●11月16日、野田総理は衆議院を解散しました。


民主党政権としてもちろん初めての解散権行使。

今回の解散をどうなづけるか、などについては私は、ほとんど興味を感じませんが、党首討論(QT)という開かれた場所で、国民が見ているテレビ中継の中で、解散権の行使を明言したのは、野田総理が初めてです。


そんな観点で、「史上初のQT解散」とでも名付けるべきだと思います。


そして、こういうことも、政権交代の一つの実績だったと思います。


【解散の評価は】


●解散権の政治的な機能から見て、今回の解散は合格だったかどうか、わたしにはそれが一番の関心でした。


その見地から言うと、今回の解散は、ねじれ国会で、何も決められなくなった国会を解散し、日本の政治状況を、一挙にリセットしました。


●解散の最大の政治的機能は、膠着した政治状況を打破し、一挙に新たな政治状況を作り出すことするなら、野田総理は、立派にその役割を果たしたと思います。


●さらに、党首討論という全国民が注目するなかでの解散を明言するという離れ業をやり遂げました。

野田さんは、かなりの度胸の持ち主ですね。

大胆かつ果敢な鮮やかさは、虚を突かれ、うろたえた安倍さんの対応と好対照でした。


【厳しい評価は、簡単には変えられないが】


●この総理の対応によって、多少は劣勢を跳ね返したことは確かだと思います。

 しかし、全面的に局面を転換したわけでないことは、明らかです。

 12月4日告示の総選挙は、民主党にとって大変厳しい結果となることは、みんな覚悟しています。


●そして、今度こそ、選挙後徹底した自己総括をやるべきだと思います。

 解散・そしてその後の総選挙は、政権担当の重圧とゆとりのなさでできなかった、きびしい自己反省の機会を、しっかりと民主党に与えてくれるでしょう。


●そして、そのことを徹底してやりきることで、初めて民主党は、成熟した責任政党に成長していくことができると思います。