーケット次元の尺度のみならず、スポーツ医学やトレーニングに用いるメソッドの高度化・先端化などの事情を加味すると、到底8倍くらいでは収まらない、甚だしいレベルの上振れをはらんでいると見て、あながち勘違いでもないように思います。いずれにしても、90超の国・地域からオリンピックに参加して、熱戦を繰り広げた選手各位、誠にご苦労様でした。
今回のブログは、「どれくらいの長さの木用ビスを、どれくらいの厚みの板材に使うか」、その最もシンプルにして明快なセオリーについての内容でお届けします。
<刺さる>という本来の意味からちょっと離れた言葉遣いが方々で多用されています。要するに「棘が刺さる/刃物が刺さる」などが本来の意味であるのに対し、受け身の立場で捉えて、惹き付けられたり、共感させられたりしたメンタリティが<刺さる>、もしくは、<刺さった>心の状態であるような訳です。先般、異例の超短期決戦で執り行われた選挙に際しても、「公約が有権者に刺さった or 刺さらなかった>と述べるコメントを、随所で耳にしたような気がします。つまりは、選挙公約のような性格のメッセージであるなら、<刺さる>ということは、メッセージの送り手が受け手の心をキャッチし、(実際の投票行動に反映されるかはともかく)しっかりと掴み取り、その結果を保持することに成功したと考えらえます。このような<刺さる>現象の仕組みは、芸術などのコンテンツを通してや、企業が出す広告やマーケティング活動の領域にも見られ、広く人間の社会活動全般に付随するものに他なりません。
一方、木用ビスによる木材同士の締結では、確実な固定が得られるよう、ビスの打ち込みを介して、上に欠いたような<刺さる>にも似た強い作用をつくり出す必要があります。そのために必須となる要件は、幾つか挙げられますが、最もシンプルにして明快であるといえるのが、ビスの長さと木材=板材の厚みに関し、踏まえておくべき基本的なセオリーです。すなわち、それは、強度と施工性を高める観点から「どれくらいの長さのビスを、どれくらいの厚みの板材に使うか」の選択に重なります。このような前提に立って、一般的に使われている実務的な目安を挙げるならば、あらまし次の通りです。まず、一丁目一番地ともいえるポイントは、ビスが主材に続いて入る相手材に対しても、充分な長さで食い込んでいるかどうかで、これが何よりも増して先に来るトップブライオリティとしなければなりません。具体的にいい換えると、ビスが相手材に入り、12mmから20mm以上のストローク(食い込み長さ)を確保して打てているかを見極める判断です。さらには、ビスの直径=ねじ径を元に当該の長さを導くと、ねじ径の6倍から10倍が相当となります(例:φ3.5mmのビス→ 3.5 × 8 ≒ 28mm/φ4.0mmビス→ 4.0 × 8 ≒ 32mm)。上に書いた考え方を主材の厚み寸法ごとに整理し、推奨値を一覧にしました。
但し、あくまでも標準的な推奨値なので、相手材が薄い合板や集成材などの場合は、ビスが裏抜けしないよう考慮して、長さの調整をはかる必要があります。
さて、事情を住宅などの建築用途に特化して見ると、上の推奨値をそのまま当てはめることはできません。要するに、満たすべき耐久性のレベルが、家具や建具に比べて、より一層シビアであるためですが、留付材に打たれたビスが下地材に入って、20mmから30mm以上となるストローク(食い込み長さ)の確保が必須であり、これが建築分野における指標とされています。

以上、「どれくらいの長さのビスを、どれくらいの厚みの板材に使うか」につき、最もシンプルにして明快なセオリーを、やや概略的ながら、ひとまとめにしました。
とはいえ、当該のテーマも至って奥行きが深く、ビスの径と木材の硬軟にまつわる関係や、下穴を開ける工程の必要性など、踏み込みをしなかった事項が残っており、特に後者は、下穴不要をメリットと謳うタピックスを抱えた八尾製鋲としては、少々、慎重に見解の発出を行わなければならず、その結果、奥行きの深部を残す、あらましのまとめに留めた次第です。今回の積み残し分に関しては、当ブログにおいて、同じテーマでの第2回・第3回を追々にも継続して打ち出し、ものづくりの核心に<刺さる>、しっかりとした方法論の形成に努めたいと考えます。
