第84回アタック「寺屋敷の未確認道」 | ニュータウン裏山探検記

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やのみー探検隊が行く!
by Yanomii Tanken-Tai

 平成23年4月30日のお昼、寺屋敷エリアの未確認道を確認に行くことにした。

 東麓駐車場の下から龍野山に登る道が枝分かれしている。龍野山に初めて登ったときに分岐点をみつけ、その後、寺屋敷の五月台団地の公園に山から下りて来る人がいるという情報を得た。きっと、これはつながっていると思った。


 正午過ぎ、東麓駐車場に車を置き、登山口に。「龍山・中野山登山口」とマジックで書かれた白いアクリル板がある。

 この「龍山」という名前は、現地の何か所かに表示されているが、本来は「龍野山」あるいは「竜ノ口山」というべきであろうと、地元通の読者に教えていただいた。
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 間もなく、その分岐点。前に行けば龍野山である。左にアクリル板とビニールテープがある。因みにアクリル板の文字は完全に消えている。「寺屋敷団地」とでも書いてあったのではないかと考えた。
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 荒れ気味の道で、久しぶりにナタを手にした。何も書かれていないアクリル板やテープに従って、しばらく下る。しかし、行き止まりになってしまった。
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 うろうろしていると、北側の開けた場所に出た。寺屋敷集会所の裏手に広がる開発地である。おそらく民有地だと思う。しかし、五月台団地とは方向が違う。

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 行き止まりの位置に戻り、諦めて引き返そうとしたとき、やぶの中に白いアクリル板が見えた。南側の谷に向かっておりる道のような場所が見えた。方向的には合っている。かなり急だったが、下りてみた。

 するとまた、急な斜面をまっすぐ登る道があった。這い上がるように登ると、また滑り落ちるような下り坂。

 確かに道があり、真新しいペンキの印がある。谷底の岩には赤ペンキで「山」と矢印が書いてあった。
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 また登ると尾根の位置には境界杭のようなものがあり、「山」と書いてある。周りはすべて「山」だが、山と何の境界なのだろうか。
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 また急な斜面を下る。3回目の谷、沢と小さな滝があった。

 正面にはまた急な上り坂。沢に沿った道はないかと、水に濡れた岩の上を歩いていたら、滑って手をつき、軍手がベチャベチャになってしまった。

 結局、また急斜面を登る。
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 尾根に上がると少し景色が見えた。五月台団地が見える。随分歩いたように思っていたが、行き過ぎてはいないようだ。しかし、そろそろ団地方向に向かう道が見えてほしい。

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 また下るが、道はまっすぐ斜面の上に…この道は一般の登山道ではないようだ。山の職業の人が使う道ではないだろうか。

 何度も帰ろうと思った。6回目の谷底に下りて、また登り斜面を見たとき、「戻ろう!」とつぶやいた。

 時間を見るともう40分も歩いている。戻るとなると、またあのきつい登り下りを40分歩くことになる。もしかしたら、もうすぐなのかもしれない。この斜面の向こうから五月台団地に向かっているのかもしれない。

 迷ったが「よし」と言って、きびすを返した。

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 帰り道。シダをつかみながら登り、転げ落ちるように下った。小さな切り株でスネに軽いケガを負った。出血はしなかったが、山に登り始めて、初めての負傷である。

 風が木々を鳴らし、怖くなってきた。戻ることを早く決断すればよかったと後悔しながら戻った。


 しかし、行きよりはかなり早く感じた。ようやく最初に行き止まりだと思った場所に戻った。この白いアクリル板にはいったい何が書いてあったのだろう。

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 登山口の案内を見て気づいた。写真には撮りにくいのだが、アクリル板には、なんと「入山禁止」という文字がうっすらと残っていた。

 途中のアクリル板も「入山禁止」の表示だったのか。
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 帰ってGPSのデータを見たら、五月台団地の近くまでは行っていたようだ。もしかしたら、もう少しで団地に向かう道があったのかもしれない。

 しかし、この道は地図に書き込まない方がいいかもしれない。
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