#1
3月に入ったので、読書メーターのデータを基に、先月読了した本とコミックを並べてみた。 ここにはないコミックが2冊ある。1冊は『名探偵マーニー』の最終巻。それから『だがしかし』の第1巻である。
『だがしかし』はいつの間にか人気沸騰のようで、書店で見つけて買ってみたら、第5刷というから驚いた。読む際は手元に大空文庫の『まだある。 駄菓子編』を手元に置いておくと、一層おもしろく読めること間違いなし。コミックの中でも、毎回駄菓子や玩具の説明をしているが、『まだある。』では、カラー写真入りで紹介しているものもある。また、今後どんな駄菓子が『だがしかし』で紹介されるかなぁ、などと思いつつ『まだある。』を読んでみるのも面白いと思う。
2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:10冊(『名探偵マーニー11巻』、『だがしかし1巻』を含む)
読んだページ数:2156ページ
怪奇幻想の文学〈2〉暗黒の祭祀 (1979年)の感想
『怪奇幻想の文学』2巻目は黒魔術(儀式)がテーマ。巻頭の解説は澁澤龍彦が担当。サバトと黒ミサの違いや歴史を丁寧に紹介している。収録作には、ラヴクラフト、ダーレスやマッケン、ダンセイニ卿、ジェイムズ、ブラックウッドなど日本でも著名な作家の作品が並ぶ。他のアンソロジなどにも含まれる作品が多いが、並べて読み比べるとまた違う面が見えるのがアンソロジの面白さ。『暗黒の蘇生』、『シルビアはだれ?』の2作は女性作家が筆を執ったもので、儀式(まじない)が心に沁みて幻想的恐怖を発芽させる面白い作品だった。
読了日:2月7日 編者:紀田順一郎/荒俣宏
新装版 栞と紙魚子4の感想
栞たちの学友が主人公となる切り口の新しい短篇や、弁天様、管狐使いの家族、オタクな稲荷等、新登場のキャラが集まる連作モノと、ラストスパートがかかる最終巻。あ、因みに「井の頭」のお稲荷さんは、こぢんまりとしていて、低い鳥居に頭をぶつけたことがある。バチだったかなぁ?
読了日:2月8日 著者:諸星大二郎
スピ☆散歩 ぶらりパワスポ霊感旅 3 (HONKOWAコミックス)の感想
お伊勢様と大湯環状列石の取材は、日本人の信仰の根幹に触れるような内容。自然現象に素直な心で向き合った古代の人々、それを元にして技術として、思想として洗練させたお伊勢様。南総、日本寺に出現したMr.ダイダラたちも、物質的な身体は持たないけれど、自然の中ではぐくまれた命と意思と言うものでしょうか。SFに登場する純エネルギ生命体なども、このようなものかもしれません。行き着く未来は始原につながる、そんな印象を受けましたよ。同じ神を祀れども、おわすものは場所ごとに異なるというのは、アニミズムな多神教といったところ?
読了日:2月8日 著者:伊藤三巳華
ビギナーズ 倫理学 (ちくま学芸文庫)の感想
ビギナーズ、とは考えることの入り口ということを意味するのだろう。倫理について、歴史と考え方の別に、簡潔に解説と問いかけが記されている。ページ数は多くはないが、立ち止まって考えるぶん時間がかかる。毎度引き合いに出しているが、エンデいわく、「人は常に考え続けなくてはならない」。本書はそのことも教えてくれる。
読了日:2月11日 著者:デイヴロビンソン
かめ探偵K (メディアワークス文庫)の感想
『かめくん』でSFファンの耳目を集めた作者の、「かめ」を主人公に据えた長編の第2弾。主人公の「かめ探偵K」は「かめくん」とは対照的な存在。かめくんは自分の存在意義を忘れ、目的を忘れ、町の片隅にひっそりと存在し、言葉を話せないかわりにワープロで自分の体験を書いてゆく。一方探偵であるKは、すべてを知っているようだ。事件の真相ばかりではなく、彼が存在する世界、語り手である「旧世界座」の管理者を含めた世界のすべてを。作者の他の作品を読むと、その答えが朧に見えてくる。あくまで朧だ。それは本書の終わりにも似ている。
読了日:2月18日 著者:北野勇作
十の罪業 RED (創元推理文庫)の感想
長編より短いから読み易いなんて大間違い。よい中編は冗長な作品よりも無駄なく濃厚で、1作読んでも心地よく疲れる。馴染みの顔もあったが、ノンシリーズの作品は新しい出会いとして期待感に胸を膨らませて読んだ。初っ端のエドマクの『憎悪』はまさに現在起きていてもおかしくない米国都市の民族と宗教の対立を扱った作品。小気味いい『金は金なり』、サスペンスドラマそのもの『ランサムの女たち』、歴史小説として読み応えのある『復活』、米国同時多発テロを知った殺し屋の心境の変化を丁寧に描いた『ケラーの適応能力』以上5編を収録。
読了日:2月26日
聖☆おにいさん(11) (モーニング KC)の感想
久々、巻き込まれる一般人が少なかった、神々しい第11巻。キャラが変わったユダはちょっとついていけなかったわぁ。ユダを改心させかかった保地先生は見てみたかったな。ストイックさが暴走する仏弟子、殉死すらギャグにする使徒、下界のゲームに巻き込まれてゆく大天使と天人たち、絆の深い堕天使と孤独な悪魔……と書いているとなんだか大変な終末小説のようだな。そうなのか? 新たな千年紀は終末への序……いやただの立川の日常か。
読了日:2月26日 著者:中村光
FKB怪幽録 奇々耳草紙 (竹書房文庫)
前シリーズが4(死)冊になったので、仕切りなおして新シリーズの1冊目。内容はストレートな祟りや呪いよりも、「なんでそんなことが起こったんやぁ!」と突っ込まずにはいられない、もしくは突っ込むスキマもない奇々怪々な話のオンパレード。ホームレスが見守る中、泳いで川を遡る巨人。潰れた喫茶店と奇妙な警官。知っていたはずの街並みが突然知らない街になり、親しかった人々の中身が、違う誰かと入れ替わる。そんな不気味で説明の付かないのが、著者が選ぶ怪談の風味である。「実話怪談っていってもねぇ」と、読まず嫌いな方は、怪談と思わずに、不条理小説掌編集と割り切って読んでも面白いだろう。もっとも、そんなことが自分の身に起こってほしくはないですけどね、
読了日:2月28日 著者:我妻俊樹
読書メーター
3月に入ったので、読書メーターのデータを基に、先月読了した本とコミックを並べてみた。 ここにはないコミックが2冊ある。1冊は『名探偵マーニー』の最終巻。それから『だがしかし』の第1巻である。
『だがしかし』はいつの間にか人気沸騰のようで、書店で見つけて買ってみたら、第5刷というから驚いた。読む際は手元に大空文庫の『まだある。 駄菓子編』を手元に置いておくと、一層おもしろく読めること間違いなし。コミックの中でも、毎回駄菓子や玩具の説明をしているが、『まだある。』では、カラー写真入りで紹介しているものもある。また、今後どんな駄菓子が『だがしかし』で紹介されるかなぁ、などと思いつつ『まだある。』を読んでみるのも面白いと思う。
2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:10冊(『名探偵マーニー11巻』、『だがしかし1巻』を含む)
読んだページ数:2156ページ
怪奇幻想の文学〈2〉暗黒の祭祀 (1979年)の感想『怪奇幻想の文学』2巻目は黒魔術(儀式)がテーマ。巻頭の解説は澁澤龍彦が担当。サバトと黒ミサの違いや歴史を丁寧に紹介している。収録作には、ラヴクラフト、ダーレスやマッケン、ダンセイニ卿、ジェイムズ、ブラックウッドなど日本でも著名な作家の作品が並ぶ。他のアンソロジなどにも含まれる作品が多いが、並べて読み比べるとまた違う面が見えるのがアンソロジの面白さ。『暗黒の蘇生』、『シルビアはだれ?』の2作は女性作家が筆を執ったもので、儀式(まじない)が心に沁みて幻想的恐怖を発芽させる面白い作品だった。
読了日:2月7日 編者:紀田順一郎/荒俣宏
新装版 栞と紙魚子4の感想栞たちの学友が主人公となる切り口の新しい短篇や、弁天様、管狐使いの家族、オタクな稲荷等、新登場のキャラが集まる連作モノと、ラストスパートがかかる最終巻。あ、因みに「井の頭」のお稲荷さんは、こぢんまりとしていて、低い鳥居に頭をぶつけたことがある。バチだったかなぁ?
読了日:2月8日 著者:諸星大二郎
スピ☆散歩 ぶらりパワスポ霊感旅 3 (HONKOWAコミックス)の感想お伊勢様と大湯環状列石の取材は、日本人の信仰の根幹に触れるような内容。自然現象に素直な心で向き合った古代の人々、それを元にして技術として、思想として洗練させたお伊勢様。南総、日本寺に出現したMr.ダイダラたちも、物質的な身体は持たないけれど、自然の中ではぐくまれた命と意思と言うものでしょうか。SFに登場する純エネルギ生命体なども、このようなものかもしれません。行き着く未来は始原につながる、そんな印象を受けましたよ。同じ神を祀れども、おわすものは場所ごとに異なるというのは、アニミズムな多神教といったところ?
読了日:2月8日 著者:伊藤三巳華
ビギナーズ 倫理学 (ちくま学芸文庫)の感想ビギナーズ、とは考えることの入り口ということを意味するのだろう。倫理について、歴史と考え方の別に、簡潔に解説と問いかけが記されている。ページ数は多くはないが、立ち止まって考えるぶん時間がかかる。毎度引き合いに出しているが、エンデいわく、「人は常に考え続けなくてはならない」。本書はそのことも教えてくれる。
読了日:2月11日 著者:デイヴロビンソン
かめ探偵K (メディアワークス文庫)の感想『かめくん』でSFファンの耳目を集めた作者の、「かめ」を主人公に据えた長編の第2弾。主人公の「かめ探偵K」は「かめくん」とは対照的な存在。かめくんは自分の存在意義を忘れ、目的を忘れ、町の片隅にひっそりと存在し、言葉を話せないかわりにワープロで自分の体験を書いてゆく。一方探偵であるKは、すべてを知っているようだ。事件の真相ばかりではなく、彼が存在する世界、語り手である「旧世界座」の管理者を含めた世界のすべてを。作者の他の作品を読むと、その答えが朧に見えてくる。あくまで朧だ。それは本書の終わりにも似ている。
読了日:2月18日 著者:北野勇作
十の罪業 RED (創元推理文庫)の感想長編より短いから読み易いなんて大間違い。よい中編は冗長な作品よりも無駄なく濃厚で、1作読んでも心地よく疲れる。馴染みの顔もあったが、ノンシリーズの作品は新しい出会いとして期待感に胸を膨らませて読んだ。初っ端のエドマクの『憎悪』はまさに現在起きていてもおかしくない米国都市の民族と宗教の対立を扱った作品。小気味いい『金は金なり』、サスペンスドラマそのもの『ランサムの女たち』、歴史小説として読み応えのある『復活』、米国同時多発テロを知った殺し屋の心境の変化を丁寧に描いた『ケラーの適応能力』以上5編を収録。
読了日:2月26日
聖☆おにいさん(11) (モーニング KC)の感想久々、巻き込まれる一般人が少なかった、神々しい第11巻。キャラが変わったユダはちょっとついていけなかったわぁ。ユダを改心させかかった保地先生は見てみたかったな。ストイックさが暴走する仏弟子、殉死すらギャグにする使徒、下界のゲームに巻き込まれてゆく大天使と天人たち、絆の深い堕天使と孤独な悪魔……と書いているとなんだか大変な終末小説のようだな。そうなのか? 新たな千年紀は終末への序……いやただの立川の日常か。
読了日:2月26日 著者:中村光
FKB怪幽録 奇々耳草紙 (竹書房文庫)前シリーズが4(死)冊になったので、仕切りなおして新シリーズの1冊目。内容はストレートな祟りや呪いよりも、「なんでそんなことが起こったんやぁ!」と突っ込まずにはいられない、もしくは突っ込むスキマもない奇々怪々な話のオンパレード。ホームレスが見守る中、泳いで川を遡る巨人。潰れた喫茶店と奇妙な警官。知っていたはずの街並みが突然知らない街になり、親しかった人々の中身が、違う誰かと入れ替わる。そんな不気味で説明の付かないのが、著者が選ぶ怪談の風味である。「実話怪談っていってもねぇ」と、読まず嫌いな方は、怪談と思わずに、不条理小説掌編集と割り切って読んでも面白いだろう。もっとも、そんなことが自分の身に起こってほしくはないですけどね、
読了日:2月28日 著者:我妻俊樹
読書メーター