私が北京に行く前のことです。
お仕事で知り合った女性 I さんが、お母様のお体のことで相談にのってほしいということで、お二人で養生院にいらっしゃいました。
お母様はリンパがんで、抗がん剤治療をされていらっしゃるとのこと。とてもがんばって治療を続けているけれど、抗がん剤の副作用で、脱毛や吐き気があり、食欲がなく、眠れない、最近は体力が落ち、また、口内炎ができて困ってらっしゃる、とのことでした。


抗がん剤を使うと、こちらのお母様のような症状が出たり、身体がだるく、唾が出なくなり、便秘になるなど、つらい思いをする方が少なくありません。

当養生院では、こうした抗がん剤治療の副作用を軽減するための7つの方法をお教えしています。加えて、お一人お一人の体質、症状を丁寧にうかがって、その方に合った養生法をご指導しています。その際、私の中国でのがんセンター等での勤務経験も生かしてアドバイスさせて頂いています。


この日、I さんのお母様は1時間ほど私のカウンセリングを受け、養生法を学ばれた後、薬効の高い植物を成分とするお茶や枕、そして布団を求めて帰られました。

そうして、3週間ほどたって、先日、お母様が養生院にお見えになられました。おしゃれをされ、笑顔で、前回よりとてもお元気そうです。お話をお聞きしましたら、「口内炎がなおり、食欲が出てきて、お食事もとれるようになりました。また、髪の毛もほとんど抜けなくなり、白髪が多かったのに黒い髪の毛が生えてきたんです。夜寝る時も咳が出なくなり、ぐっすり眠れるようになりました」とのこと。「今回の抗がん剤はとてもラク」とうれしそうです。養生のためのお茶や、食養生(食事療法)、枕療法などで、徐々に体調が改善され、これに加え、食事や睡眠を充分にとれるようになったことで免疫力が上がってきたのだと思います。


CTや血液検査の結果もだんだんと良くなってきているとのことで、お母様も、ご家族の皆様も安心され、これからも前向きに病院の治療に取り組みたいとおっしゃっています。