明けましておめでとうございます。
私はここ数年正月は日本で過ごし
農暦の旧正月も日本で仕事が入る時は
こちらを優先して故郷に帰りません。
家族親戚の集う席を長らく
ご無沙汰しているのも心苦しいのですが、
帰ったら帰ったで諸所への年賀に転手古舞させられ
チケット代とお年玉の出費もばかになりません。
去年の仕事は見込みから外れて終わっただけに
今年一年のメシのタネはどうしたものかと
腐心するのが自営業という生き方で
正月特番を観ながら煎餅かじるほどの
余裕はまだ私にはないようです。
とは言いつつ単に煩わしさに耐えない性分なだけですが。


大学時代から続けてきた私なりの年越しスタイルがあります。
それは大晦日に読書しながら過ごすことで、
読む本も普段手に取るのが億劫な
骨太かつ難解な思想本や歴史書、
学術研究本などに決めています。
今まで共産思想批判の文献やGHQの占領政策研究、
敗戦国家の戦後処理の比較などを
除夜の鐘ならぬ除夜の書として読んできました。
まだまだ書生の心持ちで生きていかなくてはと
自身の知見と器量の小ささを痛感しながら
年を明かしていく塩梅です。
先の年末は山内昌之の『イスラームとアメリカ』を読みました。
米国内のムスリムコミュニティと
イスラム世界の世俗化・民主化を中立公平に評した、
約20年も昔の古書ですが山内教授の
簡明で知的な日本語で綴られた良作です。

 

私はイスラム諸国の経済が発展し
社会が変革する過程で
日本の企業が果たす役割があると
現地をひと通り駆けずり回ったうえ確信しているので、
内陸の四川省でいちごを植えながら
同時に東南アジア一帯のイスラムマーケットを
次の一手にと睨んでいます。
富作りに精を出している彼らの
目に留まるような手土産を用意してやるのが
さしずめ私のなすべき事前準備でしょうね。
実入りが期待できる手堅い商売をやりつつ
日本の中小企業の間口を広げるのに今年一年を使います。


年明けの度にいちいち「新年の決意」を捻り出すのは
ものぐさな私にはこの上なく苦痛だったので
大学時代に「日本の活路を探す」と
一回決意してから数年間ずっと同じ決意で通してきました。
賞味期限の短い「新年の決意」を
毎年のように机の前に張り出さなくても済みます。
日本の生き抜く道を真剣に考える憂国の士よりも
私は愚直に実行する人でありたいです。


今年も目を皿にして日本の活路とメシのタネを探していきましょう。