文化というのは、言語と習俗を源としている。
というのは当たり前のことなのかもしれないけれど、
最近はそれを強く感じる。
一方で、変容し続ける人間の営みの中で、
古い慣習や概念が打ち壊されていくのは、
これもまた自然なことなのだろう。
習俗というのは、いってみれば、
宗教的儀式や概念の連続の中にあるのだと思う。
そう、難しく捉えているとかではなく、
日本人の大半は、お盆に休むし、秋祭りをするし、
彼岸に墓参りをしたりする。
これは、神道や仏教に連なる儀式であり、
それが風俗となり、習慣化したものだ。
マジョリティとはいえ、マイノリティを否定するのは違うと思うので、
多様な価値観、多様な様式を需要しながら、
日本らしい、日本国民のあり方というのが、
長年掛けて構築されてきた結果が、現代であり、未来も同じように続くのだろう。
とはいえ、日本人の道徳心というのは、
宗教の影響力の衰退とともに、弱体化してきている、とも感じる。
僕は基本的には保守的な思想なので、
割と新しいものに対する許容範囲は狭いかもしれない。
昔はよかった、とは思わないが、
文化が衰退していると感じるのは、寂寥感があるものだ。
価値観の多様性の許容というのは難しいテーマだと思う。
例えば、女人禁制の宗教施設が、女性差別だとして、
女性解放団体から、圧力を掛けられる、
という話を聞いたことがあるが、
これはいかがなものかと思う。
自己の権利を認めさせるために、
違う価値観のものに対して、思想を強制する、というのは、
本来のウーマンリブとは程遠いものだと思う。
違う風習、違う文化というのは、
時には奇怪に見えることがある。
そして、その本質を見極めるということは、
非常に難しい。
例えば、イスラム教だからテロを起こすのではない。
結局は、自分にとって有害か、無害か、
近寄っていいものか、遠ざけたほうが良いものか、
そのような判断を個々人で勉強して、
対応していくしかないのだろうと思う。
ステレオタイプ的に判断をして、
やたらと否定と攻撃を繰り返す、なんていうのは、
保守の本道ではないと、僕は信じている。
真に多様な価値観が共存し、
平和である社会、というのは、永遠の幻想で、
中二病に近い妄想なのかもしれないが、
人類が本当に過去から進化しているのであれば、
早くそういう「和」を尊ぶ人間たちのあふれる
社会になってほしいものだ。
ん?
なんか文章が硬いな。
どうした?
星の子 今村夏子
朝日文庫
今秋に映画が公開されるそうです。
そんなのとは関係なく、裏のあらすじを見て購入。
新興宗教にのめり込む両親の元で育つ
子どもを主人公に、周りとの関わりの中から、
主人公の成長と変化を描く、といった感じ。
芥川賞候補になったということだそうで、
確かに、エンタメな構成でもなく、
主人公の心の機微と変化、
周囲の人物との関わりなど、
繊細にかかれています。
会話文でテンポを作っている感じで、
地の文少ないので、読みやすいけど、
僕は好きな文体ではないかな。
でも、読みやすいので、
結構一気読みできる本だと思います。
エンディングに賛否やいろいろな解釈があるようですが、
終わり方としては文学的でいいと思います。
なにも、明確なオチを付けたり、
エンタメ的などんでん返しばかりが本ではない。
読む人によって印象にかなり開きがでるのではないかと思いますが、
僕はいい本だと思いました。ありがとうございました。