最近の一連の経済不況で、いわゆる貸し渋りなるものがアメリカにも起こっていて、その中でよく聞かれる話が、学生ローンが今後借りづらくなると言う話。実際どこまでそれが起こっているのかはよくわかりませんが、今日はちょっと別の角度からの話を少し。

大体学生ローンというのは、卒業してから返済していくのが普通ですが、ここでポイントなのは、学生が大学に在籍していないということをどうやって判断するのか、ということです。日本と違って、アメリカは学生の移動率は非常に高いので、一つの大学からいなくなったからといって、それが必ずしもドロップアウトを意味しているわけではありません。

そんなわけで出てきたサービスが題名にもある「クリアリングハウス」という非営利組織。この組織はもともとローン返済者を特定するために、金融機関や政府などからローンを借りている学生のデータを集め、その学生が現在どこにいるかを特定するために作られたのですが、その政策への潜在的影響力に気づき、その後サービスをどんどん拡大していき、今では全米91%の学生の個人データがクリアリングハウスに存在しています。

クリアリングハウスによって大学は例えば、こんなことがわかります。

・誰がどの大学にトランスファーしていったか

・受験した学生で、入学しなかった学生がどこの大学に行ったか

こういう情報は大学の競争相手を知る上で非常に有用だといえます。

なんでこんな話をしているかというと、うちの州でもこのサービスをもっと積極的に使うべきだという話が最近出ているんですね。大学にだけではなく、政策にも与える影響が多いからです。例えば、州としての大学の卒業率も、大学の業績を図る上で最も使われている数値ですが、うちの州のデータベースだけでは、パブリックの大学から卒業した人しか把握することができず、実際よりも下回っているということは昔から指摘されてきました。でもクリアリングハウスを利用することによってより正確な数値がわかるようになります。

一時期、連邦政府が全米の大学生の全ての個人情報を集めるデータベースを作る動きがありました。それはクリアリングハウス自体の存在を脅かすことになりかねなかったのですが、私立大学からの反対が大きく、その動きはこの前の議会で完全にブロックされました。クリアリングハウスの存在感は今後益々増して行くように思います。