●今回の全県遊説では、安倍さんの憲法9条改正についての前のめりな姿勢に対する懸念を、かなり厳しく訴えました。


そして、その際にかならず触れたのが、日米開戦50周年にあたる、今から22年前の1991年に、当時所属していた自民党の衆議院議員1期生の仲間と訪問した「硫黄島」の話でした。



●麻生副総理の指導よろしきを得て、安倍総理は「経済再生」を連発しています。


無駄を徹底して取り去る、そんなスローガンで出発した民主党政権は、基本的に禁欲的な政権でしたので、ストレスをためにためた財界や投資家そして不即不離の関係にある官僚のみなさんには、安倍政権の姿勢は大歓迎です。


それが株高や円安の背景でしょう。



●しかし、安倍さんの本音は、教育と憲法改正であることには変わりないと思います。


第1次安倍政権の時もそうでした。「美しい国」そして「戦後レジームからの脱却」、これが当時の安倍さんがしきりに強調したスローガン。


今から6年前の2017年当時のことでしたが、「日本を取り戻す」の今回と全く変わりありません。


●当時、私は安倍さんがしゃにむに通そうとした国民投票法案の参議院側の現場責任者でした。



最後の締めくくりの委員会審議の時に、「戦後レジーム」からの脱却とは、具体的に何を意味するのか。そのことについて、私は安倍さんと正面から渡り合いましたが、明快な答弁は一切得られませんでした。



自ら口にしたことの明快な説明もできない、さらには、憲法を論じる際に不可欠な、歴史認識についての明瞭な説明が国民にできない。



そんな総理は、憲法9条の改正を語る資格は、まったくないと思います。



●もちろん、私は、単純な護憲論者ではありません。


「首相公選論」や、「重要な国政問題についての国民投票法」、さらには、「知的財産権プロセスの憲法上の明記」をはじめとして、憲法改正の議論は積極的に進めるべきだと考えてきました。


しかし、平和主義と憲法9条は、憲法改正の最後のテーマとすべきだと考えています。



●さらに、憲法9条の議論を進めるためには、大きな前提があると考えてきました。


それは、多くの国民を犠牲にし、さらにアメリカ、中国、朝鮮、など交戦国のすべてにさまざまな惨禍を与えた過去の戦争の総括です。

これなしで、憲法9条の改正を行うことは、この国には許されないと私は考えています。



●私は、1991年9月13日、硫黄島を訪問しました。


日米関係の原点は硫黄島にあると考えてのことでした。


当時の自民党衆議院1期生の仲間に呼びかけ、自衛隊の入間基地から「C1輸送機」に乗り、硫黄島を訪問しました。


●偽装のために、直径50センチほどの狭い入口が5メートルほど続きます。


それを這いつくばるようにして潜り抜けて、やっと立ち上がれるようになります。


胸が圧迫され、息が詰まりそうになる、逃げだしたくても、前後に人がいるからどこにも逃げられない。



閉所恐怖症的な恐怖感が今でも20年を過ぎた今でも生々しくよみがえってきます。


火山島だから地熱があり、汗が噴き出す。

眼鏡がすぐに曇ってしまう。そんな劣悪な環境の中で、日本軍の兵たちは、17キロメートルの洞窟を掘り、アメリカ軍に対峙したのです。


食糧もない、武器弾薬もない、そんな状況で戦った一人一人の兵士を思うとき、本当に頭が下がります。


それと同時に、このような無謀な戦争を避けられなかった、この国の政治の弱さも痛切に実感されてきます。



●日本人は戦死者2万、戦傷者1千。アメリカ軍は、戦死者7千、戦傷者2万1千。


日米双方ともに死力を尽くして戦った太平洋戦争最大の戦跡を訪ねるとき、悲惨な歴史を二度と繰り返してはならないと痛切な思いにさらされます。



●新人物往来社から出版した最初の著作「クオヴァディス・ジャパン」には、同行の同期生の写真が掲載されています。


それを見ると、私以外に古屋圭司(国家公安委員長)、今津寛、中谷元(元防

衛大臣)、小坂憲次(元文科大臣)の各氏の顔が見られます。



また、このほかに岡田克也、岩谷毅などのみなさんも一緒だったと思います。



●誤りを繰り返さないための最大の方法は過去の歴史に対する反省しかない。


そして、憲法9条の改正を考える最大の前提条件は、過去の歴史の総括であると私は信じています。


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