11月4日,SF作家のマイクル・クライトン氏が亡くなった.

M・クライトン死去、66歳 ジュラシック・パーク原作者 

マイクルクライトンの小説は高校時代によく読んだ.

記事にある「アンドロメダ病原体」はその勢いのよさに引き込まれるようにして読んだ.
「スフィア」,「サンディエゴの十二時間」なんかが好きだった.
よく言われることだと思うが,氏は今の科学と空想の科学を組み合わせる点に関して達人的であった.
ジュラシックパークでは,琥珀に恐竜の血が保存されているという事実と遺伝子操作に関する研究動向+空想による拡張の組み合わせで恐竜を現代によみがえらせた.この研究動向の調査が肝をつかんでいてさらにわかりやすく表現されているので,その延長である空想部分へとすんなりと進むことができる.

そして,空想世界に入った後も,人物の表情や立ち振る舞いが視覚的に再現されるようで,割と気楽に楽しめる作品が多かった.
アシモフの「われはロボット」なんかは「ロボットの行動原理をこう定めるとこういう予期せぬ事態もあるよ」的な論理の組み立ての面白さを楽しむというところ大きいと思うが,マイクルクライトンの小説は単に冒険譚として見ても楽しめると思う.肩の力を抜いて楽しめる,エンターテインメントとしての小説で,堅苦しいのが苦手な僕にはとてもあっていた.


まだ66歳ということで,お若いのに惜しい人を亡くしました.
ご冥福をお祈りします.