今日は今年最後のブログになります。

年末年始にかけてニューヨークに行ってきます。

ニューヨーク市の交通機関で働く人たちによるストライキが行われていて、一時はどうなることやらと思いましたが、それもどうやら3日間で終わったようで、かなりほっとしました。


ミネソタにいたとき、一度バスの運転手たちによるストライキがあったのですが、それは3ヶ月くらい続いたことがありました。もし3ヶ月もストライキがニューヨークで行われたら、一体世界経済はどうなってしまうんでしょうかね?


ところで、今日は今年最後のブログということなので、ちょっと自分にとっての2005年を振り返りつつ、来年のことを考えてみようと思います。


今の職場に移ってから5ヶ月、勉強の毎日でした。正直大学院時代よりもなんか勉強しているような気がします。ただ、今は自分はキャンパスで働いているわけではなく、州や国の大学教育政策の方に関わっているため、あまり学生や、大学のスタッフの人たちと会わなくなったので、それが若干寂しいといえば寂しいです。しかし、またいずれは、どこかの大学のキャンパスで働きたいとは思っていますし、今の仕事はキャンパスでまた働く際にものすごく役に立つことが多いので、しばらくは今の仕事を通じて自分の力をつけていこうと思っています。


自分にとって、来年の仕事上での目標はずばり、データベースの知識を深める、これにつきます。これに関するワークショップやカンファレンスにもどんどん参加していこうと思っています。しかしこれって、あまり政策とは関係ない、と思われる人もいるかと思いますが、ところがこれが大いに関係あるわけです。


現在、アメリカの連邦、州政府、その関連機関、大学機関のような公的機関では、データを重視した運営が主流となってきましたが、その上で課題になっていることの一つが、いかにDecision Makingをする上で有効な、かつ使いやすいデータベースを構築するか、ということです。僕もこのデータベースの構築という領域に対しては初心者なので、自分も理解しきれていない部分が沢山あるのですが、僕のわかっている範囲で説明してみます。


大学の次元で見てみると、まず、各大学はそれぞれ独自のデータを保有しています。これをData Warehouse(以下DW)と呼びます。このDWに様々なデータを保有するわけです。ここでまず多くの大学がぶつかる課題は、DWが複数存在してしまっている、すなわち、データが一箇所ではなく、各所に散らばってしまっているということが挙げられます。例えば、Admission Officeしか持っていないデータとか、奨学金課しか持っていないデータ、もしくはHuman Resourceしか持っていないデータなどがその例に挙げられます。そしてそれと同時に大学の中枢部もそれなりのデータはそろっているのですが、しかし全てのデータがそこにそろっているわけではありません。当然のことながら、これは組織が大きくなればなるほどその傾向は強くなります。


これは非常に非効率な状況なわけです。一番の欠陥は、自分が知りたいデータを手に入れるために、様々な手続きを踏んだりするなどして、めちゃくちゃ時間がかかってしまうことがあるわけです。


そしてもう一つは、一面から言えばこの方が厄介だと思いますが、データが各所に散在していることによって、「真実」が多数存在してしまう、ということになるわけです。これはどういうことかというと、例えば奨学金課が持っているデータがあるとします。そして、Admission Officeも似たようなデータを持っているとします。そして、大学の中枢も似たような、しかし多少定義が異なるデータを持っているとします。そうするとどうなるかというと、それぞれが独自のデータを持っていて、しかもお互いのデータの関連性がないので、共通の見解を持ちづらく、話し合いが停滞していまう状況をつくりやすいわけです。


ということで、現在多くの組織が、それぞれのDWの構造の見直しを始めている訳です。やはり経営にもスピードが求められている中で、今のDWシステムでは、役に立たないどころか、足を引っ張りかねません。


そのDW再構築の上で、大事なこと、それは「いかに多くの人に使いやすいDW」を作り上げるか、ということです。DWにアクセスする人は、大学中枢の人だけであってはいけません。もちろん全ての人に全てのデータをアクセスさせるわけにはいきませんが、現場の人であっても、その仕事を遂行する上で必要だと思われるデータにはアクセスさせるべきです。情報はより多くの人に共有することによって、その威力を発揮するわけです。今あるほとんどのDWは扱いづらいだけでなく、その使いづらさから、扱える人が自然と限定されてしまっています。


そしてもう一つは、様々なレベルの組織の運営に対応できて、かつ役に立つようなDWを作り上げること、です。現在はただデータをストックしているだけで、いわば寄せ集めのデータでしかなく、実際には多くの人にとっては使い物にならないという状況が多いようです。

なんか抽象的な話になって申し訳ないのですが、今自分の職場でも、そういうDW的なものを作ろうとしています。うちの職場は今まで様々な研究を行ってきましたが、そこで得たデータや、研究結果などをもっと社会に広く還元していこう、という方向に向かっています。そもそも大学とは次元が違うし、大学みたいな巨大なデータベースは持ちませんが、なるべく多くの人に使われて、かつ分かりやすいものを作る、という点では大学のDWと共通したものがあります。個人的には、この経験は今後の大学のDWのあるべき姿を思考する上で、個人的にも必ず役に立ってくると思っているので、今から来年が楽しみです。



このブログ、毎日多くの人が読んでくださっていますが、改めてこの場を借りて御礼申し上げます。コメントやメールでさまざまな意見を頂き、自分自身もかなり勉強になっています。今年の反省を活かして、来年はもっと質の高いものを目指していこうと思っていますので、どうぞこれからも応援の程よろしくお願いいたします。


皆様にとって2006年が最高の年になりますように・・・。