早朝、震度4の地震が来て飛び起こされたりする飛騨の山中で
物好き3人が集まりガスまとわりつく四ツ岳を目指しました。
一昨日の降雨でパウダー皆無を覚悟してましたが、
山の上部では予想を裏切る新雪に会い、緊張する場面や
雪スプレーを撒きあげるシーンを演出して降りてきました。
 
2011年2月27日(日)
四ツ岳 北東のカール状地形まで
天気:晴れ後曇りとガス
メンバー:powpowsnow, gezanka, maoyuki
 
6:25         平湯キャンプ場駐車場出発
11:30頃-12:00  四ツ岳 北東のカール状地形
2:30頃       駐車場着
 
当初焼岳の白水谷を滑ろうということでお誘いメールを二人に出したが
金曜正午の平湯周辺は気温6℃で降雨量1mm位、西北西の風。
土曜は晴天で雪解けも進む。予想からして焼岳の北面は危いのではとの判断から
山域変更を決断した。二人ともOKということで当日朝に四ツと決定する。
 
朝6時前に安房トンネル平湯側のアーケードー付きWC前で3人合流し
キャンプ駐車場へ移動し出発。
前日入山者のトレースがあり楽勝と思いきや
初っ端の小沢の登りからカリカリバーンでそうは問屋がおろさない。
板を背負う者、シール歩行だがズリズリ滑りを辛抱する者も出て皆難儀する。
大滝川越え直後の尾根取り付きもやっかいだった。
天気は青空も時たま見れる位この頃はよかった。
 
北コース北東コース分岐のコルまで2時間足らずを要す。
ここで二人に提案する。
前日トレースが北東コースに向かい進んでいるならそのまま利用。
向かってないなら北コース(ノーマルルート)で途中まで上がり、
北東コース寄りに進路を変えて行く。
下りは北東コースの沢滑降を想定して事前に下部で登り返しトレースを
付けておきたい・・・という計画だ。
分岐から少し進むとトレースは北に向かっていた。
ここで二人の承諾を得て事前トレース工作に向かった。
危ない片斜面のトラバース、雪割れした沢の巻きルートや登り返しのルート工作などして
この時は準備万端のつもりでいたが結局下りの途中で間違ってることが発覚。
1時間の無駄使いになってしまった。
 
トレース続く北コースの尾根に取り付き樹林帯の中、高度を上げて行く。
天気は悪化してきて大崩山山頂部はガスの中になった。
いつしかクラスト雪面も柔らかくなり滑りに期待が持てそうになる。
気を良くしていたがオレは二人についていけなくなった。
少し危ない目に会ったルート工作により足の方が終わり感有りで歩が出ない。
やっと追いついた時には出発で「待ってくれ-」である。
ここは奥の手を出すしかない。
ゼリー+アミノ酸飲料で30分後に発起し追いつく手に出た。
 
数十分後、樹林帯を抜けてガス巻くダケカンバ帯に入り東側へとすこしづつ進路を変えて行く。
エネルギ補給作戦が功を奏したか、それとも待っていてくれたのかはわからないが
やや風強いチョイヤバのトラバース斜面で追いつく。
その斜面割と急で足下間違えれば20-30mはゆうに滑落するだろう。
雪面がしっかりしているのでバランスさえ崩さなければ問題無かったが
時々来る強風や雪面ズリ落ちでビビる。
その斜面もトラバースを渡りきったところで行き止まりになる。
前方は雪の段差高く降りれない。真下へ降りようにも崖だ。戻るか上へ登るしかない。
登りを選択したが狭い登り斜面なのでトップが滑落すると2番手3番手は
見過ごすわけはないから受けとめようとするだろう。
しかし停めれなかったら巻きこまれて崖から共に落ちるという悲劇になる。
ここは壺足で上部へ登るしかない。ストックを刺すとしっかり深い。
数分もがいても前進できないこともある。しかし耐えるしかない。
30mくらい登るとスキーでトラバース可の斜面に出る。ここもチョイヤバだが壺足よりマシだ。
 
緊張場面をやり過ごして北東コースのビューポイントになるカール状地形に出た。
ガスって視界200mくらいだがここまでくれば安心だ、しかも結構風強いのに寒くない。
コース上の目印になってる三角岩はどっちだろう?と目前を通り抜けるガスを見ていると
忽然と現れた。すぐにガスに覆われ見えなくなる。
少し離れて二人を見ると雪面にちゃんと座り、
まるで中東?西アジア?のカイラス山の巡礼者のように現れては消える三角岩を
凝視していた。(つまり写真撮りたかったの)
 
山頂へ行きたいがこのガスと風では楽しみの滑りもただの辛抱になる。
ここを最高点として滑降モードに切り替えるよう二人を説き伏せた。
下りは北コースの尾根東側の顕著な沢に入る計画だ。
二人は初めてのコースなので自分が先頭切って滑りだす。
 
初めはパックされた雪面だが疎林帯に入っていくとそこそこいい雪になった。
綺麗なパウダーではないが顆粒状の雪で表面下にはパウダーが残っていた。
3人とも奇声を上げたり、写真をとって降りて行く。四ツにして正解だった。
でも下りの沢コース取りで最後の登り返し地点をGPSで確認してると
工作した事前トレースの場所がてんで外れていることが分かりおジャンになる。
オレはいったい何をしていたのだろう。
 
次第に沢が狭くなりルンゼ状に狭くなって来ると雪面はソフトモナカになり
側壁からのデブリも混じる。
少しして前日のものと思われるシュプール有り。北尾根からの滑り込みだ。
追っていくと直ぐに北尾根へ戻っていた。
ここでもGPSで現在地確認すると事前に工作したトレースまで150m位の地点に居た。
間違ったトレースに乗る必要もないし、ここらへんで北尾根に逃げましょうとなった。
その思惑はピタリ当たって登りのトレースに出る。
分岐コルまでの間で男女のパーティに会う。北コースで上部まで行ったとのこと。御苦労さまです。
腹が減ったので分岐コルで遅い昼休憩にして山談義を長々とする。
 
そろそろ帰りますかでリスタート。
モナカの斜面を滑って大滝川を渡渉しベチャ雪になったトレースを
ワックス切れした板でいく。時々つんのめっては転んだりした。
最後の小沢で気の抜けた滑りをしてあとはキャンプ場までストックを漕ぎまくった。
 
駐車場にゴール。おつかれさん。後片付けしてるとポツリ・ポツリと雨が降ってきた。
いいタイミングです。
gezanka氏は急用ができて速攻で帰路につき、powpowsnow氏と自分は平湯の森へ
汗を流しに行った。
 
今回は行き先変更、無駄な工作などで二人には迷惑掛けた。
次回はもう少し精度いい計画を練ろうと思う。
でもついてきてくれるかなあ。
 
                       北コース(ノーマルルート)を登る   
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三角岩の巡礼者達?
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平湯温泉街(北東コースカール状地形下部より)
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そこそこな雪
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スプレー1
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スプレー2
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スプレー3
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スプレー4
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