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回想法でボケ防止

 諸説ありますが、ボケが脳の老化によって起こるということは、反論の

しようがありません。


 つまり、現実としてどんな人でも「ボケない」とは言い切ることは出来ない

ということです。


 近年、ボケの問題は世界的にみても大きな問題であるので、ボケを防いだり

進行を遅らせるための方法が数多く試されています。


 中でも「効果的である」とされるのが、最近、日本でも注目されるようになって

来た「回想法」と呼ばれる方法です。


 

 歳を重ねるごとに、新しい事をなかなか覚えられなかったり、最近の出来事を

すぐに忘れてしまったりするものです。


 しかし、多くの場合、遠い昔の出来事については良く覚えているものです。


 回想法とは、遠い昔の出来事(古い記憶)を思い出してもらって、語ってもらう

という方法です。


 昔のことを語ってもらうことによって、年配者が「当時の生き生きとした自分」

の姿を思い出すと、それが心理的な支えになることがあります。


 そして生きる意欲を取り戻したり、心の安定を得ることが出来るものです。


 

 カウンセリングの場合、いきなり昔話を語ってもらおうとしても、聞かれた方も

何の話を思い出せば良いのか戸惑ってしまうため、小道具(呼び水)を活用しま

す。


 多くの場合、昔の写真(何でも良いので、昔の写真を持ってきてくださいと言って

おきます)を持ってきてもらい、その写真を手がかりにして当時のことを思い出して

もらいます。


 身近なお年寄りが昔話を語りだしたら、うるさがらずに耳を傾けてあげて欲しいと

思います。



記憶力の減退を補う方法

 歳をとれば物忘れが増えるとしても、少しでもそれを減らしたいと思うのは

当然ですね。

 では具体的にはどうしたらいいでしょうか。

 今回は行動療法の応用として活用した方法を書いてみます。

 物忘れを防ぐ一般的な方法としては、メモや手帳を利用することを勧めることが良くあります。

 ところがメモや手帳に予定などを書いておいても、物忘れはそれほど減らないものです。

相談者からは「手帳のどこに書いたのか忘れてしまった」「メモや手帳を持ってくるのを忘れた」「持っているのに見るのを忘れてしまった」・・・

 このような言い訳を良く聞きます。

 アドバイスをするポイントは3つあります。

 第一に、メモや手帳をいくつも使うのでは無くて、必ず1つにしましょうということです。

 

1つに絞ることで、どこに書いたのかを忘れてしまうということは防げるわけです。

 第二に、メモや手帳を持っていくことを忘れない工夫をします。

たとえば、玄関に目立つように置いておく。あるいは履いていく靴の中に入れておく。 

こうして持っていくことを絶対に思い出すようにしておきます。

 第三に、メモや手帳を1日に何度もチェックする習慣をつけることです。

 これまでやった方法の一つに

「手帳を見る」とポストイットに書いて腕時計に貼っておくというものがありました。

この相談者は「時計は必ず何回も見る」と習慣化されていましたので、活用したケースです。

 このように、要は自分の記憶力をあてにせず、忘れないように、二重三重に工夫することが大切ということです。

 次回は「回想方によるボケの予防」について書きます。

臨床ケース1(回想法:ボケを防ぐには)

 相談に来てくれる方のなかで「自分はボケているのでは」と心配している方は

少なくありません。


 今回は記憶力の減退について書いてみます。


 一般に、歳をとるにつけて誰しもが記憶力の衰えを感じるものです。

とりわけ人の名前や地名、映画やテレビドラマのタイトルなどの固有名詞の度忘れ

が多くなって来たと感じるのではないでしょうか。


 このような記憶力の衰えは、脳の神経組織の老化にともなって、だいたい40歳くらいから誰にでも起きるものです。


 ここで気をつけていただきたいのは、ボケと呼ばれる痴呆状態が脳の病気であるのに対して、物忘れというのは脳の機能の問題で、歳をとれば誰の身にも起こるということです。


 現時点では、ボケにつながる症状の中ではアルツハイマー症が良く知られています。

 

 古いデータで恐縮ですが、1990年(厚生省調べ)のデータによれば

ボケと呼ばれる痴呆症は約100万人で、うち3分の2がアルツハイマー症と言われています。


 予想ですが、2020年には痴呆症は300万人に急増して、65歳以上の10人に1人は痴呆症になると言われています。


 

 アルツハイマー症は、病的な物忘れ症状から始まり、症状が進むにつれて妄想や徘徊などが起こり、家族でも手が付けられない状態になってしまいます。


 今のところ、アルツハイマー症については、解明されておらず分からない事の方が多いものです。


 しかし、普通に歳を取ることで増える物忘れとは明らかに違うことは確かです。


 次回は記憶力の減退を補う方法について書いてみます。


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