絵下山を源流とする「深山の滝」は2つある。
平成25年6月15日。O副隊長、KK隊員、NH隊員とともに、「深山の滝」を両方見るツアーを敢行した。
絵下山東麓にある矢野川の「深山の滝」と、南麓にある大屋川の「深山の滝」がある。
私たちは「矢野の深山の滝」、「焼山の深山の滝」といって区別しているが、話はしばしば混乱する。山道の案内板も、2つあることはまったく考慮せず「深山の滝」と表示しているものが多い。
江戸時代に広島藩が編集した「芸備諸村瀑布図 」(広島市立図書館HP)において、「深山の滝」は、矢野の滝(左)である。
一方、焼山の滝と思われる滝(右)は、「大屋村の滝」とされている。大屋村とは滝の下流部、呉市天応地区である。また、「芸藩通誌」には「姫摺(ひめすり)の滝」と記されているとのこと。悲しい姫君の物語を伴う立派な名前があるのに、いつなぜ、混同しやすい「深山の滝」と名づけたのだろうか。
「芸備諸村瀑布図」には、県内46件の滝が描かれている。絵下山の二つの深山の滝が両方ともエントリーしていることは、うれしい。
1 焼山の深山の滝
9時15分、焼山から天応に抜ける車道脇に整備された駐車場に到着。
滝までの山道は、舗装こそされていないが平坦で広い。
ゆっくり7分ほど歩くと、見えてきた。
巨大な滝。焼山の深山の滝である。
15メートルほど垂直に落ちる水が、ガーーーーっという音を遠くまで響かせている。
太陽を背に滝つぼに近づくと、虹が見えた。
NH隊員とO副隊長は、靴を脱いでいた。
深さは膝ほどしかなく、恐怖を感じるほどの水量でもない。二人はどんどん、滝に近づいて行った。
あああ、はしゃぎすぎ。
私とKK隊員は、心配しながら、20分ほど水遊びに付き合った。
帰り道の堰堤に、なぜか錦鯉がいるのを観察したりしながら(結構高い~)、10時10分、ようやく駐車場を出発した。
2 矢野の深山の滝
10時20分、矢野側に到着。
キャンプ場には、数家族の親子が野外活動を楽しんでいた。
キャンプ場から下に下りると、矢野の深山の滝。写真には撮りにくいが、滝はかなり上から続いている。焼山が「荘厳」とするなら、矢野は「優美」である。
滝つぼの木の葉を集めて、下流に流す。夏休み前には、地域の人で清掃する機会があるらしいので、そこそこで良いと思っていたのだが、この手の作業は、一旦手をつけるとやめられなくなる。
特に、KK隊員とNH隊員は無言で作業に取り付いた(「とりつかれた」というべきか)。
途中からキャンプ場に来ていた家族が下りてきたので、遊んでもらう。ヤゴやカニを発見して、子どもたちも喜んでいた。
(このグループの皆さんが、川にペットボトルで生き物を捕る仕掛けをしていたのを、知らずに壊してしまっていました。ごめんなさい。でも、ここには魚はいないと思うよ。)