社会民主主義、まさかの?漁夫の利となる! | ~アメリカに移住した日本人家族~

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気が付いたらいつの間にやら米国暮らしも延べ10年。。。日常生活やあからさまには言いにくいホンネをありのままに書いてます。ブログ主の身バレは厳禁・要注意。

今日は毒舌はないけど少し真面目に政治経済のお話です。

日経(Financial Times)の記事で今まで私も同じように感じていた内容が出ていました。



(著作権の関係上全ては見れません)


要約すると

・かつての共和党が掲げる小さな政府に反して、今回の武漢ウィルス騒動を機に国民へのヘリコプターマネー(ばらまき)のほか有給休暇や失業保険拡大など大盤振る舞いで財政緊縮の面影はない。
この動きで実質的に得をしたといえるのは民主党の極左バーニー(サンダース)で大統領選を争うバイデンでもトランプでもない。現に年初には考えられもしなかった社会民主主義的政策が次々と出て来て実行されようとしている。

~途中省略~
仮に共和党トランプが大統領選に勝っても現在の政治経済のムードでは大きな政府を抱える事になるだろうからバーニーが掲げてきた社会民主主義が現実化していくのだろう。

という内容。
これ、なかなか的を得ていると思います。
(まあバーニーの社会主義化と並行して、国境閉鎖による自国第一主義も公然お墨付きで実行しているから、トランプ政策の側面でも利点になってるけど)

数字だけ見ても$2T(220兆円)規模は驚異的、FRBもマーケットを支える買い入れで資産規模が急膨張し既に$5T(550兆円)に達しているのだとか。

恐らくこんな莫大な天文学的な数字を見てもピンとこないのが殆どだろうから既に感覚がマヒしています。

勿論今は武漢ウィルスの収束が最優先でマーケットや経済活動を盤石にする必要があるけど、打ち出の小づちがあるわけでは無いので結局は膨大な借金を膨らませてそのツケを払うしっぺ返しがいつか来るわけです。

そしてそのツケは将来の子供世代への負債でもあり、無責任に財政出動だけをイケイケでやる事のその先に何があるか分かっていない人が殆どのように思えます。

まあここまで負債が膨大・クレイジーなほどに膨らんでしまったら、まともに返済することもできなくなるだろうからいづれ国家として破綻するのかも知れません。
(これは日本も同じか更に深刻。何しろ日本の場合国債はほぼ国内で買われているけど、乱発で買い支えられなくなれば他国の機関投資家なんて買わないだろうからデフォルト=破綻の危険はますます高くなる。)

状況が沈静化すればまた経済活動が活性化する(それにより税収で賄える)と勘違いしている人もいますが、一旦このヘリコプターマネーや増額された失業保険に慣れてしまった人たちが元のように勤勉に働きだすかどうかは疑わしいです。

一度甘やかされてしまったら「貰えるのが当然」の感覚になり、しかも働かなくても生活していけるならそこに居留まって政府からの社会福祉にベッタリ甘えだすような人がどんどん増えてくるのが米国の病巣。

現にこれまでにもそんな社会主義的政策をどんどんやりすぎてマトモに勤労せずエセ低所得者としてベッタリな人が以前からも大量にいたわけで、今回の騒動でますますそんな国に対する「甘え」の大衆を大量に創出することは間違いないです。

そうなると、結局「勤勉に働いて相応に富を蓄積できる層」と「具堕落して常に社会保障に頼らざるを得ない層」の差が開き、後者(具堕落)がどんどん増えて来て、逆に勤勉に働き報酬を得る事があたかも悪のように思われる社会になるでしょう。
(もちろん、今までもそうだけど年俸が$10M=10億円とかを超えるような層はそもそも累進課税を強化して再配分すべきなのは事実だけど、これがハードワークで勤勉に努力した報酬の$150K=1500万円とかそれぐらいで「極悪人」扱いされて棒大な税負担を強いられるのは筋違い)

いづれにせよ一か月前には全く俎上にすらなかったような速度でポピュリズム政治がまかり通り、際限なく社会主義化が進んでいることに危機感を感じます。