最近、昔からの友達と話す機会がありまして(といってもメールですが)、アメリカの大学院の話になりました。そういえばこの話はブログに触れてなかったと思ったので、今日はアメリカの大学院の学生について書こうと思います。あくまでも個人の経験の範囲ですが。
まず、アメリカの大学院といえば、高い学費で有名ですが、多くの学生は、Teaching Assistant(以下TA)をして学費を免除してもらっています。他にはResearch Assistantがありますが、それは別の機会に触れようと思います。
TAは一般的には、教授が受け持つ学部の授業をサポートをします。例えば、学部1-2年レベルだと、週に3回教授が大きい教室で講義をして、TAが週2回ディスカッションと呼ばれる少人数のクラスを担当したりします。または、一つの授業まるまる院生が担当するなんて事も珍しくありません。学部によっては、4年生レベルの授業ですらも大学院生が教えるなんてこともあります。さらに言えば、大学院の授業を院生が担当するなんてこともありました。さすがにここまで来ると金返せって感じですよね。
TAは授業のほかに、採点や、オフィスアワーなどを含めて週20時間働くことなっていますが、人によっては余裕で20時間を越えることも多いようです。特に、自分も授業をとったりしているので、学期末とかになると、かなり忙しくなる人が多くなります。
TAをすると、授業料免除のほかに、給料が貰えます。給料は時給単位であり、大体相場は1時間12-15ドルくらいのようです。ミシガン大学などは、大学院生に払う給料が高くて有名です。
最近の動きとして、大学院生のTAやRAで、組合をつくる動きが全国で見られるようになって来ました。記憶は確かではないのですが、ミシガン大学がその魁だったと思います。組合を組織することによって、大学と給料の交渉や、医療保障などの交渉をしたりするところが増えてきています。ミネソタ大学でも最近、組合が出来て、この秋学期からTAの時給が1ドル増えたと、今もそこでTAをやっている友達が喜んでました。
このTA、大学院生の教育の一環として、プログラムによっては必修としているところもあります。とくに、将来教授になりたい人が多く集まるようなプログラムなどは、暗黙の了解として、全員TAをやることが義務付けられたりしているところもあります。
TAの位置づけは、大学よりも、そのプログラムの方針によって全くその内容が変わってきます。教授のただの小間使い的な扱いのTAもあれば、上記のように将来を見据えての教育の一環としてのTAもあります。
これは、ミネソタ大学のあるプログラムのTAですが、毎年、このプログラムでは、コースを全て取り終えて、後は論文だけとなった人たちの中から、毎年一番優秀(論文などの実績を見て)な人を選び、その人に、自分の好きな授業をデザインさせて、学部生に教えさせるということを行っているそうです。それが出来るということは、その院生にとって名誉であり、就職にも繋がっていくことになります。
ところでこのTAというシステム、大学院生にとってはいいかもしれませんが、必ずしも学部生にとってプラスと働くとは限りません。確かに、学部生からしたら、年齢も近い院生の方が質問がしやすいとかなんていうメリットはあるかもしれません。しかし、ほとんどの院生にとっては、TAとはアルバイトの延長のようなものであり、教授のサポート役という形ならいいですが、そんな院生がまるまる授業を担当する、ということは、高い学費を払ってまで来た学生に対して失礼だと僕は思います。
アメリカの研究型大学のデメリットはまさにこの、学部教育の軽視、ということだと思います。そんな理由で、そんな学部教育軽視の研究型大学には絶対いかない、なんていう学生も結構います。リベラルアーツカレッジが、なんだかんだ言って根強い人気があるのは、学部教育に力を入れているからだと思います。
学生は、知識を吸収するだけではなく、それ以上のものを求めていると、僕は思います。
それにこたえることが教授の役割であり、またそれが大学教育の醍醐味なのではないでしょうか。