#1
芦辺拓の『奇譚を売る店』読了。
改訂版『殺人喜劇の13人』が発売されている芦辺拓の一面、幻想ホラー小説の面の世界を収めた連作集。
ここのところ、この手の幻想ホラーを読んでいなかったので、十分堪能させていただいた。すべての話が主人公が古本屋で思わぬ掘り出し物を手に入れてしまったところから始まる。
わたしはせいぜい「ダブって買っちまった!」ぐらいなものだが、本書では取りつかれた様に過去の精神病院のミニチュアを作ってしまったり、名前も忘れ去られていたカストリ雑誌にエログロ探偵小説を連載していた作家や、買い逃した下巻を探して生活破綻をきたしたりと、目も当てられない出来事に巻き込まれてしまう。
最後の話は書痴にとっては耳に痛いというか、苦しい話。まぁ、そうなんだけれど、とうなづきながらも何ともいや~な気分に。
「ははん、こうなるな」とラストを予想しても、うまくはぐらかされること請け合い、すべてがすべてではないですが。
本書はまさに古書として購入した本の一冊。残念ながら人を惑わせる古本屋は近所にないのである。
奇譚を売る店/光文社

#2
エミリー・セントジョン・マンデルの『ステーション・イレブン』読了。
これは読み終わるまでが長かった。インフルエンザで人類の99パーセントが死亡し、文明は崩壊……。
文明崩壊の中心に、その後の世界を描いた女性の指揮者を団長として旅回りの楽団(劇団)の旅の物語。
崩壊の直前に死亡した老俳優と周囲の人々とのメロドラマ、そしてふたりの男の目に移った崩壊のしてゆく日々。
この3つパートがモザイクのようにちりばめられて、ストーリーが進行する。わたしはメロドラマの部分で少々時間を食ってしまった。
カナダの小さな島から飛び出して、有名俳優となりつつ、2度の離婚を経験した俳優と、最初の妻の出会いと別れの話は、どうにもこうにも食えない。
ただこのエピソードが本書のストーリーに深くかかわる私家版コミック『ドクター・イレブン』につながっているので、無視はできなかった。
読み終わって、ようやく「面白かったぁ」と思えた一冊である。
楽団が『スター・トレック ヴォイジャー』のセリフをモットーにしていたり、登場人物のひとりがエンタープライズ号(どの機体だろう)の模型を大事にしていたり、本書のタイトルが宇宙ステーション、ディープスペース・ナインに似ているなど、作者が『スター・トレック』のファンだろうなぁ、と思うところがところどころに。
本書のストーリーにしても、楽団そのものが宇宙をさまよう宇宙船そのものであるし、彼らが立ち寄る集落は惑星、楽団員たちの間に色々なドラマが存在し、集落の人々の間にも葛藤や疑念が浮かぶ。
そして、彼らが向かう先には、宇宙港ならぬ大型施設が待ち受けている……。
そう思うと、老俳優は宇宙に浮名を流したカーク提督(艦長)のようにも思える。彼にも別れた妻のもとに息子がいなかったけ?
場所は宇宙と地球で異なるものの、遠く離れた場所に不安とともに生きる人々の元ををまわる楽団の姿に、エンタープライズ号とそのクルーを当てはめて読んでもおもしろいかもしれない。
ステーション・イレブン (小学館文庫)/小学館

¥950 Amazon.co.jp
#3
小原猛・文、三木静・絵『琉球妖怪大図鑑』全2巻 取り寄せにて購入。出版元が琉球新報社なので、Amazonでも下巻はマーケットプレイス扱い。幸いジュンク堂で取り寄せが可能だったので購入。沖縄妖怪の本はすでに発売されているが、本書はその増補・集大成版といったところだ。
芦辺拓の『奇譚を売る店』読了。
改訂版『殺人喜劇の13人』が発売されている芦辺拓の一面、幻想ホラー小説の面の世界を収めた連作集。
ここのところ、この手の幻想ホラーを読んでいなかったので、十分堪能させていただいた。すべての話が主人公が古本屋で思わぬ掘り出し物を手に入れてしまったところから始まる。
わたしはせいぜい「ダブって買っちまった!」ぐらいなものだが、本書では取りつかれた様に過去の精神病院のミニチュアを作ってしまったり、名前も忘れ去られていたカストリ雑誌にエログロ探偵小説を連載していた作家や、買い逃した下巻を探して生活破綻をきたしたりと、目も当てられない出来事に巻き込まれてしまう。
最後の話は書痴にとっては耳に痛いというか、苦しい話。まぁ、そうなんだけれど、とうなづきながらも何ともいや~な気分に。
「ははん、こうなるな」とラストを予想しても、うまくはぐらかされること請け合い、すべてがすべてではないですが。
本書はまさに古書として購入した本の一冊。残念ながら人を惑わせる古本屋は近所にないのである。

- ¥1,620 (これは新品の値段ですよ)
Amazon.co.jp
#2
エミリー・セントジョン・マンデルの『ステーション・イレブン』読了。
これは読み終わるまでが長かった。インフルエンザで人類の99パーセントが死亡し、文明は崩壊……。
文明崩壊の中心に、その後の世界を描いた女性の指揮者を団長として旅回りの楽団(劇団)の旅の物語。
崩壊の直前に死亡した老俳優と周囲の人々とのメロドラマ、そしてふたりの男の目に移った崩壊のしてゆく日々。
この3つパートがモザイクのようにちりばめられて、ストーリーが進行する。わたしはメロドラマの部分で少々時間を食ってしまった。
カナダの小さな島から飛び出して、有名俳優となりつつ、2度の離婚を経験した俳優と、最初の妻の出会いと別れの話は、どうにもこうにも食えない。
ただこのエピソードが本書のストーリーに深くかかわる私家版コミック『ドクター・イレブン』につながっているので、無視はできなかった。
読み終わって、ようやく「面白かったぁ」と思えた一冊である。
楽団が『スター・トレック ヴォイジャー』のセリフをモットーにしていたり、登場人物のひとりがエンタープライズ号(どの機体だろう)の模型を大事にしていたり、本書のタイトルが宇宙ステーション、ディープスペース・ナインに似ているなど、作者が『スター・トレック』のファンだろうなぁ、と思うところがところどころに。
本書のストーリーにしても、楽団そのものが宇宙をさまよう宇宙船そのものであるし、彼らが立ち寄る集落は惑星、楽団員たちの間に色々なドラマが存在し、集落の人々の間にも葛藤や疑念が浮かぶ。
そして、彼らが向かう先には、宇宙港ならぬ大型施設が待ち受けている……。
そう思うと、老俳優は宇宙に浮名を流したカーク提督(艦長)のようにも思える。彼にも別れた妻のもとに息子がいなかったけ?
場所は宇宙と地球で異なるものの、遠く離れた場所に不安とともに生きる人々の元ををまわる楽団の姿に、エンタープライズ号とそのクルーを当てはめて読んでもおもしろいかもしれない。

#3
小原猛・文、三木静・絵『琉球妖怪大図鑑』全2巻 取り寄せにて購入。出版元が琉球新報社なので、Amazonでも下巻はマーケットプレイス扱い。幸いジュンク堂で取り寄せが可能だったので購入。沖縄妖怪の本はすでに発売されているが、本書はその増補・集大成版といったところだ。