Firefox Developers Conference 2008 ~次世代 Web とプラットフォーム~
に参加してきた.

Firefoxの開発者ではないが,もぐりこんできた.
まぁ,将来の開発者(の候補(の可能性のある人間))ということで勘弁していただきたい.

参加者の顔ぶれをざーっと見ると,なんだか自分 and 専攻の人たちと似たような雰囲気の人が多い.
大学を出た後も,こういう雰囲気のところに居場所を作っておくと幸せかもしれない.
また,某社の僕でも顔をしっている人とか,記事でしか知らなかった人もいた.ちょっと芸能人を見かけた気分に近い.

午後のセッションだけに参加した.並行セッションで2会場あったが,今後の展望を語る発表よりも,今どうなっているのかを説明している発表を優先させた.まずは立ち位置をはっきりさせ,できる限りキャッチアップしていこうという目論見で.こういうぬるい態度だと,たいていどっかで置いてけぼりを喰らうんだけどね.

それはともかく.

B1: 「今すぐ使える HTML5 の新機能」
Michael Smith 氏 (W3C HTML作業部会担当)

道に迷って遅刻したので途中から.
まずはspecについての説明があった.今までは「これだけ読めばブラウザも開発できるよ全部入りバージョン」だけだったけど,HTML5では端折ったバージョンもちゃんと出すよ、ということらしい.
それから
・canvas:ダイナミックな画像や文字描画のネイティブサポート
・video, audio:動画と音声のネイティブサポート
・form:フォームの値のチェックのネイティブサポート
・offline web application の実現のためのApplication cache
・client-side data strage:cookieよりもいろいろなことができる(セッション情報の保持,SQL database strageとか)
のようなことは,Firefox, Safari, Opera(などの開発版)で導入されているので今から試せるらしい(一部例外あり).
また,プログレスバーを表示させたり,メニューを作ったり,ソート可能なSpreadSheetがネイティブサポートされるらしいが,まだ開発中とのこと.Smith氏はしきりにSpreadSheetを推してたな.

講演の言語について.英語を同時通訳してくれていたのだが,
1.英語でしゃべる
2.日本語で通訳
を順番に行っていくので,進みが遅かった.専門外の自分には同じことを2回言ってくれるので,咀嚼する時間がとれてよかった.英語の聞き取りミスも訂正できたし.一方で,やはり間延びしていたし内容が薄くなってしまっていた.仕方がないことだけれど.通常の半分しかしゃべれないもんね.知の構造化センターの講演みたいに,日本語で聞きたい人にはワイヤレスのレシーバーとヘッドフォンを渡して,そこに通訳さんがしゃべるというようにすれば解決するのだろうけどなぁ.そんなことすると,予算がかかりすぎるのだろう.管理する手間も.そう考えると大学って贅沢だよな.

B2: 「Firefox 3.1 の最新テクノロジー」
浅井 智也 (Mozilla Japan テクニカルマーケティング)

いやぁ,プレゼンテーションがうまいなぁと思った.
発表の流れをフルコースに例えて見せていた.つかみとして見せたいところ,じっくりと聞いてほしいところが前菜とかメインとして表現されていて聞きやすかった.気持ちもほぐれたし.
気になった新機能は以下の三つである:
・プライベートブラウジング:履歴を一切残さない
・Web Fontの使用:Web上にあるフォントをとってきて表示する
・TraceMonkey:新しいJavaScriptエンジン

 まず,プライベートブラウジングは図書館とか共用PCで使うときにぜひともほしい機能であった.これは早く広まってほしい.
 Web FontはFontの必要な文字だけダウンロードすることができる,Fontをダウンロードしている間にも,ローカルにある代替フォントで表示可能というところが親切でいいと思った.また,発表者の言うように,商用フォントを作ってるところは,サイトライセンスを提供すると新しい事業?になるんじゃないでしょうか.ただ,キャッシュに残ったフォントファイルをローカルのフォントとして使いまわすとかできるのではないか,とも思ったけど.
 最後にTraceMonkeyだけど,SpiderMokey + Tracing JITで構成されているらしい.SpiderMonkeyは,FirefoxのJavaScript処理系で,Tracing JITはAdobeのActionScript処理系TamarinのJITに拡張を施して流用したらしい.AdobeがこのJITをオープンソース化してくれたので誕生したのだとか.くっつけるにしても,なぜJIT部分だけを採用したのか,などの話が興味深かった.

 このセッションの最後の10分くらいは夏に6週間アメリカのMozillaにいってQAでのテスト開発にかかわった学生(修士一年!)の発表があった.すごいなぁ,とうなった.発表も聞きやすかった.もう少し,具体的な内容のことも聞いてみたかったが,10分では難しかったろう.

B3: 大ライトニングトーク
<司会> 小山 文彦 氏 (株式会社ゴーガ)

発表者の皆さんは個性的でとても面白い話が聞けた.プラグイン開発者やFirefoxの調査を行った人が一人5分で順番に話していく.スピード感があり面白かった.参加してよかったと思う.
特に裸電球さんの話,というか人物がよかった.

残念ながら,懇親会は満席だったので参加できなかったのですごすごと帰ってきた.
参加しても,自分のねたがないしね.常にネタを用意しておくって,重要だなぁ.

それにしても,世の中には面白い人たちがたくさんいるなぁ.

ああ,風邪ひいて喉が痛いし,今日は早めに寝よう.もう寝てしまおう.